犬がついてくる理由1.動物の本能
犬は本能的にボスであるものについていきます。 野生において犬は集団で生きてきた社会性のある生き物です。犬の社会には狩りを担当する犬やボスとして群れを管理する犬など何かしら集団内での役割があると考えられています。中でも犬社会でのボスとは、集団をまとめあげ他の犬たちに安心感を与える存在となります。
現在において、飼い犬にとって飼い主さんは、この群れのボスにあたる存在です。 飼い主のことをボスだと認識しているため、ついてくるのかもしれません。ついてくる以外にも、ボスと認めた人の隣に座ったりすることもあります。
しかし家族を放っておいて犬に構いすぎると、犬は自分が他の家族より上だと勘違いをしてしまいます。家族や他に兄弟犬がいる場合は、平等に接するようにしましょう。
犬がついてくる理由2.分離不安症
犬にとって飼い主とは、離れるなんて考えられない存在です。
分離不安症の症状のひとつに、常に飼い主のあとをついてまわる行動があります。トイレやお風呂にもついてきて入りたがりドアを引っ掻いたりするのも分離不安症によるものかもしれません。
人が立ち上がったときに、寝ていた犬が反応して起き上がりついてくるのも分離不安症の行動のひとつと言われています。
これは異常な行動なので、早めに対処する必要があります。
分離不安症とは?
いつも飼い主と一緒にいる犬が、飼い主と離れひとりになってしまったときにパニックになったり、物を壊す、吠え続ける、排泄ミスをするなどの問題行動を起こすことを分離不安症と言います。
分離不安症は、本来なら母犬から離された時に起きるもので、子犬は母犬がいないと生きていけないため自然なことでしょう。成犬になるとそういった行動はなくなります。しかし、家庭で飼われている犬の中には飼い主と離れるときに、このような症状を引き起こすものもいます。
症状としては、
- 吠え続ける
- 物を壊す
- 排泄ミスをする
- 体を傷つける
などといったものがあります。見に覚えがある方もいるのではないでしょうか。
もしかすると分離不安症なのかもしれません。
分離不安症の兆候としては、
- 飼い主が帰ってきた時に激しく興奮する
- 常に飼い主について歩く
- 出かける準備を始めると落ち着きがなくなる
といったことがあげられます。
案外気づかないものばかりですよね。
そこまで酷くなくても、分離不安症一歩手前の犬も多いかと思います。
分離不安症になる理由
分離不安症になる大きな理由として、社会化不足があります。
子犬の頃から他の犬や人と接することがなかったり、あまり散歩をしていない場合、上手く飼い主離れができずに分離不安症になってしまいます。
過剰に可愛がり、過度に甘やかすことで飼い主へ依存していしまっている状態になっているのです。
また今まで分離不安症の症状がなかったのに急に症状が起きた場合は、犬が飼い主が居ない間にとても怖い思いをした可能性があります。
分離不安症の対処法
愛犬がかわいくて仕方がないのはわかりますが、過度に甘やかすことは犬のためにはなりません。
部屋に一緒にいるときにはある程度距離をとってみたり、犬が寝ているときには構わない、ついてきても無視する、など自立を促す行動をしましょう。
また、飼い主が帰宅したときに犬に真っ先に「ただいま!」「偉かったね!」と構うことも控えて下さい。帰宅してある程度落ち着いてから犬に声をかけて、褒めてあげましょう。興奮しているときはあえて無視するのがポイントです。
出かけるときも「いってきます」や「いい子にしててね」などという声はかけずに出かけてください。
また、独りでいる時間を少しずつ長くしていきましょう。徐々に慣らしていくことで1~3ヶ月で改善してくることが多いようです。
犬がついてくる理由3.おやつがほしい
人についていったときにおやつを貰えた経験がある犬は、それを忘れずにいることもあります。 どこへついていっても、期待した目でおすわりをしていたり、おやつがあるほうをチラチラと見たりしてしたら、それはおやつがほしくてついていっている可能性が高いです。
そんな愛犬の姿を見てしまったら、ついついおやつを与えてしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか?しかし、おやつの与え過ぎは犬の肥満を招き、その先の病気にも繋がる恐れがあります。
その他に、付いていったらおやつが貰えると覚えてしまうことで、飼い主さんに付きまとうことをやめられなくなる可能性も危惧されます。大事な愛犬を可愛がりたい気持ちはわかりますが、犬のおやつは節度を守って与えるようにしましょう。
犬がついてくる理由4.トイレに行きたい
トイレのある場所が扉の向こう側だったり、階段の下だったりした場合には、自分でそこへ行けない犬もいます。 そういうときには目で合図する、飼い主のあとをついて回るなどで伝えてきます。トイレのしつけがよく出来ているしるしでもあるのですが、犬にとっては我慢しなければならずよくありません。
犬にトイレを我慢させすぎると、膀胱炎など泌尿器系の疾患を発症します。泌尿器系の疾患は再発リスクが高く、犬の負担も大きい病気です。大事な愛犬のためにも飼い主さんが注意すべき病気といえます。後を付いて回る理由がトイレだった場合、位置を少し変えてあげてください。犬のトイレはリビングの隅など、犬が入りやすく静かに用を足せる場所が好ましいです。
もし、トイレを場所で覚えている場合には、少しずつ場所を変えていきましょう。 この際、新しいトイレの場所で用を足せたら褒めてあげましょう。犬が「ここでトイレしてもいいのだ」と覚える助けとなります。また場所を変える場合、トイレはいままで使っていたものを使用しましょう。トイレを新調してしまうと、いつもと違うことで犬が混乱し、うまく切り替えできない可能性があります。
犬がついてくる理由5.飼い主への愛情
犬が飼い主のことをとても好きな場合、後ろについて歩くことがあります。 過度に甘やかしているわけでなく、問題行動もない場合、犬が飼い主にとても深い愛情を持っているのかもしれません。飼い主の後を付いていくことで遊んでもらえたり、褒めてもらえたりするかもと期待している可能性も考えられます。
いずれにせよ、飼い主と犬との関係がとても上手くいっている証なので、無理にどうこうする必要はありません。 ただし、過度に飼い主への愛情が募り過ぎると前述した分離不安に繋がりかねません。愛情が深く依存している分、飼い主がいなくなることでストレスを感じやすくなり問題行動も起こしやすくなる恐れがあります。 あまりにも執拗について回る際は、ある程度の距離感を意識するようにしましょう。
犬がついてくる理由6.環境の変化
人間や猫などと同じく、犬も引っ越しなどで生活環境が変化すると、ある程度ストレスを感じます。ストレスの感じやすさは犬の性格や環境の状況によっても異なります。注意したいのは神経質な犬や臆病で不安を感じやすい子です。
引っ越し以外でも、赤ちゃんや新しい犬が家族に加わる、飼い主さんの生活スタイルが変化する、工事音など聞き慣れない環境音がうるさいといった場合でも犬は大きなストレスを抱えることがあります。犬が過ごす環境に変化があった場合、はじめの頃は、飼い主さんができるだけ側にいるようにし安心感を与えてあげてください。
犬が後追いしやすい年齢とは
実は犬の年齢によっても、飼い主さんの後を追いやすいかが変化します。いままで甘えん坊ではなかった犬が急に付いて回るようになることがあります。また、その反対にいままで飼い主さんにベッタリだった子がいつの間にか付いてこなくなることも。ここでは犬が後追いしやすい年齢を解説します。
子犬
生まれて日が浅い子犬は後追いしやすい年齢です。子犬にとって飼い主さんは、母犬のような存在です。子が親の後を追うのは人間でも同じですよね。子犬は初めて遭遇する物や景色に不安を抱きやすいです。母犬のような安心できる存在の側にいたいため後追いする子が多いです。
老犬
老犬の場合も、飼い主さんを後追いしやすくなります。老犬と子犬との大きな違いは老化の有無です。老化によって犬は体力が低下、足腰を動かしにくいなどの負担が増えます。そうした弱っている状態だと犬も不安を抱くため安心できる飼い主さんの近くにいたいと思い後追いするようになります。
犬の後追いの対処法
犬が後追いしてくれるのは嬉しいけど度が過ぎると困ってしまったり、分離不安を引き起こすなどの不安があったりしますよね。ここでは犬の後追いに対する対処法を解説していきます。
待てをしつける
犬の後追いの対策として、待てをしつけることが挙げられます。その場で待機するように指示だしする待てを身に付けさせると後追い解消となるだけでなく、散歩中の事故を防ぐことにも大きく役立ちます。
待てを犬に教えるとき、はじめは2~3秒と短い時間だけおすわりをさせて、少しずつ時間を伸ばしていきましょう。上手にできたらご褒美のおやつを与えることもポイントです。
ハウストレーニング
クレートトレーニングともいい、ケージやクレート内で過ごさせるための訓練です。クレートトレーニングは、犬の後追い対策の他にも、ケージやクレートが安心できる居場所であると犬に理解させ、飼い主への依存を軽減させる目的もあります。 他のしつけ方法と同様に、はじめは短い時間からはじめ徐々に過ごす時間を長くしてあげましょう。
社会化トレーニング
愛犬が出会う人間や犬、行動範囲が限定的な場合、社会化形成が上手くいっていない可能性があります。社会化することで犬は様々な物事に対して順応性が高まり、分離不安対策としても効果が期待できます。
社会化トレーニングのためには犬に色んな経験をさせてあげる必要があります。いつもと違う散歩ルートを選ぶ、ドッグランで他の犬や人間と出会うなどが有効です。
留守番させる
犬にひとりで留守番させる時間を増やすことも対策として有効です。ひとりになった途端、問題行動が増える場合は、出かけるふりをするのも効果的です。はじめは数分間だけ留守番させ、少しずつ留守番させる時間を伸ばしていきましょう。
かまいすぎない
愛犬が可愛いからと、いつまでもかまいすぎるのはNGです。犬の社会性・自立心が育たず飼い主さんに依存し続けてしまいます。犬がかまってアピールしてきても心を鬼にしてスルーしましょう。犬の後追いをやめさせるために飼い主さんも、かまいすぎないよう努力しましょう。
まとめ
犬が飼い主についてあるく理由は問題行動である場合、トイレの問題、飼い主への愛情など様々です。
愛犬の普段の様子や、愛犬への接し方を一度よく考えてみましょう。
もし何も問題がなければ、犬はあなたのことをとても愛しているということです!これからも仲良く楽しく暮らしていけるといいですね。
ユーザーのコメント
女性 ゴン吉
要求がある時はついてきて鼻でせっついてきます。
40代 男性 Akkun
だから用事ある所に連れて行く場合、一時的に犬と離れる事は厳禁です。近くの物を損壊させられたら弁償されかねないですし、糞尿を撒き散らして大恥をかくことになります!
20代 男性 匿名
短足ながら頑張ってる姿が可愛いんだけども、足腰に負担かかりそうで少し心配。
50代以上 男性 匿名
笑顔で対応してやってます。昼間は主人にくっついて行動して夜は家内のベットの上で安心して寝ています。庭に出して遊んでいても
寂しくなると自分から家に戻ってきます。散歩に行けば猫ちゃんに驚いたり、ご近所のワンコと交流できるようになきましたが、いつも小生にはアイコンタクトして何かを訴えますので、もと放棄犬の経緯を考えるとどうしても過保護になるんですが保護してから6か月たってだんだん分離不安が少なくなってきているようですが、今度は超甘えん坊に変身しそうです。
50代以上 女性 ミナミナ
分離不安って言葉使いは飼い主さんまで不安になってしまいますよね。
精神的な病のように。
もっと犬は高等な動物ですよ。
飼い主さんは我が子を信じてください。
生活のリズムがそれぞれな訳ですからできることしかできない。
命ある限り思いっきり自分なり家庭なりに向き合ってあげればいいと思います。
40代 女性 yuran
有り難うございました。私も、初めての家族となった この子を大切に、自分なりに短い命を大切に日々過ごしていこうと思います。まさに、、不安になっていた毎日でしたので。この分離不安症と聞くだけで、自分のせいだと愛犬に、申し訳なく感じていました。犬達は何も悪くない。全ての責任は、人間だと思っているので。
ミナミナ様の ご意見。
本当にありがとうございました。
20代 女性 なーな
不安症だと怖い感じもしますが、個人的には愛情や警護的な意味だと嬉しいですね。