歯ブラシ、歯磨き粉、ガムにブレスケア商品など、オーラルケアに関する商品は沢山あります。
「8020運動」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
80歳になっても20本の歯を維持し、美味しく自分の歯で食べられるようにしよう、という運動です。
歯やお口の健康が老後の生活の質に大きく影響することは皆さんご承知の通りです。
実はこれ、人だけでなくペットにも言えることなんです。
大切な愛犬のお口、臭いませんか?
大型犬の場合は6歳頃から、小型犬でも8歳頃には「高齢」の域に突入します。体力、毛質、敏捷性、食欲など色々な所に衰えが出て来ます。
そしてこの頃になると「口が臭う」「歯が黄色い」「歯茎の色が悪い」というお口のトラブルが目立ってきます。
・虫歯にならなければ大丈夫
・口が臭いだけで病気じゃない
そんな風に思っていませんか? お口のケアを怠ると「全ての歯を抜き取らないといけない」「心臓や内臓の病気」など、歯周病よりも恐ろしい事になってしまいますよ。
どうして臭くなる? どうして病気になるの?
黄色くなった歯は「歯自体の変色」というより「歯石」が溜まった事による変色です。
黄色くこびりついた物は「食べカスが歯に引っ付いた状態で固まって石のようになった物」です。これを栄養源として雑菌が口の中で繁殖し、雑菌が出す毒素が原因で臭うようになってしまうのです。また、歯石は歯茎に沿うようにしてできていますよね。
歯石と歯茎の間には「歯周ポケット」と言われる隙間があり、そこで雑菌が繁殖して毒素を出し、歯茎が炎症を起こします。
親不知の周りが炎症を起こして夜も寝られないくらい酷い痛みに襲われた経験はありませんか? 同じような事が愛犬にも起こり得るんです。
愛犬の歯茎が健康的なピンクではなく、赤く腫れていませんか?
まだ赤く腫れた程度であれば「歯肉炎」と言われる状態で、直ぐ治療すれば大丈夫です。ですが紫色などになっている場合は危険です。
歯周ポケットに膿が溜まってしまっていて、放置すると歯が抜けるだけでなく、口の中の雑菌が歯茎の中から体の中まで入り込み、血液に混じって全身に広がり色々な病気の引き金となる場合もあります。
どうすれば防げるの?
愛犬も必要なことは人と同じ「歯磨き」が大切です。ただ、自分では歯を磨くことができませんから、飼い主がこまめにケアしてあげましょう。
いきなり歯ブラシを使うと驚いたり、オモチャと勘違いして齧ってボロボロにしてしまったり、歯茎に歯ブラシが当たって痛い! と感じ「歯ブラシ=痛い=嫌い」と記憶してしまうことがあります。まずは「口に触られても平気な子」にしましょう。
愛犬は口の周りを触らせてくれますか? 唇をめくって歯を剥き出しにできますか?
これができたら盛大に褒めたり、おやつ(カリカリのドッグフードを一粒など、ほんの少しのご褒美)をあげてください。口や歯に触れられても大丈夫、怖くない、痛くない、と覚えて貰います。
こうしたことが平気になったら、ガーゼを指に巻き、歯を擦って表面に着いた食べカスを拭い取ってあげましょう。
この時、わんちゃん用の歯磨き粉を使います。
子供と同じで美味しい味の歯磨き粉が付いていると比較的、嫌がりません。ちゃんとできたらしっかり褒めたり、少量のおやつをあげてくださいね。
ガーゼが大丈夫になったら、いよいよ歯ブラシの登場です。
子供用の小さくて柔らかい毛の物でOKです。これに歯磨き粉を付けて、まず、一本だけ磨いてみます。磨けたら褒めたり、ご褒美をあげます。
一番磨き易い歯から始め、徐々に他の歯も磨くようにします。慣れれば歯だけでなく歯茎もブラッシングできるようになりますし、勿論、ご褒美も要らなくなります。
まとめ
子犬の頃からオーラルケアを行うのが大切ですが、遅くなったからと言って「もう無駄」なんてことはありません。気付いた今からケアを始めましょう。焦ったり、無理をしてはいけません。
特に歯茎が腫れている場合は必ず獣医師に見て貰い、治療しながらケアに関してアドバイスを貰いましょう。
最近は、無料でオーラルケア相談をしてくれる病院もありますし、歯科セミナーなどを開いているドッグスクールもあります。お近くの病院やスクール情報をこまめにチェックして利用してみるのもいいですね。
自力で楽しく食べられなくなると生活の質も格段に落ちてしまいます。大切な愛犬の健康維持は勿論、充実した老後の為にも子犬の頃から十分ケアしてあげたいですね。