犬の平均呼吸数と正しい呼吸数の測り方
犬の呼吸数を測ったことはありますか?犬の飼い主さんは、愛犬の呼吸数を把握しておくと、犬の体調不良など体調の変化に早く気付くことができます。以下に犬の呼吸数の平均値を紹介します。参考にしてみてください。
- 平均呼吸数:15~25回/分
犬の呼吸数の平均値は小型犬と大型犬では回数が違います。犬の呼吸数は、大型犬の方が少ない回数になります。
犬の呼吸数の正しい測り方
犬の呼吸数の正しい測り方は、犬が眠っている時や、じっとして非常に落ち着いている状態の時などに、胸のふくらみを見て1分間測ります。(10秒を6回数える。)
この時に気を付けたいのは、食事の後や、散歩や運動の後、気温の高い時などは呼吸数が多くなるので正しく測定はできません。犬が落ち着いてから測定しましょう。
また、犬の呼吸数を測りながら呼吸のリズムが定期的かチェックしてみましょう。犬の呼吸数が平均値より多いと病気の心配もあります。犬の呼吸器系の病気や、心臓の病気がある可能性があります。
犬が喘ぐような呼吸をしたり、普段よりも呼吸が早くなったり、呼吸数もかなり多くなるようであれば、動物病院に連れて行きましょう。犬を飼育している方は、犬の普段の呼吸数を測り、把握していると犬の健康管理に役立ちますね。
犬の平均脈拍数と正しい測定方法
犬の呼吸数と同じく、犬の脈拍数も把握しておくと、犬の体調不良や異変に気付きやすくなるので脈拍数も測定しておきましょう。次に脈拍数の平均値を紹介します。
- 平均心拍数:70~100回/分
犬の脈拍数の正しい測り方
犬の脈拍の正しい測り方ですが、犬の後ろ足のつけ根のあたりを探すとドキドキと脈をうっている場所があり、そこに指先を当てて測定しましょう。
犬の呼吸数と同じく、1分間測定します。犬が嫌がるようであれば、15秒計測して4倍すると1分間の脈拍数を計算できます。
測定する際に気を付けたいことは、犬の呼吸数と同じく、食事の後、散歩や運動の後、気温の高い時などは脈拍数が多くなるので正しく測定はできませんので気を付けましょう。
犬が落ち着いてから測定するようにしましょう。犬の脈拍数は測定するのが難しいですが、愛犬の脈拍数の平均値を前もって把握しておくと、いざという時に安心です。
犬の呼吸数が多いときの体温について
犬の体調不良の時など、犬の体温が高いのか気になりますよね。人間も平熱よりも体温が上がると、具合が悪くなります。犬も平熱のような体温の平均値があります。
この体温の平均値を把握していると、いざという時に便利です。以下に犬の体温の平均値を紹介してみたいと思います。
- 小型犬:38.60℃~39.0℃
- 大型犬:37.5℃~38.6℃
犬の体温の平均値は、小型犬と大型犬で違いがあります。小型犬の方が平均値の体温が高くなります。犬の体温の平均値は、人間の体温に比べると高いです。
犬の体温の正しい測り方
犬の体温は、直腸温の計測で測ります。まず犬の尻尾を軽く持ち上げて肛門を見えるようにします。それから、体温計の約1.5~2㎝までそっと優しく真直ぐに挿入します。
この時、体温計の先端にワセリンやオイルなどを塗っておくと良いでしょう。犬が嫌がる時は、犬を落ち着かせて押さえる人と体温を測る人の二人で測定しましょう。
食事の後、散歩や運動の後、気温の高い時などは体温が高くなるので、正しく測定はできないので気を付けましょう。
※人間用の体温計は固く直腸を傷つける危険性もあるので、動物用の柔らかい体温計を使った方が安全です。
また、犬を飼育されている方は、犬が健康な時に犬の平均値の体温(平熱)を測定して、把握しておくといざという時役に立つと思います。犬の体温を複数回計っても39℃をこえていたら、動物病院に連れて行きましょう。
それから犬の健康管理に犬の呼吸数と脈拍数と体温を測定しておくと、病気などの早期発見になるのでおすすめです。
犬の呼吸数の異常で考えられる病気について
自分の愛犬の呼吸がいつもと比べて「なんだかおかしい」と違和感を感じた場合、上記でご紹介したような呼吸数の正しい測り方を実践してください。もしも平均値と比べて呼吸数が明らかに異常だと感じた場合、以下のような病気が考えられます。
- 肺炎
- 鼻炎
- 短頭種気道症候群
- 気管支炎
- 熱中症
- ケガ・骨折
- 貧血
- 心臓病
- てんかん
では、これらの病気はどのような病気なのでしょうか。1つずつ詳しくご紹介しますので、愛犬の呼吸数が異常だと感じたときのために参考にしてください。
肺炎
肺炎は肺に細菌などが感染し炎症を起こす病気です。人間でも起こりますが、犬も例外ではありません。酸素と二酸化炭素が上手に行き渡らないことで、呼吸に影響が出ます。
肺炎に多い症状として、咳が出たり食欲が減退するという症状の他にも呼吸数が多くなる、呼吸自体が荒くなるといった症状が見られます。
咳込んだり呼吸数がいつもより多いと感じた場合は肺炎の可能性がありますので、病院で投薬してもらうなどの治療をしてもらいましょう。
鼻炎
続いて鼻炎です。人間でも鼻炎を患う人は非常に多いですが、犬にも多い病気の1つです。アレルギー性鼻炎や真菌性鼻炎など様々な種類がありますが、人間と同じく鼻づまりや鼻汁が常に出るなどの症状が挙げられます。
また鼻が詰まってしまうと鼻呼吸がしにくくなってしまうため、呼吸数自体が多くなったり、あるいは口での呼吸数が多くなり、「息が荒い?」と飼い主が違和感を感じるようになることがあります。
検査をすることでどの種類の鼻炎であるかを調べることができる上、薬を投与して治療をしたり、投薬によって症状を緩和させることも可能です。
短頭種気道症候群
短頭種と呼ばれるフレンチブルドッグやパグなど、鼻の部分が他の犬種に比べて短い犬種に起こる特殊な呼吸器系の病気が「短頭種気道症候群」です。
短頭種は鼻の穴が小さかったり、喉の手前にある軟口蓋と呼ばれる部分が長く機関の手前をふさいでしまう軟口蓋過長症といった病気など、他の犬種に比べて呼吸器系の病気にかかりやすいと言われています。
少し興奮したり、暑さを感じたりすることで落ち着かせようと呼吸をすると、かえって体内に熱い空気を取り込んでしまったり、呼吸数が多くなるといった症状が引き起こされます。
この呼吸数が多くなる症状が悪化してしまうと、最終的に呼吸困難に陥ってしまう恐れもあるため、飼い主は注意が必要です。症状が悪化しないためには体重管理を体重を標準体重内に管理し、完治するには外科的治療(手術)が必要になりますので、慎重に検討しましょう。
気管支炎
気管支炎とは、呼吸をすることで外から取り込んだ空気が通り抜ける気管が炎症を起こしてしまう病気です。気管が炎症を起こしてしまうことで、犬は息がしづらい状態に陥ってしまいます。
主な症状として、咳が出たり、呼吸がしづらいことによって余計に空気を取り込もうと働くため、呼吸数が多くなるといった症状が見られます。最悪の場合、呼吸困難や失神に陥る危険性も持つ恐ろしい病気です。
現在は抗生物質の投与や消炎剤によって症状を軽減、改善させることができますので、気管支炎が疑われる場合は早めに病院へ連れて行き、早いうちから治療してあげましょう。
熱中症
毎年夏になると必ず呼びかけられる「熱中症注意」という言葉。人間だけでなく犬にも当てはまる上、人間以上に暑さに弱いと言われている犬にとって、今の日本の真夏の暑さは非常に耐えがたいものです。
熱中症になってしまうと、呼吸数が多くなり、息が荒くなるといった症状が見られることが多く、その後食欲不振や元気が無くなる、呼吸困難、さらには死に至る危険性もあるため、非常に怖い病気の1つです。
特にダブルコート犬種の場合は、寒さには強いですが暑さには非常に弱い傾向が強いため、夏場は特に注意が必要です。また短頭種も直接外の熱い空気が取り込まれやすいため、呼吸数が多くなり、呼吸困難になるリスクが高いです。
夏場に熱中症が疑われた場合は早急に病院へ連れて行き、対応してもらう必要があります。しかし、熱中症が起こる前に、室内は快適な温度に保つ、散歩の時間帯を考える、水分補給をこまめにさせるなどの予防が重要です。
ケガ・骨折
私たち人間も体に痛みを感じると自然と呼吸数が多くなることがあります。犬も同じように、骨折や怪我をしたときは気持ちを落ち着かせるためにも呼吸数が自然と多くなることがあります。
愛犬の呼吸数がいつもより多いなと感じたときは、他の病気の症状と照らし合わせ、それでも当てはまらない場合は歩行姿勢などに問題がないかを観察してください。
足をかばうように歩いたり、引きずっていたり、あるいは運動や歩くこと自体を嫌がるといった行動が見られた場合は、何らかの怪我を負っている可能性が考えられます。一度病院へ連れて行き、レントゲンを撮ってもらうなどの対応をしてもらいましょう。
貧血
貧血は血液中に含まれる酸素の量が不足することで起こる病気です。人間でも女性を中心に貧血の症状を訴える人が多いため、「そんなに大事に至る病気ではない」と油断している人も多いですが、犬の貧血は恐ろしい病である可能性があるため注意が必要です。
主な症状として、体内を循環する血液に含まれる酸素が不足するため、より多くの酸素を体内に取り入れようと呼吸数が多くなるという症状が現れます。また呼吸数が多くなる以外にもぐったりと動かなくなるといった症状も貧血ではよく見られる症状です。
貧血にも多くの種類がありますが、中には重症化してしまうと死に至る危険な貧血も存在します。血液を自分で作り出すことのできない非再生性貧血と呼ばれる種類の貧血は非常に怖いです。呼吸が速い、粘膜の色が薄いなどの貧血の症状が見られる場合は、すぐにかかりつけの病院で診察してもらい、早期治療に取り組みましょう。
心臓病
心臓に関わる病気の初期症状として、咳が出たり呼吸数が多くなるといった症状が出ることがあります。しかし、心臓病と言っても多くの心臓に関わる疾患があるため、一括りにはできません。心臓病に分類される主な疾患は以下の通りです。
- 先天性心疾患
- 不整脈
- 心筋症
- フィラリア症
- 僧帽弁閉鎖不全症
これらの疾患が主によく耳にする犬に起こりやすい心臓病と言えるでしょう。どの病気も放置してしまうと重症化するケースが非常に多いため、早めのうちから治療をし、症状を緩和させる必要があります。
てんかん
最後にご紹介する病気はてんかんです。日本国内の人間であっても多くの患者がいると言われているてんかんですが、実は犬にも多く発症する病気として知られています。先天性のてんかんも存在しますが、そうでない場合、多くが原因不明だとされています。
てんかんとは、脳の神経細胞に異常が生じる病気です。主な症状としてけいれんや失神、泡を吹くといった症状が挙げられますが、それに伴い、呼吸数が多くなるといった症状が現れることもあります。
基本的には2~3分で症状が治まる病気ですが、何度も発作を引き起こすことで脳に負担がかかり、より重症化してしまうケースも珍しくありません。てんかんが疑われたら、まずは発作が起きないように抗てんかん薬を処方してもらいましょう。
犬の呼吸数の測り方に関するまとめ
犬の呼吸数や脈拍数、体温には平均値があります。これらを測定する場合は、犬が眠っている時や、じっとして非常に落ち着いている状態の時などに測定しましょう。
また犬の呼吸数や脈拍数、体温の測定するときは、食事の後、散歩や運動の後、気温の高い時などは体温が高くなるので、正しく測定はできません。犬が落ち着いてから測定しましょう。
犬の呼吸数が多い時に気を付ける病気などもありますので、普段から呼吸の状態をしっかり見てあげましょう。
ユーザーのコメント
30代 女性 komanu
そういった命とりになるような病気の早期発見は、普段では見逃しがちな愛犬からのサインです。そのサインが呼吸や検温で判る場合もありますので、これらの方法は多くの愛犬家さんに知っていて欲しいことだと思います。体温計は最近では耳で簡単に測れるタイプのものも市販されています。
普段から愛犬の状態を把握し、その愛犬からのサインを見逃さないようにしたいですね。
40代 女性 アップル
体温を測るときも、肛門に直接体温計を挿すので、嫌がるわんちゃんもいるでしょうね。愛犬は、検温はあまり嫌がらないのですが、体温計にオリーブオイルを塗ってやさしく挿入、を心がけています。痛くはなさそうですが(といっても、実際のところはわかりませんが)、お尻から異物が入るわけですから、犬にしたら気持ち悪いんじゃないかなと。測っているときに動いてしまうと怪我をしそうなので、十分気をつけないといけませんね。
犬用の体温計には、耳で測る体温計や、赤外線で測る体温計もあります。赤外線で測る体温計は、体温計の先から出る赤外線を犬の目や歯茎に当てて、体温を測定する仕組みです(計測時間は1、2秒ほどだとか)。これなら、ほとんど体に触れることなく体温が測れるので、お尻で測るのを嫌がる子にはよいかもしれませんね。
20代 女性 てとめる
女性 モフ
女性 ぼーの
20代 女性 あめたま
脈や呼吸を計測しなければならない状況に陥った事が無いのですが、素人でも計測出来る事を知り、緊急時の時に役立てるよう練習していきたいと感じられました。
また、ワンちゃんの体温は人間と比べて高いという知識は持ち合わせていました。
愛犬が動物病院で体温を測ってもらった時に「お熱があるの?」と獣医さんに尋ねた事があり、「犬の体温は大体38度が平熱だから具合悪いわけではない」と回答を貰いました。
獣医さんに脈や呼吸の測り方も尋ねておけば良かったなと少し後悔しています。
現在飼育している愛犬はよく、病院のお世話になっているので、通院するだけでも大変だからです。
脈や呼吸を正しく計測出来れば、愛犬の体調の良し悪しを判断する事も可能なので、積極的に練習していきたいです。
女性 くまお
でも、その時に見ても荒いのかどうか??分からず、自宅に帰って注意して様子を見ていましたが特に異常は無かったので、恐らく問題は無かったのではないかと思います。もしかしたらその時はエアコンが効きすぎて、日中陽が当たり部屋の温度が上がってしまっていたのかもしれません。(冬期)
その時に思ったのが、常日頃から呼吸の数や心拍数などきちんと計ったり数えたりしたことが無かったことが不安に繋がってしまったので、それ以来はだいたい一分間にどのぐらい呼吸しているか(安静時)をチェックするようにしています。
とはいえ、私達家族が帰宅すると心拍数も呼吸も上がるのでどうしても正確な数が計測出来ません。そんなときはおとなしく寝静まった後にそっと数えるようにしています。
また、体温計測についてはなかなか普段から人間のように簡単に体温が測れないのが難点です。ましてやお尻に突っ込んで計るのは容易なことじゃないですよね。もちろん動物病院に行くときちんと計ってもらえますが、その時に驚いたのが体温が高いということを知りました。人間よりも高めなので、「あれ?熱があるんじゃないか?」と心配になりましたが、それが小型犬は普通だったんですよね。
熱を測るのは難しいですが、毎日、抱っこしていると「あれ?今日はちょっと体温が低め?寒いのかな?」とか「今日は体温が高い?部屋が暑い?どこか調子が悪いのかな?」など毎日の微妙な変化にも気付くようになりました。
抱っこって本当に大事ですよ。呼吸、心拍、体温をきちんと感じる為にはスキンシップで毎日必ず抱っこしてあげてくださいね。
女性 Melon
30代 女性 てとめる
女性 ポポ