犬の換毛期がずれる原因と対策

犬の換毛期がずれる原因と対策

春と秋に訪れることが多い犬の換毛期。飼い主さんにとっては少し大変な時期ではありますが、犬にとっては必要な体のサイクル。そんな犬の換毛期ですが、時期がずれる場合があります。いったいなぜでしょうか。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

多くの場合毎年2回訪れる犬の換毛期。この時期になるといつも以上に被毛のお手入れと掃除に時間がかかりますよね。飼い主さんにとっては大変な時期ではありますが、犬にとっては大切な体のサイクルです。しかし、本来換毛期といわれている時期とは異なった時期に大量の被毛が抜ける、そんな時は犬の換毛期がずれてしまっている可能性があります。

今回は「犬の換毛期がずれる原因と対策」についてご紹介していきたいと思います。

犬の換毛期

ブラシと抜け毛

犬には春と秋に1ヶ月ほどかけて大量に被毛が抜け落ち、新しい被毛が生えてくる「換毛期」と呼ばれる時期があります。もともと洋服を着ていない犬にとっては被毛が洋服代わり。そのため季節の変わり目に換毛することで、季節に合わせた被毛に衣替えするのです。汗をかいて体温を調整することが出来ない犬にとっては季節に合わせて被毛を変えることは重要なことなのです。

しかしながら、すべての犬が同じ時期に換毛期を迎えるわけではありません。犬種によっても抜ける被毛の量は異なります。

ダブルコート

チワワ

換毛期を迎えるといわれるのは「ダブルコート」と呼ばれ、「オーバーコート(上毛)」と「アンダーコート(下毛)」の2層構造の被毛を持つ犬たちです。

オーバーコート(上毛)は太くてかたい長めの毛で、皮膚を保護する役割を持ち、アンダーコート(下毛)は細くて柔らかい短めの毛で、身体を寒さから守る役割を持っています。換毛期に生え変わるのはアンダーコートです。季節の変わり目にアンダーコートを増減させることよって、体温を調節しやすくするのです。そのためダブルコートの犬は換毛期には、大量に被毛が抜けるのです。

ダブルコートの犬種は以下のような犬種が挙げられます。

  • チワワ
  • ミニチュアダックスフント
  • ポメラニアン
  • コーギー
  • 柴犬
  • シベリアンハスキー
  • ゴールデンレトリーバー
  • ラブラドールレトリーバー
  • スピッツ
  • シェットランドシープードッグ
  • ミニチュアシュナウザー
  • ボーダーコリー

シングルコート

シーズー

一方、「シングルコート」と呼ばれる被毛を持つ犬は、アンダーコートを持たないので、換毛期に大量の被毛が抜けるということがありません。もちろん換毛期がないといっても、人間の髪の毛が生え替わるのと同様に、普段の生え替わりというのはあります。

シングルコートの犬種は、全てではありませんが、被毛の生え替わりによって体温調整をする必要があまりない温暖地で意図的に選択繁殖をして作出された犬種が多いといわれます。

  • ヨークシャーテリア
  • プードル
  • マルチーズ
  • パピヨン
  • グレイハウンドボクサー
  • ボクサー
  • グレートデン

換毛期がずれる?

大量の抜け毛と犬

ダブルコートの犬は春と秋に1ヶ月ほどかけてアンダーコートが生え替わることが分かりましたが、この換毛期がずれる、もしくは換毛が起こらないといったことが最近起こっているそうです。換毛期は犬が季節に合わせて体温調節をしやすくするためにも欠かせないものです。そのため本来は抜けるべきアンダーコートが生え替わらないことは、毛の生え替わりのサイクルが崩れてしまっていることになります。春を過ぎても換毛期を迎えずに冬毛が残っていると、皮膚が蒸れてしまい、皮膚トラブルを起こす可能性や体の熱を適切に逃がすことができなくなる可能性があります。

換毛期は周囲の温度や日照時間によってその時期が自然とコントロールされています。しかし、その時期がずれてしまうこともめずらしくありません。室内飼いが原因で換毛期がずれる、換毛期がない、ということが起きているようです。

室内飼いの場合、必然的に犬が「気温差を感じにくい」「日照時間を感じにくい」といった状況になります。人間に合わせて室温がコントロールされ、夜もいつまでも電気がついている環境にいると体内時計にもずれが生じてしまいます。さらに、1年中快適な温度で過ごせるため、換毛をする必要すらなくなってしまっているのかもしれません。そのため、身体が反応せずに換毛期の遅れや、換毛期がこないといった事態になってしまうのです。

対策方法

光に当たる犬

換毛期がずれないようにするには「季節の変わり目を感じさせる」ことが重要になってきます。気温が調節された室内で過ごすことは人間にも犬にも快適なのですが、散歩やおでかけなどで外にも出て季節を感じましょう。

また、夜にはいつまでも電気をつけたままにするのではなく、夜は暗くし、朝は日の光をたっぷりと浴びせてあげることで、体内時計が正しく動くようにしましょう。

また、防寒や日よけ、肌の保護、抜け毛防止など、目的がある場合は服を着せるのも良いのですが、見た目のおしゃれのためだけに服を着せるのはやめましょう。

まとめ

青空と犬

犬にとっては自然な現象である換毛期。犬の生活も快適になったことで、本来のサイクルからずれが生じたり換毛期が来なくなってしまう場合もあります。人間も季節感を感じて暮らすことは気分がいいものです。快適な環境も意識しながら、愛犬と一緒に季節を意識した暮らしができるといいですね。

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