犬の心と体をほぐす「Tタッチ」の効果とやり方

犬の心と体をほぐす「Tタッチ」の効果とやり方

みなさんは、「Tタッチ」をいう言葉をご存知でしょうか?ペットと暮らす環境の中で、10数年前にはなかったいろいろな新しい言葉がたくさんありますが、このTタッチという言葉に関しては、耳慣れない方が多いのではないかと思います。けれども、おそらく、このTタッチも、犬だけではなく、ご家庭でなにか動物を大切に飼っておられる人たちの間で、当たり前の常識として広がっていくと思われるので今回は、Tタッチについて、ご紹介したいと思います!

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Tタッチとは

撫でられる犬

正式名称

Tタッチとは、「テリントンTタッチメソッド(Tellington Ttouch method)」と言います。

歴史

Tタッチは、1983年に馬のトレーナーをしていた リンダ・テリントン・ジョーンズにより考案されました。

現在の日本では、アニマルセラピーや、アニマルホリスティクケアなどの協会も「Tタッチメソッド」をとり入れて、講習などを行っているようです。

ホリスティックケアとTタッチの結びつき

「ホリスティックケア」とは、疾患部分だけではなく、体全体のケアを意味しています。病気にならないよう、体が弱らないように、健康について、心と体、生活環境などのバランスを整えることを言います。

ホリスティックケアの効果として、

  • 心と体の両面から癒しをもたらす
  • その結果、免疫力や治癒力を高める 

といったことが挙げられています。

Tタッチを日常的に行うと、ペットの精神が安定すると言われているので、ホリスティックケアの効果をさらに高めることが期待できます。

Tタッチとマッサージの違い

マッサージは、筋肉やツボに働きかけて、肉体の改善を目的としています。Tタッチは、皮膚のすぐ下にある、筋肉よりも上層部分に働きかけて神経に刺激を与えるものです。

ホリスティックケアカウンセラー
辻本由香子

テリントン・Tタッチ・メソッドでは、動物の意思を尊重し、コントロールするのではなく、優しさと理解を持って動物自身に考えることを学んでもらいたいという基本的信念があります。

Tタッチでは、体に非習慣的なタッチをすることによって皮下組織から脳へ新しい知覚情報を伝達し、それによる細胞機能を目覚めさせるといった心身のバランスを整えていくことを非常に重要視しているセラピー方法です。

Tタッチのやり方

本の上に立つ犬

Tタッチは、指で自分の瞼を押しても、痛くないくらいの力で行います。はじめて挑戦されるときは、犬がいつもと違う飼い主さんからのアプローチに少し戸惑うような仕草を見せるかもしれません。

特に初めてのときは、吠えていたり、怯えていたりする問題行動が起こっている時ではなく、おだやかにのんびりくつろいでいる時に、何気なくいつも撫でているのと同じような状況で、行うことをオススメします。

クラウディッドレパードのTタッチ

犬の体の上に、自分の手をふんわりと置きます。

指を軸にして、指をそろえ、そろえた4本の指を使って、「自分の瞼の上に手を置いてもいたくないくらいの強さ」を意識しながら、犬の皮膚を円を描くように動かします。

イメージとしては、自分の指と手のひらを使って、犬の体の皮膚を動かし、連続して頭からしっぽへと円を描いていくイメージです。

2秒で360度の円ではなく、360プラス90度の円を描きます。時計で言えば、6時から回して、6時に戻り、二周目は9時まで皮膚を動かして、次の円を描きつつ、頭からしっぽへと少しづつ、手を移動させていきます。

そして、左手は、犬の体を支えるように添えます。この時、そろえた4本の指の中でも、人差し指の一番先の指に特に自分の意識を集中します。

ラマのTタッチ

クラウテッドレパードのTタッチを、指の背で行う方法です。

パイソンのTタッチ

「クラウテッドレパードのTタッチ」を手のひら全体で行います。加えて、クラウテッドレパードのTタッチは、頭からしっぽへ、しっぽから頭へと往復します。

しっぽから頭へのTタッチは、さらにゆっくりと頭からしっぽへと移動する時間の倍の時間をかけて行います。

愛犬にTタッチをやってみた

我が家の愛犬めいぷると、愛猫千代は、ふだんは寄り添って眠ったり、一つのお皿からおやつを食べたり、といったように関係は良好です。

けれど、まれにめいぷるの機嫌が悪かったり、千代がめいぷると遊びたくてチョッカイを出して、じゃれあいが本気の喧嘩になると、どちらも興奮して大騒ぎになってしまうことがあります。そんな時、Tタッチを試してみました。

この記事を書くにあたって、初めてTタッチを知り、普段体を撫でる時もTタッチの手法を使うように心がけていました。そして、興奮している時にこそ、使ってみよう、と思い、実践してみると、驚くほど簡単にめいぷると千代の興奮が短時間に収まりました。

まず、興奮しているめいぷるを「マテ」と「オスワリ」で落ち着かせて、「オイデ」と言って、傍に引き寄せます。それから、ゆっくりと背中からおなかに向けて、勉強中のTタッチを行ってみます。

めいぷるが落ち着いたら、今度は千代に対して、猫向けのTタッチ。すると、あっという間に落ち着いて、二匹並んでウトウトし始め、10分後には寝入ってしまいました。

ホリスティックケアカウンセラー
辻本由香子

Tタッチを行う場合、まずはノアのマーチと言われる、Tタッチの初めと終わりに使うタッチを行うように意識してください。このノアのマーチは、手の平全体を使って、体の輪郭に沿うような撫で方をするTタッチです。

初めに行うとお互いの自己紹介のような役割を果たすことが出来、終わりに行うと様々なタッチを行った場所全てを繋ぎ、再統合をさせる意味合いを持っています。

興奮を抑える効果が絶大!

おそらく、Tタッチをしている間、私の気持ちも穏やかななので、それがこの姉妹の気持ちに影響しているのかもしれません。千代との喧嘩の時だけでなく、散歩のときに吠えたり、家の中からチャイムに反応して吠えたりするときも、効果絶大です。

ただ、撫でて落ち着かせるよりも、Tタッチの方が短時間に動物の興奮を抑えることが出来る、と私は断言できます。

ホリスティックケアカウンセラー
辻本由香子

Tタッチは、動物体内の細胞機能と活力を刺激し、普段使われていない脳への神経回路を活性化することを目標としています。

このセラピーには必ずしもプロの知識は必要としないため、ご自身の指、手、腕、肩全体をリラックスさせた上で、セラピーを施してあげてください。

飼い主様に触れられることを好む愛犬であれば、このようなTタッチの指の動きは精神安定の効果があると言われています。

まとめ

もしかしたら、犬の情報に関してとても詳しい方なら、ずっと以前からTタッチという言葉をご存じだったかもしれません。

私は、今回初めてTタッチという言葉を知ったのですが、実際にうろ覚えの浅い知識でも、はっきりとめいぷるや千代の様子に変化が見られるので、確かに効果があると実感できます。

ただ、本当に大切でなのは、Tタッチの正しいやり方を身に着けることではなく、Tタッチを学ぼう、身に着けよう、という自分の家族である動物のことを思いやる気持ちを持つことなのではないかと思いました。

ですから、Tタッチを調べていくと、吠え癖が収まったり、犬に集中力が付いた…と言ったことが挙げられていますが、それが本当にTタッチの効果なのか?と言うと、私自身、少し腑に落ちない部分があります。

飼い主が自分の犬を愛して、思いやった結果がいろいろな問題行動を克服したのであって、果たしてTタッチがどれほどの効果があるのか?それは、皆さんで検証してみてくださいね。

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