柴犬は天然記念物!?その経緯
- 天然記念物の登録は西暦1936年
- 洋犬や様々な種類の犬種が混ざるようになった。
- 純粋な柴犬が減った
- 種を保護するために、柴犬を天然記念物とした
私たちに最も身近で親しみのある柴犬ですが、実は天然記念物。知らなかった方も多いのでは?日本犬の中では一番小さく、もっとも古くからいたのが柴犬。天然記念物として指定されています。
その登録は西暦1936年、つまり昭和11年のことです。
その昔は狩猟犬として飼われており、野鳥などを狩る狩人の助けになっている犬種でした。
しかし、このころに洋犬や、地域によって飼われていた、様々な種類の犬種が入り混じるようになりました。
その際に柴犬としての純粋な血統をもつ個体が減ってしまいます。そのため、柴犬を天然記念物として指定して、種を保護することになったのです。
柴犬が天然記念物に指定された後も、戦争や犬の病気、犬ジステンバーなど、日本犬に様々な危機が襲って頭数が激減しましたが、これらの種の保護や活動家たちの保護活動によって現在の柴犬の頭数に至っています。
天然記念物である柴犬の特徴
- とがり耳
- くるんと丸まった巻尾
- 体高オス:約38cm~41cm
- 体高メス:約35cm~38cm
- 毛色:赤、黒、胡麻色。ごくまれに白色の毛色
- 警戒心が強く、やや頑固。とても飼い主に忠実な性格
- 番犬向き
天然記念物である柴犬の特徴は、日本犬全体に言えることなのですが、耳の形は三角形でピンとしたとがり耳、細い鼻先に、くるんと丸まった巻尾が特徴です。
時折差し尾の個体もいます。特に柴犬は、動きがきびきびしており、姿勢のよい佇まい。体高は低めで、オスは38cm~41cm、メスは35cm~38cmほど。
分類としては小型犬になります。柴犬は天然記念物の日本犬の中では最も小柄で、野性味があり、最も日本犬の特徴を多く残しています。
毛質は硬いトップコートと、柔らかなアンダーコートのダブルコート。年に2回の生え変わり期があります。毛色は多い順に赤、黒、胡麻色。ごくまれに白色の毛色の子もいるようです。
柴犬は天然記念物として登録されている日本犬の中でも、警戒心が強く、やや頑固。とても飼い主に忠実な性格で、家族を守ろうとする傾向が強い犬種でもあります。
吼え声も多く、怪しい人物にはしっかり警戒して撃退します。飼い主に褒められるととても喜び、基本的には飼い主にしか懐きにくいと言われています。
上下関係の感覚がはっきりとしており、きちんとしたしつけを最初の頃にしっかりしてあげれば、番犬としても活躍できます。
柴犬が天然記念物なのに普通に飼える理由
- 天然記念物は生息していることが大事
- 家で飼う事は柴犬としての種の保存に繋がる
柴犬は天然記念物なのですが、文部科学省の指定する天然記念物には「特別天然記念物」と「天然記念物」があります。
特別天然記念物は、例えばトキや、オオサンショウウオ、イリオモテヤマネコなどで、万が一飼育をする際には文化庁長官の許可が必要になります。
対して天然記念物は、基本的に傷つけたり採取したりしてはいけないことが原則です。天然記念物の柴犬以外の例は、大きいものでシカ、小さなものでヤマネなどです。
ただし、天然記念物の場合は生息していることが大事なのです。そのため柴犬の場合、天然記念物であっても、普通に飼育する・繁殖をさせることは、種の保存に繋がるため、特に許可などの必要もなく飼う事ができるのです。
柴犬と天然記念物の仲間たち
柴犬を含め天然記念物に指定されている日本犬は、そのほかにも6種類。
- 北海道犬
- 秋田犬
- 甲斐犬
- 紀州犬
- 四国犬
- 越の犬
この犬種たちも柴犬と同じく日本犬の趣を多く残して、現在まで保護されてきた天然記念物たちです。越の犬は現在純血種がいません。越の犬以外の大まかな特徴を上げてみますと以下のものになります。
北海道犬
穏やかで我慢強く、勇敢な性格。中型犬に分類
秋田犬
日本犬の中では唯一の大型犬。柴犬と同じく忠実な性格で、身体がやや丈夫。
甲斐犬
柴犬の次に小さな犬種。オオカミの様な風貌と、俊敏で野性的な動きが特徴。
紀州犬
体が強く、筋肉質で、無駄吼えの少ない性格。他の犬種よりやや攻撃的な一面がある。
四国犬
暖かい地方の犬種の為、暑さにやや強い。体力も多く、持久力がある。
それぞれの特徴はありますが、それぞれの名前に地方の名称がついていることにお気づきでしょうか。実は、柴犬は天然記念物に指定された日本犬の中で唯一地方名が付いていません。
現代で多く飼われている柴犬は、信州柴犬と言うのですが、この種は島根産と四国産の柴犬同士の掛け合わせが元で、信州地方の原産ではないのです。
そのため、柴犬だけが天然記念物の中で地方名が付いていないのです。
まとめ
いかがでしたか?柴犬が天然記念物になった経緯や、特徴などをご紹介いたしました。現在、柴犬は天然記念物のなかでも一番多く飼われており、私たちの中で最も身近な犬種です。
いままで知らなかった、柴犬の天然記念物としての側面を知るきっかけになりましたでしょうか?
柴犬は天然記念物として保護されていますが、日本固有のとても貴重な犬種です。
もしも一緒に暮らす機会がありましたら、家族として、しっかりコミュニケーションをとれると良いですね。きっと心強く、よい家族の一員になってくれること間違いなしです。
ユーザーのコメント
30代 女性 ひまわり
20代 女性 らすく
世界でも柴犬=日本犬として有名になって、世界中でも飼われているみたいですよ♩(秋田犬など柴犬以外でも好まれて飼われるワンちゃんもいますが)
天然記念物なのは聞いた事があったんですが、それは日本を代表するワンちゃんだから?なんて思っていました。純粋な血統を持つ柴犬が減少した事によって保護する為だったのは知らなかったので、そういった保護される方々の努力などがあって今の頭数がいるんですね!
柴犬はよく見かけるので少ないなんて思った事がなかったです。
日本の気候では飼いやすく、飼い主以外には懐きにくい性格の子が多いので昔は番犬として飼われていましたが、今は室内で家庭犬として飼われている方のほうが多いと思いますので社会化や躾などでフレンドリーな柴犬も増えてきていますよね。飼い主以外には懐かない!って子もいますが。
特別天然記念物と天然記念物の違いを知らなかったので、とても勉強になりました。生息している事が大事とは納得です♡
他の6種類の日本犬も個体数を減らさないようにと努力している人たちもいますよね。
越の犬は絶滅状態で幻と言われているそうです。上記以外にも天然記念物にはなっていない日本犬は何種もいますが、中には絶滅している種もいるのかもしれません・・。
ちなみに海外では秋田県やアメリカで改良されたアメリカンアキタと呼ばれる犬種が人気だそうです。とっても身体が大きな秋田犬なんでしょうか(^-^)
女性 うっちー
10代 女性 ぽちまる
女性 たこ
女性 もふころ
柴犬はサイズ的には中型犬ほどあると思うのですが、分類が小型犬というところに驚きです。