スウェーディッシュ・ヴァルフント(Swedish Vallhund)とは
1000年以上も前の時代に起源を持つとされている犬種であり、ヴァルフント(Vallhund)はスウェーデンの言葉で「家畜を追う犬」という意味があります。
第一次世界大戦前は家畜を追う犬、害獣を駆除する犬、番犬としてよく見かけられていたそうなのですが、1942年には絶滅の危機に瀕したそうです。
しかし、犬愛好家であるBjorn von Rosen伯爵、スコティッシュテリアのブリーダーであるKarl Gustave Zettersten氏の2人によって純血であるスウェーディッシュ・ヴァルフントが発見され、スウェーデン国内の犬種協会で認められるまでに個体数を回復したのです。
1985年にはアメリカへと渡り、1987年には犬種協会が設立され、2007年にはAKC(American Kennel Club)においてハーディンググループで犬種が認められました。
スウェーディッシュ・ヴァルフントの特徴
スウェーディッシュ・ヴァルフントの写真を見たとき、「コーギーに似てる!」と思われる方も多いのではないかと思います。
とくにペンブローグに似ているのではないかと思うのですが、スウェーディッシュ・ヴァルフントの方が何となくオオカミに近い姿をしているような、野性味の強いルックスをしているのではないでしょうか。
スウェーディッシュ・ヴァルフントは筋肉質なカラダを持ち、胸はとても広く、手足が短いという特徴を持っています。胴長で短足なため、あまり早く走ることはできませんが、家畜を追う犬という意味を持つ名前の通り、とても力強くスタミナがあります。
耳は立耳であり、尻尾はとても短いボブテイルです。とても稀ではありますが、尻尾が長めの子がいたり、尻尾がほとんどない状態で生まれてくる子もいるようです。
スウェーディッシュ・ヴァルフントの性格
恐れ知らずで、自分よりもずっと大きな犬や動物に立ち向かっていくことがあります。これもまた、家畜を追う犬という名前の通りなのかもしれません。とても友好的な犬なので、他の犬や動物とも仲良くすることができますし、先住犬や子供のいる家庭にも向いているのではないでしょうか。
その一方で、注意深く警戒心の強い部分もあります。よく吠えるため、近隣の方にご迷惑をかけてしまうことがあるかもしれません。吠え癖がついてしまわないようにしっかりとした訓練が必要です。
スウェーディッシュ・ヴァルフントの毛色
- マホガニーブラウン
- グレイシャーイエロー
- グレイッシュブラウン
など、ブラウン系やグレイ系の毛色というイメージです。また、背中と首・カラダの側面に濃い毛が混じっています。
スウェーディッシュ・ヴァルフントのカラダの大きさ
- オスの体高は32cm~34cm体重は9kg~14kg
- メスの体高は30cm~31cm体重は9kg~14kg
オスとメスにあまり大きな差はないようです。
スウェーディッシュ・ヴァルフントを飼うときの注意点
かかりやすい病気
かかりやすい病気には「椎間板ヘルニア」があります。飼い主さんの抱き方が正しくないことが原因で起こる可能性が高い病気です。胴長で短足な犬を抱きかかえる際には、片方の手で胸を抱え、もう片方の手で腰を抱えるようにするのが正しい抱き方であるとされています。
肥満に注意
また、手足や腰への負担を大きくしてしまわないためには「肥満にさせないこと!」が最も大切です。聡明で活気のある犬種であるとも言われ、物事を理解する能力に優れています。
大型犬と同じくらいの運動量
胴長で短足、あまり早く走ることは得意ではありませんが、運動が苦手なわけではありません。大型犬と同じくらいの運動量を必要とするとされており、十分なお散歩や運動をさせてあげられることが必要です。
まとめ
スウェーディッシュ・ヴァルフントは、現在ではFCI(国際畜犬連盟)に公認犬種として登録されており、原産国であるスウェーデン以外の国でも人気のある犬種です。
とくにヨーロッパで人気が高く、ヨーロッパ圏外ではほとんど飼われていない犬種なのだそうです。私はまだ一度も見かけたことがありませんが、愛犬家としては一生に一度は会ってみたいです。