犬を飼っている方は、日々、様々な愛犬のお手入れをしていると思います。体中を触ることなので、やり方を少しでも間違ってしまうと愛犬がお手入れ嫌いになってしまうことがあります。
毎日や毎週のことなので、もし愛犬がお手入れを嫌がってしまったら、飼い主さんにとっても犬にとっても苦痛の時間になってしまいますよね。今回は「お手入れ嫌いにならないために!家庭で出来る2つの練習」をご紹介します。
愛犬に必要なお手入れ
まず愛犬のお手入れといえばどういったものがあるでしょうか。
顔
- 目:目やにや涙やけを濡れタオルなどで拭く
- 耳:汚れをコットンなどで拭きとる、余分な毛をカットする
- 口:歯石の付着防止のために歯磨きをする、口周りを拭く
体
- 全身:散歩後にタオルなどで拭く、被毛に合わせてブラッシングを行う
- 手足:散歩後に足の汚れを濡れタオルなどで拭く、爪を切る
これらのお手入れは、犬種や体の大きさなどによってもその頻度は異なりますが、基本的に毎日もしくは定期的に行うお手入れではないでしょうか。
犬はお手入れが嫌い?
基本的に犬にとってはお手入れをするという感覚はないため、体の敏感な部分を触られるのは好きではありません。そのためじっと我慢できずに嫌がる犬がいるのは当たり前なのです。特に耳や口、手足の先などの敏感な部分は嫌がる場合が多いです。
人間にとってはお手入れが目的だとしても、犬からしたら突然、体を触られることは驚きや不安を感じてしまいます。また、お手入れの際はどうしても拘束をしてしまうもの。犬にとっては拘束されることも、恐怖の対象になってしまうのです。
お手入れ嫌いにならないための2つの練習
犬のお手入れにおいて大事なのは、犬を「安心」させることと、少しずつ「慣れ」させることです。また、慣れていれば、何をされるのかが分かるため安心することができます。そのため犬がお手入れ嫌いにならないためにも、次にご紹介する2つの慣れを意識してあげましょう。
1.拘束への慣れ
お手入れにおいて、どうしても体を拘束したり、固定する必要がでてきます。突然犬が動いてしまうことで、痛い思いをさせてしまうこともあります。そうなってしまうと、一気に犬はそのお手入れが嫌いになってしまいます。そのためまずは拘束されること自体を好きになってもらう必要があります。
まずは飼い主さんに抱き上げられることや、膝の上や作業台に乗ることを嬉しいものにしましょう。それぞれのタイミングでご褒美を与え飼い主さんが優しく接することで、抱き上げや、膝や作業台に乗ることに対して良い印象を持ってくれます。
これがスムーズにできるようになったら、体の様々な部位を触られることに慣れさせます。様子を見ながら少しずつマズルや手指の先、顔周りを優しく触りましょう。
触られること自体に慣れたら、各部位を短い時間つかみ、拘束されること自体に慣れさせましょう。拘束しながら褒めてご褒美を与え、優しく触れることで、拘束が嫌なものではないと認識させましょう。この時、大事なのは危害が加えないことを理解させ、飼い主さんに拘束されることは気持ちの良いものであると認識させることです。決してトラウマになるような乱暴な動作をしないように注意が必要です。
監修トリマーによる補足
ワンちゃんにとって飼い主様に抱っこしてもらい触れられることが大好きになることはとても重要です。毎日短時間でも膝の上で抱っこし、触れ合う時間を持つことは、飼い主様との良いコミュニケーションにもなります。
より良い関係を築き、ワンちゃんにとって触れられることが気持ちいいものと理解してもらえるようにしましょう。
2.道具への慣れ
体へ触れること、拘束されることに慣れてから、道具への慣れに入ります。それが柔らかいコットンであっても、見慣れない道具は犬の不安をあおります。いきなり道具を使ってお手入れを始めるのではなく、まずは道具を見せて、においを嗅がせましょう。
道具を認識したら、愛犬の様子と反応を見ながら、体へ道具をあてていきます。こまめに褒めてあげ、ご褒美を与えて様子をみながらお手入れの範囲を増やしていきましょう。愛犬がお手入れが気持ちの良いものであると認識できれば、愛犬のほうから道具を見るだけで近寄ってくれるようになりますよ。
監修トリマーによる補足
道具に慣れるまで、ワンちゃんによっては時間がかかります。決して焦らず、慣れさせていくことが重要です。記載にもあるように、道具を見せてあげることから始めましょう。
初日はまず道具を見せるだけでも大丈夫です。無理矢理お手入れを行うのではなく、日々出来ること増やしてあげることがお手入れを好きになってもらうポイントです。
まとめ
お手入れは犬の生涯続くものです。手間はかかりますが、少しでもそれが好きな時間、喜びの時間となるように、ゆっくりと少しずつ慣れさせてあげましょう。