犬が避妊・去勢をすると太りやすくなる理由
犬が避妊・去勢をすると太りやすくなると聞くとすごく不思議な感じがしますよね。なぜ避妊・去勢をしただけで太りやすくなるのかというと、それは避妊去勢することで性ホルモンの分泌がなくなり、食欲を抑制する働きが落ちてしまうことや活発でなくなり消費カロリーが減ること、繁殖するためのエネルギー消費がなくなるからなんです。
どういうことかというと、例えば猫であれば繁殖時期になるとすごい声で鳴いていますよね。あれは、繁殖相手を求めて鳴いているのですが、繁殖相手が見つかった後も繁殖のためにエネルギーを消費します。
これと同じように、犬の場合も子孫を残すためにお互いを探し求めるためのエネルギーを使っていたり、性ホルモンの分泌があるからこそ攻撃性が高くなることもあります。
このように、避妊・去勢をしていないと性ホルモンの分泌によって使われるエネルギーがあるのですが、避妊・去勢をするとこうしたエネルギー消費がなくなるため太りやすくなるのです。
他に、女性ホルモンは食欲を軽く抑制する働きがあります。このホルモンはメスだけでなくオスでも分泌されています。また男性ホルモンが減少すると筋肉量が落ちてきてしまったり、意欲がなくなるなどの影響が起こります。筋肉は熱産生なども行いエネルギー消費に激しい部位ですが、去勢すると筋肉量が落ちてしまうため太りやすくなります。しかし、ほぼ体格が変わらない子が時々います。なぜ避妊・去勢手術後太るのかについては諸説ありますが、現在言われているのはこのような理由になります。
犬の「性欲」の代わりに増える「食欲」
避妊・去勢をすると性ホルモンの分泌がなくなり性欲も当然なくなり、食欲が増すことがあるため、食事管理を気を付けなければなりません。
食欲が増すと飼い主さんとしては「ごはんが足りていないのかな?」と心配してししまい、ついご飯の量を増やしてしまいがちです。
しかし、先述したように避妊・去勢をすることで消費エネルギーが減るため、本来であれば摂取カロリーも減らさなくてはなりません。
一般的には避妊・去勢後はカロリーを30%減らさなければ手術前の体重が維持できないということが言われています。そうすることで、減ってしまった消費エネルギーを補い太ってしまうことを防ぎます。
ですが、増えた食欲を心配して逆にごはんの量を増やしてしまうと、当然摂取カロリーはオーバーしてしまいます。
ですから、ごはんの量を増やすのではなく満腹感を与える工夫をするようにしましょう。そこで、動物病院では避妊・去勢後の専用フードもあるため、そうしたものを利用するのがおすすめです。
犬の運動量を増やして消費カロリーを増やす
太る原因は摂取カロリーに対して消費カロリーが少ないためです。ですから、仮にたくさん食べてしまったとしても消費カロリーが多ければ、太りにくくすることは可能です。
しかし、運動量を増やすとなるとどの程度増やせばいいのかは個体差がありますし、運動の好き嫌いもあるため少し難しい方法だとも言えます。
また、万が一飼い主さんがお散歩に連れていけなくなってしまったり、犬が何かしらの疾患を抱えている場合は運動自体控えなければいけないため、与えるドッグフードを避妊・去勢専用のものにすることが一番簡単です。
とはいえ運動をすることはとても大事なことなので、食事管理と合わせて適度な運動をするようにしましょう。
体質によっては太らない犬もいる
犬が避妊・去勢後に太りやすくなるのは紛れもない事実ですが、必ずしもすべての犬がそうとは限りません。
体質によっては食べたものが体のお肉になりにくい犬もいますし、もともと食が細くて術後も大して食欲が変わらないという犬もいます。
そうした犬は多くの場合もっと食べた方が良い傾向にあったり、カロリーの高いドッグフードを与えた方が良いこともあるので、必ずしも避妊・去勢後に専用のドッグフードに切り替える必要はありません。
実際自分の愛犬はどういった体質なのか、術後どういった変化があるのかなど様子を見てみて、必要に合わせて与えるドッグフードを選んであげましょう。
まとめ
犬の避妊・去勢後は減少した性ホルモンの影響を受けエネルギー消費が少なくなってしまうので、結果として太りやすくなってしまうだけでなく、食欲も増加するため食事管理が難しくなり結果的に太ってしまう犬は少なくありません。
しかし、避妊・去勢をしたら犬は太りやすくなるというだけで、食事管理と適度な運動さえしていれ太ることはないため、太るかもしれないという不安で避妊・去勢をためらうのではなく、その後の管理をしっかりして健康的に過ごせるように務めましょう。