柴犬は天然記念物に指定されている?その経緯やなぜ飼えるのかについて

柴犬は天然記念物に指定されている?その経緯やなぜ飼えるのかについて

日本犬の代表格とも言える柴犬は、今や国内外で人気を得ています。そんな人気者の柴犬には意外な歴史があり、国の『天然記念物』に指定されているのをご存知ですか?この記事では、柴犬が天然記念物に指定された経緯と天然記念物なのに飼える理由、そして天然記念物である柴犬とはどんな犬なのかについてご紹介します。

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柴犬は天然記念物に指定されている!他の日本犬も

芝生の柴犬

日本犬と聞くと、柴犬を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。日本では古くから愛され根強い人気を持つ柴犬ですが、今や『SHIBA INU』として海外でも人気を得ています。

道を歩いていると、お散歩中の柴犬をよく見かけます。ですから、とても身近に感じるのですが実は…柴犬は国の『天然記念物』に指定されているのです!

天然記念物には柴犬だけではなく、紀州犬、四国犬、甲斐犬、秋田犬、北海道犬も指定されています。そして、『越の犬』という犬種も天然記念物に指定されましたが、1971年(昭和46年)に絶滅したと言われています。

天然記念物に指定されている6犬種のうち、現存の中で最も飼育頭数が多いのが柴犬です。さて、この身近でポピュラーな柴犬は、どういう経緯で国の天然記念物に指定されることになったのでしょうか?探ってみました。

柴犬が天然記念物に指定された経緯は?

寝ている柴犬

柴犬のルーツは縄文時代にまでさかのぼり、大昔から人間と共に生きてきたと考えられています。柴犬をはじめとする日本犬は長く純血が保たれていましたが、明治時代に変化が…。

明治時代に純血の柴犬が激減

鎖国をしていた日本が幕末に開国してから日本に洋犬が入ってくるようになり、明治時代には洋犬ブームとなりました。洋犬が珍重される一方で、野放しであった日本犬は「畜犬取締規制」によって捕獲されることに。

また、洋犬との異種交配が進み、純粋な柴犬は激減しました。

昭和初期に天然記念物に指定

昭和に入ると日本犬の純血種を守ろうとする風潮が高まり、1928年(昭和3年)に日本で最初の畜犬団体『日本犬保存会』が設立され、1934年(昭和9年)に『日本犬標準』を制定しました。

日本犬保存会は山間から純粋な日本犬を探し出して研究や登録を行い、日本古来の犬種を残すために尽力しました。

そしてついに、1931年から1937年にかけて日本犬7犬種が天然記念物に指定され、1936年(昭和11年)12月16日に柴犬も国の天然記念物に指定されたのです。

柴犬は天然記念物なのにどうして飼えるの?

笑っている柴犬

柴犬が天然記念物に指定されていることを知ると、「天然記念物なのにどうして飼えるの?」という疑問が湧いてきませんか?

なぜ、『天然記念物』という肩書きを持つ柴犬を飼うことができるのかというと、天然記念物の場合は「種の保存のために飼育や繁殖をしても良い」とされているためです。手厚く保護されそうなイメージですが、天然記念物の場合はどちらかというと絶滅せずに生息することが重要なのです。

一方、『特別天然記念物』であるオオサンショウウオ、イリオモテヤマネコ、トキなどは、文化財保護法の対象となるため文化庁長官の許可なしに飼育することはできません。

天然記念物の柴犬ってどんな犬?

伏せる柴犬

柴犬が天然記念物に指定されていることやそうなった経緯、そして天然記念物なのに飼える理由が分かったところで、そもそも柴犬とはどういう犬なのかをご紹介したいと思います。

柴犬の歴史

先ほども少し触れましたが柴犬の歴史は古く、縄文時代の遺跡から犬の骨が出土しており、これが縄文犬と呼ばれる柴犬の祖先犬と言われています。縄文犬は狩猟犬として活躍し、主に小動物、ときにはイノシシを狩ることもあったようです。

明治時代に洋犬が入ってきてから純粋な柴犬が激減したのち、昭和初期に天然記念物に指定されましたが、そのあとも第二次世界大戦やジステンパーの大流行を経て、再び頭数が激減。

柴犬は大きく信州柴、美濃柴、山陰柴の3つに分かれますが、激減した柴犬を保存するため3つのグループの枠を超えて交配を行い、絶滅の危機を乗り越えました。

そして現在は、国内外で愛される人気の犬種となっています。

柴犬の特徴

柴犬は締まりのあるすっきりとした顔立ちをしており、日本犬の中では一番小さいサイズではありますが、均整の取れた体つきをしています。

柴犬といえば、くるんと巻いた尻尾のイメージが強く、どの個体もみんな同じ尻尾をしているように思えますね。しかし実は、左巻、右巻、左二重巻、右二重巻、車巻、半巻、半差尾、差尾、太刀尾と、9種類もあります。

毛の色は赤、黒、白、胡麻の4種類です。どの毛色であっても共通の特徴として、体の裏側(内側)が白色であることが挙げられ、これは『裏白(うらじろ)』と呼ばれています。

柴犬の性格

柴犬はもともと狩猟犬だったため勇敢で、行動力があります。また、独立心が強く頑固な面もありますがとても賢く、飼い主の気持ちを察知することに長けています。

飼い主に従順ではあるものの、ベッタリと依存するタイプではないので、よく『ツンデレな性格』と表現されます。

警戒心の強い面があり、他人とは距離を置いた態度で接することが多いです。

まとめ

手を出す柴犬

とても身近に感じる柴犬ですが、国の天然記念物に指定されています。現在、柴犬やその他の日本犬たちが存在するのは、日本犬の純血種を守るために立ち上がり、尽力してくれた人々がいたおかげなのですね。

柴犬と同じように天然記念物に指定されていながらも、残念ながら絶滅してしまった日本犬もいます。現存する日本犬たちの血が絶えることなく、これからもずっと継承されていくことを願ってやみません。

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