柴犬の特徴
大きさ(体重/体高)
- 体高:40cm
- 体重:9Kg前後
柴犬の平均体高は40cm、体重は9Kg前後となっており、犬全体の中では意外にも小型犬に分類されます。個体によって差はありますし、中にはもっと大きな柴犬も存在していますが、一般社団法人ジャパンケネルクラブでは柴犬を小型犬としています。
被毛(毛色/毛質)
- 赤毛
- 黒毛
- 胡麻毛
柴犬の毛色は基本的に上記3つに分けらます。
一般的に柴犬としてよく見られるのが赤毛で、柴犬の8割はこの赤毛が占めると言われています。
この他にも、稀に真っ白な柴犬も生まれることがありますが、とても珍しい毛色で、見かけることはあまりありません。そのため希少価値が高く、通常の柴犬よりも生体代は高めに設定されています。
また、黒毛の柴犬は最近人気が高くなっており、全体のわずか1割ほどの割合でしか生まれない希少性から赤毛の柴犬よりも少々値段が高く設定されています。
ちなみに、白毛の柴犬を目にした人の中には「何かの遺伝疾患があるのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、白毛の柴犬が毛色の遺伝子の関係で生まれるだけであって、健康状態には問題がないとされています。むしろ、白毛の柴犬は全体の5%程度の確率でしか生まれませんので大変貴重な柴犬として、愛好家の中では人気が高いのです。
胡麻毛とはいわゆる差し毛のことで、赤・黒・白の3色が全体に混ざった毛色のことを言います。その中で赤毛が多ければ「赤胡麻毛」黒が多ければ「黒胡麻毛」と言われます。
また柴犬の毛色は全て「裏白」と呼ばれる配色でなければならないとされています。この裏白とは、体の下を向いている部分の腹、胸、尾の下などの部分が白くなっていることをいいます。
そんな柴犬の毛質は二層構造になっているダブルコートで一年中生えている剛毛が表面を覆っています。被毛は短いですが、換毛期になると脇腹や頭部、四肢や側胸などの毛が徐々に抜けていくため、ブラッシングなどで抜け毛ケアをしてあげる必要があります。
体の特徴
柴犬の身体的な特徴は小さな立ち耳で巻き尾という点です。ちなみに尻尾はパッと見た感じではみんな同じに見えますが、よくよく見ると左巻きや右巻き、さし尾など個体によって特徴がそれぞれ違います。巻き尾になっている他にも、尻尾が持ち上がっている子や、巻き尾ではなく先端が前方に折れている子も存在しています。
そんな柴犬の尻尾にはさまざまなバリエーションがあり「右巻」「左巻」「右二重巻」「左二重巻」「半巻」「車巻」「太刀尾」「草薙尾」「柳巻」「牛蒡尾」「茶筅尾」「株尾」「無尾」といった、数多くの尻尾の巻き方、形があります。この尻尾の形や巻き方については、個体差が大きく関係していますので柴犬を迎え入れるときは、ぜひ尻尾にも注目をしてみましょう。
クルっと巻いた尻尾と、ピンと立った耳がとても愛らしいですが、猟犬として飼われていただけあり、小型でありながら骨格がしっかりしている点も、柴犬ならではの特徴であり魅力だといえます。
また顔つきは「キツネ顔」と「タヌキ顔」に分けることができ、面長でキツネのような顔に引き締まった体型の柴犬を「キツネ顔」または「縄文柴」と呼び、筋肉質でどっしりとした骨格に丸っこい頬の張った顔をしているのが「タヌキ顔」または「新柴犬」と呼ばれています。
文字通り、縄文時代からいる柴犬が縄文柴で、現在の住環境や生活スタイルに合わせて少しずつ変化をしていった柴犬を新柴犬といいます。
柴犬の特徴はほっぺにも現れます。柴犬は軽く頬を引っ張るだけで驚くほどビローンと伸びます。これは首周りの皮下脂肪が多いためと考えられており、柴犬の飼い主様はこのほっぺを伸ばしすことで癒しを覚えている方も多いのだとか。
飼い主様に忠実で忍耐強い性格をしている柴犬ですから、少々のことならばされるがままで耐える健気な姿も、犬好きの心をつかんで離さないポイントといえます。
柴犬と豆柴の違い
柴犬を見ていると、柴犬よりも小柄な豆柴という犬種を見かけることはありませんか?柴犬をそっくりそのまま、小さくしたようなこの豆柴。しかし、豆柴と柴犬は同じ犬種なのか?それとも違う犬種なのか?不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。
実はこの豆柴は、柴犬の亜種で厳密にいうと豆柴という犬種は存在していません。実際に日本犬保存会などの団体は豆柴を犬種として認めないという姿勢を貫いています。
そんな柴犬と豆柴の違いは体の大きさ。豆柴の大きさは体高30cm前後、体重は4Kg程度と、柴犬よりも一回り小さいサイズとなっています。ただ、厳密にいうと柴犬と豆柴は同じ犬種として扱われているため、豆柴は柴犬の中でも小ぶりなサイズという扱いになるということです。ただ、これから先もっと豆柴の改良が進み、個体も増えてくれば新たな犬種として認められるかもしれませんね。
柴犬の名前の由来
柴犬という名前は主に中央高地で使われていた名前で、昭和初期に紹介されたのがこの名前の始まりだと言われています。
そんな名前の由来は、猟犬として飼われていた時代に柴藪の中を潜り抜けて獲物を追いかけていた姿が由来となっているという説や、柴犬と毛色が色が枯れた柴に似ているため、小さなものという意味のある「柴」という言葉を使ったためなどの説があります。
柴犬の性格
性格
- 愛嬌がある
- 警戒心が強い
- 鋭敏
- 自信満々
- 甘えん坊
- 頑固
柴犬の魅力を聞いたとき、多くの人が答えるのがその性格でしょう。とても警戒心が強く、自立心が強い犬で家族に対してべたべたと甘えてくることはなく、クールに接することが多い犬種です。
この性格は元々、愛玩犬ではなく猟犬として長く人と暮らしてきたために形成された性格です。そのため、獲物を目の前にすると我を忘れて追いかけてしまう一面もあるだけではなく、飼い主が満足に指示を出せないと自分勝手に行動をしてしまうことも。そのため初心者向けの犬とは言えない犬種でもあります。
しかし、一度飼い主のことをご主人様と認めると大変忠実で時には甘えん坊になったり、時には飼い主のために侵入者に立ち向かったり、時には飼い主のピンチを何とかして救おうと奔走したりと、とても健気で愛らしい頼れる相棒となってくれます。
また、他人に対しては愛嬌良く接することも、初対面の人に対して尻尾を振って近づくようなこともしませんが、飼い主様に対しては愛想よく接してくれるという一途な面も人気を集めているポイントです。
一度主人と決めた人には生涯忠誠を誓う。まさに犬らしい性格を持った犬種だといえます。また、何をするにも自信満々で警戒心の強さと持ち前の鋭敏さで、番犬としても大いに活躍してくれます。そんな柴犬の性格が、素朴な国民性を持つ日本人とあっているのかもしれません。
その証拠に柴犬は、はるか昔の縄文時代の遺跡から柴犬の祖先と考えられる犬種の骨が発見されているそうです。また、平安時代にも猟犬として一般家庭で飼われており実際に狩りを行っていました。それほど昔から人と密接な関係を続けてきた柴犬。日本人にとってもっとも身近で親しみやすい性格を持っていたからこそ、これほど長い間愛され続けていると言えます。
柴犬の子犬の値段
値段の相場
5~30万円
柴犬の子犬の販売価格にはとても大きな差があり、個体差、両親犬がチャンピオン犬か否か、ブリーダーの優秀性、さらには季節によっても変動します。特に季節に関しては、柴犬の妊娠率が季節によって変わるため顕著に価格相場に関係してきます。一般的には11月~2月になると安くなり、3~5月になると高くなる傾向にありますので、柴犬を迎え入れるときは覚えておきましょう。
その他にも被毛カラーによってお値段は大きく変動します。柴犬の8割を占める赤毛の柴犬は、それほどの金額でもありませんが全体の5%程度しか存在しない白毛の柴犬、最近人気が高まり希少価値がさらに跳ね上がった黒毛、様々な模様で楽しませてくれる胡麻毛になると、価格が大幅に上昇します。
そんな柴犬ですから、子犬の相場と言われても価格の変動が激しく確かなことが言えないのが現実です。ただし、最近の販売価格でいいますと最安値の柴犬で5万程度、最高金額で30万円程度です。赤毛の柴犬であれば比較的安く迎え入れられますので、一つの目安として覚えておきましょう。
柴犬の寿命
平均寿命
12~15歳
柴犬の寿命は平均で見ると12~15才程度と、犬の中でも比較的長生きする部類に入ります。犬の15才を人間の年齢に換算すると、76歳程度ですから、人間の平均年齢よりも少し若いくらいです。
ちなみに犬の寿命の最長記録である犬は、柴犬と雑種犬の間に生まれたミックス犬で、「26歳9ヶ月」という大変な記録を残しています。その長寿記録はギネスにも登録されています。ちなみに26歳という記録を人間の年齢に換算するとなんと「125歳」になるのだとか。
柴犬の飼い方
環境
柴犬は古くから室外で番犬として飼われることが多かった犬種ですが、近年では体も小さく従順であることから室内で飼育されることも増えてきました。しかし、自立心が高く甘えん坊でありながらクールな一面も持っている柴犬です。室内飼いにすると、どうしても飼い主とのスキンシップをする回数が増えることでストレスを感じやすくなります。
また、柴犬はとてもキツイ性格をしているためしつけを十分に行わないとイタズラをするなどのお困り行動が多くなる犬種でもあります。可愛い愛犬だからこそ、室内で飼うときは甘やかしすぎないようにするだけではなく、人間と共同生活を送るためのルールをキッチリと教えておきましょう。
元々飼い主に従順でお利口さんな犬種ですから、飼い主様がしっかりとしつけを行えばそれだけ答えてくれます。また、その個体によってはあまりかまわれ過ぎないほうがストレスを感じずに暮らせる場合もありますので、接し方については十分に注意をしましょう。
運動
柴犬はとても活発な犬種であるため、毎日にかなりの運動をさせてあげる必要があります。毎日長時間の散歩をしてあげるのはもちろん、可能であれば屋外の広々とした場所で十分に遊ばせてあげましょう。
特に室内飼いをしている場合、なかなか十分な運動をさせてあげたり、刺激的な遊びをしてあげたりすることができない場合もありますので、飼い主様が意識をして毎日運動をさせてあげることが、柴犬の健康を守りストレスをため込まない快適な生活を送らせてあげることに繋がります。
目安としては成犬で1日30分~1時間程度です。自転車などを使って走らせてあげると喜びますが、あまり引っ張り過ぎたり無理な動きをさせてしまったりする可能性もありますので、十分に注意をしながら運動をさせてあげましょうね。
しつけ
とても気が強い柴犬ですから、しつけは十分に行う必要があります。特に柴犬を飼ううえで注意をしなければいけないのが、柴犬に主従関係をキッチリと認識させることです。柴犬は犬の中でも特に上下関係をハッキリと区別します。
そのため、ひとたび飼い主様のことを友達や相棒といった風に認識すると言うことを聞かないのはもちろん、飼い主様を困らせる行動ばかりをとるようになることも。愛犬が可愛いのはもちろんですし、たくさん甘やかしてあげたい気持ちもよくわかりますが、甘やかしてばかりいると言うことを聞かない問題犬になってしまいますので十分に気を付けましょう。
また、柴犬はとても警戒心が強く繊細な面もありますので、幼い頃から人間の生活圏に慣れさせることが大切です。車の音、見知らぬ人、見知らぬ犬や動物、生活音など、幼い頃から様々なものに慣れさせておくことで、人間社会でもストレスを感じることがなく生活を送れるようになりますので、社会化期と呼ばれる生後1~3ヶ月頃から、人間社会に慣れさせる訓練を積極的に行うようにしましょう。
餌
柴犬は運動量が多く、筋肉質な体をしているため筋肉を維持するために必要な高タンパク質な餌を選んであげるようにしましょう。また、柴犬はとても太りやすい犬種として知られているため、低脂質な物を選び筋肉質でスマートな体型を維持できるような食事を選んであげることがおすすめです。
その他にも、柴犬はアレルギー性皮膚炎を発症しやすい犬種ですから、アレルゲンとなるようなものが少ないグルテンフリー(穀物不使用)で無添加な物を選んであげると健康面でも安心です。
お手入れ
柴犬はダブルコートで大変抜け毛が多い犬種としても有名です。そのため換毛期である春と秋にはブラッシングをしてあげる必要があります。換毛期で抜けるのは上の固い毛ではなく、下の柔らかい毛です。そのためブラッシングをするときはラバーブラシやスリッカーなどで下の毛を重点的にブラシをしてあげてから、コームなどで全体的にブラッシングをしてあげると綺麗になります。
被毛に汚れがあるときは、蒸しタオルなどで体全体を包み行うと汚れが取れやすくなります。さらに換毛期は月に一回程度シャワーをしてあげるとよいでしょう。あまり頻繁に行わなくてもよいですが、どうしても汚れやニオイが気になるときはシャンプーを使わずに全身を濡れしてあげてからブラッシングをすると綺麗になります。
皮膚病になりやすい柴犬にとってブラッシングは大切な皮膚病予防です。換毛期にはぜひ小まめなお手入れをして愛犬の健康を守ってあげましょう。
柴犬のかかりやすい病気
アトピー性皮膚炎
柴犬は皮膚疾患がおきやすい犬種として有名です。その中でも、特に注意してほしいのがアレルギーによって発症するアトピー性皮膚炎です。アトピーの原因は様々で、カビ、ダニ、花粉、ハウスダスト、食物アレルギーなど多岐にわたります。一度症状が出ると痒みにより体中を引っかいたり、顔をこすったりするなどの症状が見られますので日頃から予防をしてアトピーの症状が出ないようにすることが大切です。予防法としては生活環境や、柴犬自身の体を清潔に保つことが大切で、予防のために2ヶ月に一回ほどはシャンプーを行うようにしましょう。また、アレルゲンとなる物質を触れさせないことも大切です。
認知症
柴犬に限らず、長寿な犬種の中で増えてきているのが認知症です。近年、ドッグフードの品質が向上したため、犬の寿命は飛躍的に伸びてきました。その影響から、認知症を発症する犬も多くなってきています。
特に柴犬は認知症になる子が多い犬種として知られています。認知症の症状としては、名前を呼ばれても反応しなくなる、夜鳴き、粗相などがあり、最終的には飼い主様ですら判別できなくなることも。
僧帽弁閉鎖不全
柴犬がかかりやすい病気の中でも、代表的な病気の1つとして、僧帽弁閉鎖不全とは、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁が機能しなくなり、血液が逆流してしまう病気です。この病気の怖い所は気付かないうちに症状が進行してしまうことで、気付いたときには手遅れだったというケースも多い恐ろしい病気なのです。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨とは膝の骨のことで、事故や高所からの転落が原因となるほか先天的に疾患を持っている場合もあります。放っておくと慢性的な脱臼状態となり、さまざまな悪影響を及ぼしますので気が付いたらすぐに獣医師の適切な処置が必要になります。
足を引きずるような歩き方をしている、一本の足をあげて三本足で歩いているなど、立ち方や歩き方に異変を感じたならすぐに診察を受けるようにしましょうね。
股関節形成不全
股関節が変形して痛みを伴い最終的には歩けなくなってしまう病気です。遺伝疾患である場合が多く、初期症状としては走り方に違和感を覚えたり、歩くときにお尻が大きく揺れている、または立ちにくそう、座りにくそうにしていたりする異常が見られます。
発症したとしても、病院で適切な処置を受ければ通常の生活を送れるようになりますので、異変を感じたならばすぐに獣医師の診察を受けましょう。
白内障
比較的長寿な犬種である柴犬によく見られる病気として知られているのが白内障です。白内障の症状は目の水晶体が白く濁り見えにくくなる病気でシニア犬によく見られるもので、物によくぶつかる、視線が合わない、目が白く濁るといったものがあります。完治をするための治療薬、治療法は確立されていませんが、進行を遅らせるための点眼液による治療は行えます。
角膜炎
角膜炎とは目の中にある角膜が何らかの理由で炎症を起こしてしまう病気です。涙が止まらなくなる、目やにが出る、充血する、目を頻繁にこするような症状が見られます。目の中にゴミが入ってしまっていたり、何らかの異物感を感じていたりすると、目をこすってしまい、角膜に傷が付き、角膜炎になることもあります。
角膜炎は放置をしておくと最悪手術が必要になる病気でもありますので、異変を感じたならば自己判断はせずに獣医師の判断を仰ぐようにしましょう。
肥満
柴犬は肥満になりやすい犬種としても知られています。十分な運動を行う他、脂質があまりにも多い食生活を遅らせないようにするのが大切です。人間の食べ物のように、カロリーの高い食べ物を与えては、肥満の原因となりますので食べ物は高たんぱく質、低脂質な食事を与えるほか、十分な運動を毎日行わせてあげることが長生きの秘訣となります。肥満は万病の元ともいいますので、愛犬を大切に思うならば適正体重をしっかりと維持するように心がけましょう。また、ストレスも肥満の原因となりますので、ストレスがかからない快適な住環境を維持することも忘れないでくださいね。
柴犬の歴史
柴犬の歴史は大変古く、縄文時代の遺跡から柴犬の元となった犬の遺骨が発見されていることから、少なくとも縄文時代には人間と共に生活をしていたと考えられています。
そのため、柴犬は日本のみならず世界的に見ても非常に古い歴史をもつ犬種として知られているのです。DNA検査の結果によりオオカミとも非常に近い遺伝子を持っていることも分かっています。このことから、柴犬は紀元前400年ごろ、もっと古ければ紀元前1万年頃には日本人と共に生活をしていたの考えられています。
そんな柴犬は古来より猟犬として飼われており、人間の狩りのお供をしたり、番犬として活躍したりと人間のよきパートナーとして親しまれてきました。しかし、明治時代になると日本に洋犬が輸入され始め、洋犬の数が多くなるにつれて日本に昔から存在している犬種の数が徐々に減少していきました。
また戦争のため犬の毛皮用に軍に供給されるようになると、猟犬としての仕事を失っていた柴犬がその犠牲になっただけではなく、戦後に流行った犬ジステンパーの大流行により柴犬を始めとした多くの犬たちがその命を失いました。
その混乱の中で登場した、柴犬のような姿をした交雑種が増加したことも相まって純粋な柴犬は瞬く間に減少することになったのです。しかし、この事態を重く見た愛犬家の働きにより、1936年に柴犬は天然記念物に登録されるのと同時に、純血種の保全と繁殖活動が地道に行われ、現在ではその数を増やすことに成功したのです。
しかし、天然記念物に指定された当時、柴犬は長野県の「信州柴」、岐阜県の「美濃柴」、本州山陰地方の「山陰柴」の3種類が存在していましたが、絶滅の危機に瀕していたため各地の柴犬を集めて交配をした結果、3種類の柴犬は統合されてその個々の特質は失われてしまいました。
そんな柴犬は日本国内だけでは留まらず海外でも「SHIBA」「SHIBA‐INU」の愛称で親しまれ、多くの愛犬家が存在しています。特にアメリカでの人気は高く、なんと柴犬専門のブリーダーが誕生しているほどです。
柴犬が海外で高い評価を受けている理由としては、オオカミのような見た目と飼い主に従順な姿、さらには昨今の日本ブームも相まっているようです。また、世界的に大ヒットした映画で、日本でも昔から知られている忠犬ハチ公を題材にした映画「HACHI 約束の犬」の影響から、「日本犬は飼い主に忠実で愛情深い犬種」というイメージが定着したのも理由としてあげられます。
ただし、忠犬ハチ公に出てくるのは、秋田犬です。同じ日本犬でありますが柴犬ではありません。それでも柴犬人気が高いのは、やはりその飼いやすさや見た目の親しみやすさが理由のようです。
柴犬の迎え入れ方
柴犬は大変人気が高く、全国各地のペットショップにも高確率で販売されている犬種ではありますが、だからこそペットショップでの購入には注意が必要です。ペットショップで卸しているブリーダーの中には、犬のことなどまるで考えずに商売のためだけに無理な繁殖をさせている悪徳ブリーダーも存在しています。
そんな悪徳ブリーダーの元で生まれた柴犬の多くは、先天性の疾患を抱えていたり、健康状態が悪く迎え入れてもすぐに亡くなってしまったりするケースもあります。そんな悪徳ブリーダーから柴犬を迎え入れたくない!どんな環境で、どんなブリーダーによって、どんな両親から生まれた子犬なのか自分の目で確認したいと思う方ならば、ぜひブリーダーから直接柴犬を迎えることをおすすめします。
あまり知らない方も多いのですが、犬はペットショップで購入するだけではなく、ブリーダーから直接譲りうける方法もあるのです。その方法は、近くの柴犬を繁殖しているブリーダーを見つけ出して直接アポイントを取るというものです。
最近ではブリーダーも、一般のお客様向けのサイトを開設していたり、ブリーダーを紹介するサイトに登録をしていたりする方も多いですから、検索をすればすぐに柴犬のブリーダーを見つけることができるはずです。
ブリーダーを探すときに注意をしてもらいたいのが、そのブリーダーが本当に信頼できる人なのか、子犬を育てる環境や、子犬を出産する母犬の健康状態は良好かという点です。
劣悪な環境で繁殖をしている悪徳ブリーダーの多くは、子犬は設備の整った環境で生活をさせているが、売り物ではない母犬は檻の中に閉じ込めてただ子犬を産ませるだけの物としか扱っていない場合もあります。
そのような悪徳ブリーダーから、柴犬を迎え入れないように、ブリーダーから子犬を迎え入れるときは、まずはブリーダーに飼育をしている環境を見学させてほしい旨と、母犬と対面させてほしいことを伝えてみましょう。ちゃんとしたブリーダーならば、おそらく快く見学をさせてくれるはずです。ぜひ、気になる方は悪徳ブリーダーか、そうではないかというのを見極めるようにしましょうね。
柴犬の里親になるには
柴犬は大変人気の犬種であるため、里親募集をされる場合もあります。例えば飼い主が急に飼えなくなったり、愛犬が子犬を産んだりした場合です。ただ、人気の犬種で多くの家庭で飼育されている犬種ではありますが、とても需要の高い犬種でもあります。
そのため里親募集で柴犬が出たとしても、すぐに希望者が現れてしまう可能性も高いです。もし柴犬の里親になりたいと思うのであれば、小まめに里親募集をされていないかチェックをして、募集がかかればすぐに行動に移せるようにしておきましょう。里親募集は、里親を探すサイトや保護団体などで募集がかかります。もし、柴犬の里親になることを考えている方はぜひチェックをしてみてください。
まとめ
柴犬の魅力をご紹介しましたが、改めてその人気の理由や長らく愛され続ける理由を、再確認したのではないでしょうか?
柴犬の魅力はオオカミのような原始的な姿、愛らしい顔だけではなく、何があってもご主人様についていくという健気さと、忠誠心、そして飼い主にしか見せない愛嬌と甘えん坊な一面ではないでしょうか?
まさに犬界のツンデレとも言える、愛らしい性格の柴犬にメロメロとなってしまう愛犬家が全世界にいることがうなずけますよね。
そんな柴犬は、気難しい性格をしている面もあるので初心者向けの犬ではありませんが、メリハリをつけたしつけと生活を送らせてあげればとてもよきパートナーとなってくれます。
興味のある方は、ぜひ柴犬を家族に迎えて明るく楽しい生活を手に入れてみてはいかがでしょうか?