犬の噛み癖は去勢手術で改善するのでしょうか?

犬の噛み癖は去勢手術で改善するのでしょうか?

よく噛み癖のある男の子のワンちゃんは去勢しましょう、と言われますが、果たして去勢手術で本当に噛み癖は治るものなのでしょうか?

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

手術中ランプ

噛み癖は、動物病院でももっともよく相談を受けるものの一つです。

そしてその中でも「去勢手術をすれば噛み癖は治りますか?」という質問もよく受けるのですが、残念ながらそれだけで改善することはまれです。

行動学的な視点から見たワンちゃんが噛む理由

ワンちゃんが噛む理由、それを行動学的な視点から分類すると(人に対して噛む場合)、

  • 優位性攻撃行動
  • 縄張り性攻撃行動
  • 恐怖性攻撃行動
  • 捕食性攻撃行動
  • 突発性攻撃行動

に分けられます。


優位性攻撃行動
自分の社会的地位(ワンちゃんは、自分の家族をワンちゃんの群れと考えて、その中で自分のポジションを決めていると言われています)がおびやかされるとき、あるいはその自分の地位を誇示したいときに見られる行動です。
たとえばお気に入りのおもちゃを取り上げようとしたら噛んできたようなときです(この優位性攻撃行動は、最近はその根底には”不安”があるのではと言われています)。

縄張り性攻撃行動
おうちの中やあるいは庭など、自分が縄張りだと思っているところへ、他人が侵入してきそうなときに見られる行動です。玄関先に訪問者がいると吠えかかっていくような行動です。

恐怖性攻撃行動
恐怖や不安から攻撃行動に移ってしまうもので、突然大声で叫びながら近づいてくる子供に対して襲いかかるような行動です。

捕食性攻撃行動
野生でエサとなる動物を捕まえるときのような行動(忍び足になったり、姿勢を低くしたり)から始まる攻撃行動です。幼児の服に着いたミルクのにおいなどで引き起こされることがある行動です。

突発性攻撃行動
まったくの原因不明の攻撃行動で、”激怒症候群”とも言われ、突然なんの前触れもなく”キレる”行動です。

まとめ

このように、噛む攻撃行動にはたくさんの種類があるのですが、その中で去勢手術が有効な攻撃行動は、優位性攻撃行動だけと言われています。

しかも近ごろは優位性攻撃行動も、根底には不安があると言われていますので、そのようのな場合だとやはり去勢手術による攻撃性の改善はあまり望めないでしょう。

また、どんな攻撃行動でも去勢手術”のみ”で改善することはありません。あくまで改善しやすいだけで、基本は飼い主様との関係性を改善させることから始まります。

噛み癖の対処において、去勢手術は”補助的なもの”と考えた方がよいでしょう。

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