犬の歯の生え変わり時期はいつ?
- 生え変わりが始まる時期:生後4~5ヶ月頃
- 生え変わりが終わる時期:7ヶ月~1才の頃
子犬の歯は、生後4~5ヶ月くらいから生え変わりが始まります。そして、おおよそ7ヶ月~1才の頃には生え変わりが終わります。犬の歯が生え変わる順番は、次の通りです。
・切歯 → 犬歯 → 前臼歯、後臼歯
最初に生え変わる切歯はいわゆる前歯です。子犬が口を開いた時に切歯がないことで、愛犬の歯の生え変わりに気づくことも多いです。犬歯より先に前臼歯が抜けることもあります。
生え変わる歯の本数
犬の乳歯の数は「28本」で、すべて生え変わります。人間の乳歯20本と比べると思ったより多くてびっくりしますね。犬の歯が生え変わる回数は人間と同様に1回です。
さらに、永久歯では前臼歯が乳歯より1本増え、乳歯にはなかった後臼歯が生えるので、永久歯の数は乳歯より14本も多くなります。最終的に、犬の永久歯は「42本」となります。
歯が生え変わるときのサイン
犬の歯が生え変わりに気づくタイミングには、次のときがあります。
「色々なものを噛むようになった」
「噛んだものに血が付いていた」
犬も歯が抜けるときは、「なんか歯がへんだな~」と、ムズムズして違和感があるようです。そのため、色々なものを噛んで、その違和感を紛らわそうとして噛み癖がより目立つようになります。
愛犬が、やたらと噛むなーと思ったら、もしかしたらグラグラしている歯があるかもしれません。そして、おもちゃなど口に入れるものに血がついていたりする場合は、歯が抜けた時の出血かもしれません。
また、噛んでいたおもちゃに抜けた歯が刺さっていたということもあります。このようなときに、歯の抜け始めや、歯が抜けたことに気づくきっかけになるでしょう。
女性 30代
おもちゃ以外を口にする時、違う場所に移動するので「なにかおかしいなぁ」と思い、口にしている物を見たら、何やら骨の小さいみたいな物体。口を開けて見ると奥歯から二個目の歯でした。もう直ぐ6ケ月が終わります。
生え変わりの時期にしてあげたいこと
犬の歯の生え変わりは自然に任せるのが1番ですが、飼い主として出来ることは、子犬の噛みたい欲求を満たしてあげることです。
柔らかめの噛みおもちゃを与える
歯がかゆい時期、子犬は目についたものを何でも噛みたがります。そんな時に、電気のコードなどを噛んでしまうと大変です。噛んでも良いおもちゃやガムを与え、思う存分噛ませてあげましょう。
ただし、あまり硬すぎるものは歯を痛めてしまいますので注意して下さい。そして、犬から目を離す時は短時間だとしてもケージやサークルに入れ、事故を防ぎましょう。
おすすめは、へちまのように繊維が絡まったおもちゃです。硬すぎず適度に噛みがいがあるので、歯が痒い時に子犬は喜んで噛んでくれるでしょう。また、抜けた歯がへちまに絡むことで誤飲も防ぐことができます。記念に取っておきたい場合などにも役に立ちます。
どんなおもちゃにも言えることですが、おもちゃで遊ばせる時は犬とおもちゃだけで放っておかないで、飼い主さんが見ている中で遊ばせてください。おもちゃを噛みちぎって飲み込んでしまうと、手術が必要なことになってしまうこともあります。
他には、一緒に引っ張り遊びもおすすめです。愛犬とコミュニケーションを取りながら、噛む欲求を満たすことが出来るでしょう。引っ張りっこ遊びでは、犬の前後に引っ張るだけではなく、左右に軽く引っ張ってあげたり、時折動きを止めたりしながら遊んであげましょう。
ご飯を食べやすくなるように工夫する
特に問題なく食べるのであれば、そのままカリカリのドライフードで大丈夫です。
中には、歯が気になったり、痛くて食欲がなくなる子もいるでしょう。その場合は、普段のドライフードを少しふやかして柔らかくしてあげると食べやすくなります。
この時に、もし柔らかくしたフードを食べなかった場合には、他のウェットフードを与えたり食べやすいトッピングをするなどの方法もありますが、いつものフードを食べなくなってしまわないように注意が必要です。
ただし、子犬が長期間ごはんを食べないことは成犬以上によくありませんし、食べない場合には何か病気が隠れているかもしれません。ごはんを食べない以外にも変わったことがないかよく観察してみましょう。
歯が生え変わるときの注意点
抜けた歯を飲み込んでしまった場合
犬の歯が抜けているのに、抜けた歯が見つからないなんてことも多いです。遊んでいる最中や、ご飯を食べている最中に抜けることが多いので、歯が抜けてそのまま飲み込んでしまいます。
でも、心配はいりません。犬の歯は飲み込んでしまっても、うんちとして排泄されるので大丈夫です。
もし、おもちゃに血がついていたり、何かを食べているはずはないのにモグモグしていたら、口の中を見たり床を探してみて下さい。もしかしたら、抜けた犬の歯が見つかるかもしれません。
歯が抜けた後に血が出ている場合
通常、犬の歯が抜けた後の出血はすぐに止まるので大丈夫です。ですが念のため、血が止まるまでは引っ張りっこ遊びや、硬いものをかじらせるのは控えておくのが良いでしょう。
歯磨きは必ず続けて!
乳歯は生え変わるので、多少汚れていてもさほど大きな問題にはならないだろうと考える方もいるかもしれません。しかし、犬の歯の生え変わりが終わるのが7ヶ月~1才として、そこから歯磨きをいざしようとすると、犬が歯磨きを嫌がって出来ない可能性が高くなります。
新しいことに慣れやすい社会化期を過ぎ犬に自我が芽生えてから、歯磨きなどのお手入れを練習しようとすると、とても時間が掛かったりひどく抵抗されたりする可能性が高まります。
また、永久歯に生え変わるまで歯磨きをしないでいると歯周病になる可能性もあります。子犬の歯は生え変わるから歯磨きは必要ないと思わずに、子犬の時期から、歯磨きの習慣を付けておきましょう。
歯磨きの練習は、実際に歯を磨かなくても、口の中に指を入れたり唇をめくったりと、歯に触れても大丈夫な練習から始めると良いでしょう。早めの練習開始をオススメします。
乳歯が抜けないまま永久歯が生えてきた場合
子犬の時に歯が上手く生え変わらず、乳歯の後ろや横に永久歯が生えてきてしまい、「二重歯」になる子も実は多いです。この状態のことを「乳歯遺残」といいます。
乳歯遺残は、特に体の小さなチワワ、マルチーズ、トイプードル、ポメラニアンなどの小型犬がなりやすいといわれています。乳歯遺残があると、噛み合わせや歯並びが悪くなります。
乳歯遺残だけで食べ物がうまく噛めなくなるほど噛み合わせが悪くなることはまずありませんが歯垢や歯石がつきやすい、そして歯磨きできれいにしにくくなることから歯周病もなりやすくなります。
また、永久歯の生え方によっては口の中を傷つけやすくなることもあります。時間の経過と共に自然に乳歯が抜ければ良いのですが、そうではない乳歯遺残もたくさんあるそうです。その場合、病院で残った乳歯を抜くことを獣医師さんと相談して検討していきましょう。
なお、抜歯の際には全身麻酔を掛けることになるため、麻酔のリスクを減らすために去勢や不妊手術と併せて行うことが一般的です。
愛犬の2重歯で心配で獣医さんに相談してきました。体重1.5kgと軽すぎでしたが、早めに避妊&乳歯を抜いてもらいました。体の小さ目の子が2重歯になりやすいって初めてわかりました。その時の2重歯の写真です。ホント!食べたものが挟まって口が臭かったです。
まとめ
子犬の成長を感じるひとつの課程「犬の歯の生え変わり」。キチンと生え変わるように、飼い主さんも少し気をつけて様子をみてあげましょう。愛犬の抜けた歯を見つけたときは、ちょっぴり感動して幸せな気分になりますよ。
また、「乳歯遺残」など気になることがあれば、かかりつけの獣医師さんに相談して、これからの愛犬の健康のためにもできることをやっていきましょう。