犬が捻挫(ねんざ)したかも?症状からかかった費用まで

犬が捻挫(ねんざ)したかも?症状からかかった費用まで

急に犬が足を引きずったり、かばうようになると驚きますよね。「もしかしたら骨折しているかもしれない…」そんな不安を持っている方へ、ここでは犬の捻挫の症状や原因、応急処置や筆者の体験談を元にした完治するまでの流れについてご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬の捻挫(ねんざ)とは

靭帯の簡単なイラスト

犬の捻挫(ねんざ)は、関節をまたいで骨と骨を繋いでいる靭帯が、無理な動きなどで許容範囲を超えてしまい、損傷してしまった状態のことをいいます。靭帯線維の断裂が起こっている状態で、人では靭帯の破損状態損傷の程度で以下の3段階に捻挫の程度が分けられているようです。

Ⅰ度(軽度)
 軽度の捻挫で、靭帯の繊維だけが損傷された状態
Ⅱ度(中度)
 靭帯の部分断裂で、関節の中も一部損傷された状態
Ⅲ度(重度)
 靭帯の完全断裂で、関節の中も大きな損傷を受け関節が2つに分かれた状態

※Ⅰ度は軽度捻挫ですが、Ⅱ度、Ⅲ度の捻挫は激しい痛みを伴います。

捻挫の症状

足を痛がる犬

犬が捻挫をしているときには、次のような症状が見られます。

  • 足を引きずる
  • 患部が赤くなる
  • 患部が腫れる
  • 患部が熱を持つ
  • 患部を触るのを嫌がる
  • 足を上げたままにしている

軽度の捻挫の場合、痛がらずに歩くこともあったり、少しかばう程度になります。重度になるほど、腫れたり、痛がったり足を地面につけずに上げたままにする症状が見られます。

こういった足を痛がる、または歩き方がおかしいといった症状は、捻挫以外でも見られるため注意が必要です。

【捻挫の似た症状が起こる病気】
 椎間板ヘルニア
 免疫介在性多発性関節炎(関節リウマチ)
 皮膚の炎症、ケガ
 骨肉腫
 膝蓋骨脱臼(パテラ)
 股関節形成不全
 肘関節形成不全 など

愛犬が足を痛がるときは、飲み薬や手術が必要な病気が隠れている場合もあります。他にも、捻挫と骨折の症状の違いなどは、素人目では判断が難しいです。

自己判断せずに、愛犬の歩き方に異常が見られた場合は、速やかに動物病院に連れて行きましょう。

捻挫の応急処置

捻挫した犬の足の治療

まずは、動き回らないように安心できる場所(ベッド・クレート・ケージ など)で休ませましょう。

次に、氷嚢をタオルで包んで腫れている患部に10分ほど当ててください。患部を冷やすことによって炎症を抑えられて痛みを和らげることができます。腫れが引かない場合は、2時間ほど間隔を空けて患部を冷やしてください。

一日経過して患部の改善が見られない場合は、かかりつけの動物病院で診察をしてもらいましょう。症状が長引く場合は他の病気の可能性がありますので、少しでも悪化していると感じたら早急に病院へ連絡をして指示を仰いでください。

なお、動物病院へ連れて行かずに、家にある人間用の痛み止めを犬に飲ませるのは絶対にしてはいけません。人間用の薬は、犬には有害なものもあります。

※患部を包帯で圧迫・固定することは、炎症を抑えるために有効とされています。ですが、間違ったやり方で処置をしてしまうと、血流を妨げ刺激してしまい、悪化させる可能性があります。獣医によるアドバイスがない状態で包帯を巻くのは避けてください。

診察内容・かかった費用【体験談】

捻挫した犬のイラスト

筆者の愛犬が2歳の頃、ソファーから飛び降りて捻挫した事があります。普段は飛び降りることがなかったので気を抜いていました。突然「キャン」と声をあげて、足を引きずる素振りを見せたのです。

足を引きずる素振りは1度きりだったのですが、愛犬の足を動かさない様にタオルにくるんで、キャリーバックに入れ、動物病院に連れて行きました。

怪我などをした時は、犬もパニックになっていることがありますので、まずは飼い主が落ち着き、犬も落ち着かせて動かないようにしてあげましょう。

診察内容

  • 問診
  • 触診
  • レントゲン
  • 痛み止め注射

飛び下りた高さ、当時の状況を説明して患部を触ったり足が曲げられるか、真っ直ぐ歩けるか等を診察してもらいました。結果は軽度捻挫でしたが、「一応レントゲンを撮りましょう」とレントゲンを撮りました。

その後、時間が経って痛みが出ないようにと、痛み止めの注射をしてもらいました。「今日はゲージに入れて安静にして、数日たっても痛みが引かないならまた来て下さい。」との、動物病院の先生からの指示でした。

治療後の過ごし方

  • ケージに入れて安静にする
  • 患部が腫れていたり熱を持っていたら冷やす

上記治療を行い、愛犬は2~3日で回復し日常の生活に戻りました。また、診察も一回で終わることができました。

かかった費用

  • 初診料(再診料):1,500円ほど
  • レントゲン代  :5,000円ほど

上記の他にも、薬が処方されたり、痛み止めの注射を打ったりなど、病状によって治療方法が変わってきます。治療費用は動物病院によって異なるため、行き先の動物病院のホームページで治療費用を確認したり、電話で直接問い合わせてみましょう。

捻挫の原因と予防策

治療中の捻挫した犬

実は、犬にとって捻挫はとても身近な病気です。お部屋や外出先など、今一度危険な場所がないか安全確認をしましょう。また、過度な体重はわんちゃんの手足に負担を掛けますので、健康の事も考えて太らせないよう適正体重をキープしましょう。

室内での原因

おもちゃを追いかけて無理な曲がり方をした時や、高い所から飛び降りた時、お部屋で遊んでいても、飼い主は犬から目を離さず、高い所には乗らせないように気をつけましょう。滑ったり、つまずいたりして転んだ時も捻挫に繋がる場合があります。

犬が滑らないように、床にマットを引いたり足裏の毛をマメに切って犬が滑りにくくなる対策も忘れずに行いましょう。

予防策

  • 興奮させすぎないようにする
  • 高いところに犬を上がらせない
  • マットをひくなど、足が滑らないような床にする
  • 足の裏の毛を伸びたままにしない

室外での原因

アジリティ等で犬の関節に負担がかかる動きや急な方向転換をした時や、車の乗り降りの時に捻挫を起こしやすいので注意しましょう。

アジリティとは、ハードルを飛んだり、障害物を避けたり、いわゆる犬の障害物競走のような競技です。嫌がるわんちゃんや慣れていないわんちゃんは、無理をさせずにアジリティを行いましょう。

また、外出先ではわんちゃんのテンションもあがり、普段と違う動きをしたりします。車から突然飛び出したりしないように、リードは必ず繋いであるか注意しましょう。

対処法

  • アジリティは犬が嫌がっていたり慣れていない場合は、無理をさせない
  • 車の乗り降りは、犬を落ち着かせて行う
  • はしゃいで無理な動きにならないよう、リードを短く持って突然の動きに気をつける

まとめ

元気な愛犬フィーユちゃん

わんちゃんが楽しそうに走っている姿はとても微笑ましいものですが、捻挫にも注意が必要です。

2歳の頃捻挫を経験した我が家のワンコは、それから1度も捻挫をしていません。全力で部屋を走り回りおもちゃを追いかけて、頭から突っ込んで転げたりターンをして滑ったりと豪快に遊んでいます。

そのため、定期的に肉球ケアや足裏の毛カットを行い、部屋も全てフラットで滑り止め用のマットもひいてあります。手間はどうしても掛かってしまいますが、愛犬の安全には変えられません。

この機会にぜひ、犬が捻挫しない安全な生活環境を整えましょう。犬と飼い主が笑顔溢れる毎日でありますように。

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