犬の被毛
一枚毛(シングルコート)の犬と、二枚毛(ダブルコート)の犬がいます。
一枚毛の犬は定期的な抜け変わりがなく、その代り一生毛が伸び続けるので、定期的なカットが必要になります。(プードル種など)
それ以外の犬は堅い上毛(オーバーコート)とふわふわの下毛(アンダーコート)からなる二層構造の毛なので、約6カ月周期で毛の抜け変わりがあります。(ダックスフンド、チワワ、柴犬など)
この抜け変わりの時期を換毛期と言います。この時に抜けるのは大体がふわふわの下毛です。
換毛の起きる理由
寒い冬から暖かい春へ、暑い夏から寒い冬へと変わる季節の変わり目に、犬は自らの服(被毛)で身を守るため毛を換えます。
では犬はいつ季節の変わり目を知るのでしょうか?
それは、日照時間なのです。
外で飼われている犬はまだ肌寒い時期から抜け毛で体がこんもりしていることがあります。
寒いけれども、日照時間の変化で体がそのようになっているのです。
では、常時室内で飼育されている犬の場合はどうでしょう。
人間の便利な生活になれている犬達にももちろん換毛期はあります。
しかし、蛍光灯などで夜でも明るい生活をしているため、体内で日照時間を測定することができず、年がら年中毛が抜けます。
一応6か月サイクルの換毛の時期にはいつもより抜け毛が多くなる傾向はあります。
抜け毛の対策
ダブルコートの犬を飼っている飼い主に多いのが、「抜け毛が多いから短くしてください」という訴えです。
ハッキリ言って、抜け毛が多いから短くしたところによって抜ける量は変わりません。それよりカットして短くなった毛が、衣服やカーペットなどに付着し、取れにくくなります。
ではそのような時はどうするか。まずはシャンプーに出してください。
自宅でも洗えるとは思いますが、洗って、隅から隅まで丁寧にブラシを使ってブローすることにより、死毛(抜け毛)がかなり取れます。
やるとやらないのとでは、かなりの差があります。
その後、自宅でのケアとしては、ファーミネーターやラバーブラシが活躍します。
ファーミネーター
ブラシの櫛の部分が、バリカンの刃のような形状になっているブラシ(刃物?)です。
その刃で毛を切り取ってしまうので、毛はごっそり取れます。取れる毛のほとんどは下毛(アンダーコート)です。
使い方は柄を持ち、軽い力で体をなでるように使います。
背骨などは刃が当たらないように避けてあげるのがいいでしょう。本当にビックリするくらい毛が取れます。
しかし、過ぎたるは及ばざるがごとしという言葉があるとおり、やり過ぎはいけません。
必要以上に毛が取れ、薄くなってしまったり、毛質がごわごわになってしまったりします。
ラバーブラシ
すべてがラバー(ゴム)でできたブラシです。
二枚毛(ダブルコート)の犬すべてというよりも、スムースコート(短い毛のチワワ、ダックスフンド、ミニチュアピンシャー、フレンチブルドッグなど)の犬に向いています。
ゴムでできているので、多少強い力でやっても犬の皮膚を傷つけることはありません。死毛がよく絡んで取れます。
難点としては、ブラシの櫛の部分に付いた毛が取れにくい。という点のみです。
類似品にシリコンでできたブラシがありますが、こちらは全くと言っていいほど毛が取れません。
春先と秋口に起きる換毛期。ショップとの連携とお手入れをしっかり行って、抜け毛対策を万全にしましょう。