犬の耳にはたくさんのツボが存在する
人間でも耳にはたくさんのツボが存在するとはよく知られた話です。実はそれは犬も同じで、犬の耳にも全身につながるツボが多数存在します。
では、犬の耳にはどういったツボが存在するのでしょうか。例えば…
耳尖(じせん):耳がかゆい時のツボ
- 場所
- 両耳の先端
- 効果
- 熱を冷ます消炎作用、止痛作用、耳の炎症を抑えてかゆみを取る。
耳珠(じじゅ):車酔い対策のツボ
- 場所
- 耳の穴のすぐ前の軟骨の突起部分
- 効果
- 車酔いの予防、車酔いを軽減させる。車に乗っている時にこのツボをつまんでマッサージしてあげましょう。
聴宮(ちょうきゅう):むだ吠えを防止するツボ
- 場所
- 耳珠の前あたり
- 効果
- 特に内臓に作用して、内臓から心を落ち着かせることによってむだ吠えを解消する効果。すぐそばに耳門(じもん)という聴宮と同じ作用をするツボがあり、そこは特に精神の乱れを整えることに優れているツボです。聴宮と耳門は場所がとても近いので、耳珠の前部に親指を当てると、この2つのツボを同時に揉むことができます。
辻本由香子
これらツボのほかにも、翳風(えいふう)と言われるツボは、顔面神経麻痺や知覚障害といった体の不調に効果を発揮します。
犬の耳は普段から良く動き、その動き方によって色々な感情を表現してくれている部分なので、優しくマッサージしてあげることで日々の疲れを癒してあげてください。
犬の耳を毎日触ることで健康促進!
耳ツボを刺激する方法は、まず愛犬と向かい合い、指の腹を使って、親指と人さし指の間に耳を軽く挟むようにします。それから、親指で押したいツボのポイントを押さえ15〜20秒間3、4回揉みます。
ピンポイントでツボを押さえる以外に、耳全体をマッサージしてあげることでも、大きなリラックス効果や血行促進効果があります。耳の根元から先端に向かうイメージでゆっくり優しくマッサージしてあげましょう。
特に耳の根元はたくさんのツボが集中しているので、耳の根元部分を一度にマッサージして、集中ケアすることもできます。気持ち良くなった愛犬はすぐにうっとりしたお顔をし始めることでしょう。
耳をなでるだけでも効果があるので、お耳を毎日触ってあげて、愛犬の健康促進を目指しましょう♪
辻本由香子
東洋医学では体内の全ての経絡が集まる場所であるとも考えられる耳のツボ。中には全身の治療を行うのに耳だけを施術する鍼師が居るとも言われています。
それだけ犬は猫に比べて、耳の問題に苦しむ頻度が多く、また犬にとって耳はとても敏感な器官であるため、日頃のケアとしてもマッサージをしてあげると良いでしょう。
耳の中に触れられることを嫌がる犬が多いので注意!
マッサージをする際にはいくつか注意点があります。
- 愛犬の皮膚を傷つけないようにマッサージは指の腹で、爪は短く切ってから行いましょう。
- 犬は飼い主さんの気持ちに敏感なので、飼い主さん自身がリラックスした気持ちの時に行いましょう。そうすると犬も、よりリラックスすることができます。
- 愛犬の様子を観察しながら、マッサージしてあげましょう。
愛犬が気持ちよさそうにしていることが大切です。特に耳の中は嫌がる子が多いので、嫌がる場所を無理やりすることは避けましょう。力の入れすぎにも注意してください。優しく話しかけながら行うと、愛犬も嬉しいですね。
辻本由香子
犬の耳はとても優れた器官である一方、病気にも罹りやすい器官でもあります。
そのため、耳に何らかの病気を発症している場合、耳に触れられること自体を嫌がる子は多いので、そういった場合、まずはその原因を改善した上で徐々に触れることに慣らしていく必要があります。
また、長毛犬種で耳介が毛で覆われている子であっても耳介部分の皮膚はとても薄く出来ていて外からの刺激には弱いため、優しく扱ってあげましょう。
犬の耳を毎日刺激するメリット
毎日耳に触れてマッサージしてあげることでこんなメリットがあります。
スキンシップになる
スキンシップは愛犬との絆を強める上でとても大切なものです。マッサージしてもらう犬も嬉しいですし、飼い主さん自身にとっても、癒しの効果があります。
耳に触られることに慣らす
動物病院やトリミングの時など、犬が耳を触られる機会は数多くあります。常日頃から耳を触られている犬であれば耳への抵抗がなく、そうした時にも嫌がらずにお利口さんにしていてくれます。
病気や異変の早期発見
外耳炎や耳に何か異常があれば、耳に触られることに慣れている犬でも触られることを嫌がったりします。毎日耳に触れることでそうしたものを早期に発見して、適切な処置をすることができます。
いろいろな効果が期待できる耳ツボマッサージ。愛犬のために今日からあなたも始めてみませんか?
辻本由香子
元々犬の耳介は直立して良く動くものでした。しかし、度々の品種改良により犬の耳の形状は直立、半立ち、垂れ耳の3種類に分類され、結果的に耳疾患の発症率を増加させることになりました。
嗅覚に次いで鋭い犬の聴覚。日々のスキンシップを兼ねた耳へのマッサージは、デリケートになった現在の愛犬達にはとても大切なことだと言えるでしょう。