愛犬の負担になる間違った3つのケア方法
日頃どのようなケアをしているかによって、健康状態だけでなく毛並み・毛艶などの状態までもが大きく変化します。まずは、よく勘違いされている間違ったケア方法をご紹介します。
1.シャンプーのやりすぎ
清潔にして犬臭さを少しでも軽減したいという理由から月に何回もシャンプーをさせたがる飼い主さんもいますが、シャンプーのやりすぎは皮膚への負担となりさまざまな皮膚トラブルを招きます。
皮膚トラブルが起こるとフケやかゆみを引き起こすだけでなく、皮脂の取りすぎで乾燥からバリア機能の低下へと繋がり、ちょっとした刺激にも弱くなってしまうこともあるため、適度なシャンプー回数でとどめておきましょう。
2.耳をゴムで止める
垂れ耳の犬種は立ち耳の犬種よりも通気性が悪いため、ニオイがこもりやすく菌が繁殖しやすいという特徴があります。そのため、少しでも通気性を良くしてあげようと両耳をゴムで束ねてしまう飼い主さんも少なくありません。
両耳をゴムで束ねてしまうと、耳にも血液が流れているためその血流が止まり、その状態が長時間続くといずれ壊死してしまいます。また、短時間であっても血流を止めていることで細胞に影響を与えているため、絶対にしないようにしましょう。
3.過度な爪切り
爪はできる限り短くしてあげたいですが、爪にも血管が走っているため短くしすぎると痛みが走ります。切った瞬間だけ痛みを強く感じる子がほとんどですが、痛みに敏感な子だと数日は地に足をつけることを嫌がりびっこを引くこともあります。
愛犬のための正しいケア方法
それでは、実際どのようなケア方法をすると健やかな状態なしてあげられるのか、愛犬のための正しいケア方法をご紹介していきます。
月に1~2回のシャンプー
シャンプーのし過ぎは皮脂の取りすぎとなるため、皮膚が乾燥してフケやかゆみなどさまざまな皮膚トラブルを引き起こしますが、適度なシャンプーは皮膚を健やかに保ち毛並み・毛艶を美しくしてくれます。
目安としては月に1~2回程度のシャンプーで十分ですが、皮膚の状態に合わせてシャンプー剤を使い分けることもおすすめです。
もし乾燥が気になるということであれば、保湿系のシャンプーで洗って洗い流さないトリートメントで皮膚をしっかり保湿してあげましょう。
また、保湿をメインとしたシャンプー剤と洗い流さないトリートメントを使った場合、週に1回のシャンプーでも問題ないものもあるため、どうしてもニオイが気になるという方や何かしらの理由で頻繁なシャンプーが必要ということなら、保湿系のシャンプーとトリートメントを合わせて使うことをおすすめします。
定期的な耳毛処理
耳の通気性をよくしてあげたいなら、耳の中に生えている耳毛をトリマーさんや動物病院で処理してもらいましょう。ただし、耳毛処理を極端に嫌がる場合は無理してはいけません。
無理に耳毛処理をしてしまうと、今後何かあったときに耳を触らせてくれず治療ができなくなったり、押さえつけてすることで逆に耳の中に傷をつけてしまうことがあるため、あくまでも無理のない程度にとどめることが大事です。
また、立ち耳の犬種も耳の汚れが溜まると通気性が悪くなるため、毎月のシャンプーと一緒にキレイに耳掃除をすると安心です。
適度な爪切り
爪切りは血が出ない程度の長さまで切るのですが、それが必ず適度な長さとは限りません。血管の前には神経が走っているため、血管や神経が長めの子だとそもそもギリギリまで切ることが難しく、それ以上切ることはその子にとっては不適切な長さになります。
逆に血管の長さも神経の長さも長すぎず短すぎずな子なら、ある程度短くカットすることができるため、その短さが適度な長さとなります。
見極めるには経験が必要なのでプロに任せることをおすすめしますが、もし自宅で切ってあげたいときには無理はせず先だけをカットしたり、一度切ってもらってから伸びた分だけを意識して切るといったようにしましょう。
愛犬のための毎日でもできるおすすめのケア
何事もやりすぎは禁物で適度に行なうことで健やかな状態を保つことができます。しかし、中には毎日行った方が良いケアもあるため、そちらも一緒にご紹介していきます。
ブラッシング
ブラッシングはできるだけ毎日してあげることをおすすめします。ブラッシングをすることで血行を促進するのはもちろん、抜け毛処理や毛玉・毛もつれ対策にもなるため、できるだけ日は空けない方がいいでしょう。
しかし、どうしても時間的に毎日ブラッシングをするのは難しい飼い主さんも少なくありません。また、いくら毎日した方が良いといっても、「毎日しなきゃいけない」といった義務感のような気持ちでいると疲れてしまいますよね。
そこでおすすめする方法がプチコミュニケーションブラッシングです。体全てをするのではなく、抱っこして体をなでるついでにさっとブラシを通してあげたり、頭をなでるついでに耳の毛をといてあげたり、あおむけになっているときに軽くブラッシングするといったような感じです。
そうすることで1日に1ヶ所のブラッシングにもなりますし、コミュニケーションのひとつとしてお互いストレスにもならないので、手でなでるついでのブラッシング程度でぜひしてみてください。
目元のケア
人間と同じように目やには毎日出ます。しかし、放っておくと目やにがカチカチに固まって取るに取れなくなってしまい、ひどくなると皮膚にガッチリくっついて炎症を起こしてしまうことも。
そのため、目やには気付いた時でいいのでティッシュやコットンを使って取るようにし、目元を清潔に保つようにしましょう。
もし、目やにが固まって取れにくくなったときは無理に取るのではなく、コットンやティッシュをたっぷり濡らしてしばらく目やにの上に置いておきます。
1分くらい置いておくとふやけてくるので、ふやけたらつまんでとるか、目の細かいコームを使って少しずつこさぎ取るようにしましょう。
無理に取ると痛いですし皮膚も傷つけてしまうので、とにかく無理しないことが大事です。もしあまりにもこびりついて取れない場合は、動物病院やトリミングサロンにお願いすれば取ってくれるので、プロの手を借りて取ってあげてくださいね。
まとめ
愛犬のためにと思ってやっていたことが負担となり、結果としてトラブルの引き金になっていたらショックでいろいろするのが怖くなってしまいますよね。
しかし、正しいケア方法と適度なお手入れ間隔が分かっていればそうした心配はなく、むしろ健やかな状態を保つだけでなく早期異常発見にもなるため、やらないよりは積極的にしてあげることをおすすめします。
また、あまりにも義務感のような意識ばかりが強くなると疲れてしまい、それがストレスとなってなにもしたくなくなるので、コミュニケーションのひとつであり心遣いのひとつとしてリラックスして取り組んでくださいね。