ワンちゃんの身体に煮干しは良いとされているが・・・
ペットショップやスーパーで売っているペット用の煮干し。
煮干しは100gあたりのカルシウムが【200mg以上】と言われています。
これは牛乳の20倍で、骨を丈夫にし骨粗鬆症の予防と血液サラサラ効果がある非常に健康的な食材の一つです。
しかし・・・
例え無塩煮干しであっても長期間食べさせると、非常に高い確率で泌尿器系の結石になる恐れがあります。
ですので結石になり易い体質のワンちゃんには、『絶対に煮干しを食べさせてはいけません』
と言いましても、愛犬が結石になり易い体質なのかは分からないでしょう。
一つ言える事は、あまりミネラル価の高いオヤツやフードは避けた方が良いと言う事です。
もし食べさせたいフードやオヤツがあれば、獣医師に相談してから食べさせましょう。
泌尿器系の結石になる原因と症状
原因
泌尿器系の結石は、食事や水(市販されているミネラルウォーター,井戸水)などから摂取したミネラル分(カルシウムやマグネシウムなど)が腎臓や膀胱内で結晶化して閉塞を起こす病気です。
出来た結晶が腎臓,膀胱,尿管,尿道の何れかに蓄積されて詰ってしまいます。
結晶の種類は【ストルバイト】【シュウ酸カルシウム】【尿酸塩】【シスチン】【シリカ】などがありますが、このうちワンちゃんに良く見られるのがストルバイト結石です。
また、ストルバイト結石は細菌の尿路感染が細菌性膀胱炎を引き起こし、尿がアルカリ性になることが結石が形成される一因とも考えられています。
泌尿器系の結石は、一度発症すると再発する場合がありますので、食事の管理と泌尿器を常に清潔にしておかなければなりません。
愛犬のために日頃のケアを心掛けて下さい。
主な症状
- 1回の尿量が少ない
- 尿の回数が増える
- 排尿時に痛みがある(人間の場合だと思考回路が停止するレベル)
- 血尿が出る
- 尿が全く出なくなる(最悪の場合尿毒症になり死に至る)
- 下腹部に触れると硬い物を感じる
- 食欲不振
治療
- 結石を溶解する薬を投与
- 抗生物質を投与
- 手術による結石の除去など
- 尿のpHを調整し結石を溶解する処方食を与える
予防
- 獣医師が指定したフードによる食事療法(市販されている場合もある)
- 水分を十分に摂取させる(ミネラルウォーターは不可)
- 排尿を我慢させない
- 高ミネラル食材や炭酸カルシウム入りのオヤツは与えない
- 月に一度程度、動物病院で尿検査をする
- 肥らせない様に体重コントロールする
結石になり難い体質のワンちゃんでも
結石になり難い体質のワンちゃんでも、長期間煮干しを食べさせていると結石になる可能性も『無きにしも非ず』です。
食べさせ過ぎには注意しましょう。
与えても良しとされる量は【減塩煮干し】で3g、【無塩煮干し】で10gくらいであろうとされています。
だだし古くなり酸化されて赤くなった煮干しは極力避けましょう。
あまり古い煮干しを食べさせると、老化を早め癌になり易くなりますので鮮度の良いものを選んで購入して下さい。
与える時はビタミンEや抗酸化物質と一緒に摂取させると良いでしょう。
まとめ
私の愛犬は7年前に尿路結石になった事があります。
原因は長期間(1年間)に渡って煮干しをご飯のトッピングとして食べさせたからです。
まさか愛犬が結石になり易い体質とは想像していませんでしたし、どうして結石になるのかも知らずにいました。
幸いにも病状は初期段階でしたので、約1ヶ月の薬の投与と食事療法で完治しました。
発見の切っ掛けとなったのは、愛犬を狂犬病の予防接種に動物病院へ行った時の事でした。
たまたま隣に座った男性と、お互いの愛犬の話していた時に、その男性が『うちの子は1か月前に煮干しを食べ過ぎたのが原因で膀胱に結石が溜まって手術した』と聞いて、私の頭に嫌な予感が過ったのでした。
『えっ!?ひょっとしたら自分の愛犬も・・・』と思い、注射が終わった後に尿採取用スポンジを獣医師からもらい、帰宅して愛犬の尿を採取して検査してもらいました。
すると・・・。
嫌な予感は見事に的中してしまいました。
しかし獣医師曰く『ストルバイトの結晶が出来てますが泌尿器は詰っていません』
『結石を溶かす薬を処方しますので飲ませて下さい』と言われました。
『ただし、この病気は再発するケースが多いので十分注意して下さい』とも言われました。
何はともあれ、手術せずに薬だけで治ると聞いて、本当に良かったと胸を撫で下ろしつつも、こうなったのも私の無知さから来た結果なのだと反省し、『もう二度と煮干しを食べさせない』と心に誓いました。
その後、病院の処方薬を飲ませながら尿のPHコントロールフードを約1ヶ月食べさせて完治したのでした。
動物病院で膀胱結石で手術したワンちゃんの飼い主さんと合わなければ、間違いなく手術していたのだろと思っています。
今考えれるとゾッとしますが、愛犬に痛い思いをさせずに本当に良かったと思います。
あれから7年も経っていますので、尿検査は3ヶ月に一度ですが再発はしていません。
結石になり易い、なり難いは体質によって異なります。
極度になり易いワンちゃんは、普通の食事でも結石になる場合もあります。
もし心配でしたら、1ヶ月に一度程度の尿検査はするべきだと思います。
愛犬家の皆様、煮干しにはご用心を・・・
ユーザーのコメント
40代 女性 46
ワタシも カルシウム摂取には、
オヤツとして、完璧なものと思ってました。
結石になるかもしれない⁉️
驚きました‼︎
この記事を読まなければ、知ることはできませんでした。
教えていただきありがとうございました。
40代 女性 匿名
2匹とも子犬の時に足がゆるいと言われたので、少しでも骨が強くなる方が良いのかと思い、煮干しでありませんが市販のカルシウム粉を時々フードにかけてあげていました。
ところが2歳の子が突然血尿が出て慌てて病院へ行くと検査で膀胱に結石がある事がわかりました。ストルバイト結石でまだ小さい石で尿が酸性になれば溶けるので、膀胱炎の治療と療法食で結石は無くなりましたが、シュウ酸カルシウムだったら外科手術をしなくてはいけなかったと言われました。
3歳の方は石は出来ていなかったので体質なのでしょうか。
今は普通食に戻して経過観察中で、家ではロールphチェッカーで尿チェックしています。
体に良さそうだからと色々フードに足したり栄養分入りおやつをあげる事が逆にバランスを崩す事があるんですね。
いろいろ知らなくてはいけないなと思いました。
50代以上 女性 匿名
しかしながら、煮干しは一切与えておらず普通のドライフードのみ。
先生曰く、なりやすい体質の子は何を食べてもなりやすく、なりにくい子は何を食べてもなりにくいそうです。ドライフードしか食べなくてもなる子はなるんだと。
煮干しが悪いみたいに仰っていますが、それは間違いで、飼い主が犬に甘く、与えすぎたのが原因かと思います。毎日与えつづけると病気にもなります。人も同じです。
ワンコと煮干しがかわいそうです。原因は全て飼い主なんです。それを理解して下さい。
女性 匿名