犬がゲップをする理由とは?病気のサインや対処法についてご紹介

犬がゲップをする理由とは?病気のサインや対処法についてご紹介

愛犬がよくゲップをする場合、それが問題のないゲップなのか病気が関わっているのか心配になることはありませんか?ゲップの原因にもいくつかあります。今回は、犬がゲップをする原因と、その改善方法や診察を受けるべきタイミングについてご紹介します

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬がゲップをする原因

犬のゲップさせないための台付き水飲み

犬も人間のようにゲップをすることがあります。犬のゲップの原因は、胃などに溜まったガスや飲み込んだ空気が逆流して口から出ることです。

一般的には問題のないことがほとんどですが、なぜゲップが出てしまうのかその原因を探してみましょう。

水をがぶ飲みしている

犬も人間と同じように、水をがぶがぶ飲んでしまった時などに、空気を一緒に飲んでしまっていることがあります。

ご飯を急いで食べている

ご飯を急いで食べている犬、もともと早食いの犬の場合も、食べている時に空気をたくさん吸い込んでしまって食後にゲップが出ることがあります。

食べることに夢中になりやすい成長期の子犬などは特に早食いしてしまい、成犬になってからもその食べ方を続けている場合が多いようです。

老犬で舌の動きがおぼつかない

老犬期に突入すると舌の動きがスムーズにいかなくなり、ついばむようにご飯を食べたり、器にご飯を押しつけるばかりで口に入っていないということがあります。

そういった時も、ドッグフードでなく空気ばかりを飲み込んでしまい、食後にゲップが出やすいという犬も多いようです。

犬にとって、このような生理現象のゲップは、病気ではないので特に問題ありません。

しかし、食後や飲水後にあまりにも愛犬がゲップをよくするようであれば、多くの空気を飲み込ませないような工夫が必要です。

犬が頻繁にゲップをしていたり臭い場合注意が必要

最近犬のゲップが多くなったり、そのゲップが臭うようになってきたなと思うときは、何か病的な原因がある可能性もあります。

ゲップの回数が多い、連続する

ゴミ箱あさりをした犬

消化不良を起こしている

食欲もありとても元気だという場合でも、ゲップの回数が急に増えたり、連続して出たりするときは消化不良を起こしていたり胃腸の動きが悪くなっている可能性が考えられます。

吐いたり下痢をしていないかもあわせて確認してみましょう。

ゴミ箱あさりをしたり、開封してから時間が経って傷んだドッグフードを食べたなど、ゲップをよくするようになった直前の原因に思い当たるものがないか振り返ってみてください。

消化不良の場合、犬がゲップをすると臭うことが多いでしょう。食べたものの影響や胃腸炎以外にも、たとえば膵炎などの病気でも胃腸の動きが悪くなります。人では、急性膵炎の初期症状としてげっぷが出ることがあるそうです。

胃拡張を起こしている

胃拡張とは、何らかの理由で胃の中に異常な量のガスが溜まることを言います。胃拡張から胃がねじれてしまう胃捻転になる恐れもあり、胃捻転は急を要する死亡率の高い病気ですので、注意が必要です。

胃拡張だけでも、異常に大きくなった胃が周りの臓器や血管を圧迫してしまうためにすぐに治療が必要となったりショック状態になることもありますが、胃捻転まで起こしてしまうと、周囲の臓器や血管までねじれてしまい、すぐに手術をしないと命にかかわります。

胃拡張だけであれば胃の中のガスがゲップとして出てくることもありますが、胃捻転を起こしていると胃内のガスの行き場はありません。吐こうとするが何も出てこない、泡だけ出てくる、お腹がパンパンに膨らんでいる、呼吸も苦しそうなどの症状が見られます。

胃捻転になると、影響は全身の臓器に及び、手術を行っても亡くなってしまうケースも少なくありません。

胸の深い大型犬、食後や運動後(特に食後に運動した後)、早食いや水をがぶ飲みする場合、ストレスがかかった時などの危険性が高いと言われていますが、小型犬でもダックスフントでは多く見られるようですし、どんな犬においても、どんなタイミングでも胃拡張捻転症候群が起きる可能性はあります。胃拡張捻転症候群を疑う症状が見られたら、動物病院に電話をしてから急いで向かいましょう。

ゲップの臭いがおかしい

犬のゲップの元を断つ歯磨き

口の問題…歯周病、腫瘍など

歯垢や歯石がたまってしまい、口の中の歯周病菌が繁殖して炎症を起こす歯周病は犬でとても多く見られます。歯周病があると口臭がひどくなり、犬がゲップをすると嫌な臭いがしてくるでしょう。

目に見える歯垢や歯石だけが問題なのではなく、歯の根元で歯茎と歯の間が膿んでしまっていることもあります。毎日愛犬の歯磨きをして、歯垢や歯石が貯まらないように、歯周病にならないようにしましょう。

また、口の中に腫瘍ができて口の中が不衛生になったり、破れた腫瘍が壊死したり膿んだりすることでも口臭がひどくなったりゲップの臭いも嫌なものに変化することがありますので、日頃から口の中ものぞく習慣をつけるのがおすすめです。

胃腸の問題…便秘、腸閉塞など

何らかの原因で胃腸の動きが悪くなると、腸内細菌が作るガスの量が多くなりゲップが増える、ゲップが臭くなることがあります。うんちのような臭いに感じる時もあるでしょう。

胃腸の動きが悪いだけではなく、どこかで物が詰まったり腸がねじれたりして閉塞すると、閉塞部位より上流の腸で異常なガス産生が起こりゲップとして出てくることもあるかもしれません。

腸閉塞を起こすと、元気や食欲がなくなる、動きたがらない(腹痛)、嘔吐、下痢、お腹が膨らむなどの症状が見られ、早く手術をしないと命にかかわることになるため、愛犬を急いで病院に連れていくことが大切です。

犬のゲップが多い際の対策方法

食器を差し出されている犬

たまに出る程度であれば問題のないゲップも、よく出るようなら胃腸に負担がかかっているサインかもしれません。

嘔吐や下痢につなげないためにも、食事や運動について見直してみましょう。

ご飯を食べる時、できるだけ空気を飲みこまないようにする

ゲップの大部分は飲み込んだ空気によるものです。

もし、老犬で舌の動きや食べ方がおぼつかない子で空気を多く飲み込んでしまう場合には、スプーンで口元にご飯を寄せたり、山型に盛るなど手伝ってあげることで飲み込んでしまう空気の量を減らすことができるかもしれません。

【胃拡張捻転症候群(GDV)と食器の高さとの関連についての補足】

GDVの予防として、大型犬では食器の高さを犬の胸の位置まであげて食べさせることが推奨されていた時期もありましたが、実際には食器を高くして食べさせることと胃拡張捻転症候群の発生との関連は分かっていません。これまでのところ、食器を高くして食べさせていた犬でGDVの発生率が高かったとする論文と食器の高さとGDVの発生率には関係がなかったとする論文が1報ずつ出ています。どちらの論文にも課題が残されていること、食器の高さとGDVの発生について他に研究結果がないことから、今のところは「床に置いた食器から食べているとGDVの発生率が高くなるという証拠はない」としか言えません。GDVのリスクが高い犬を飼っている場合には、食器の高さよりも、早食いをしないように食器や食事の与え方、食事内容に気を配ると良いと思います。

《参考文献》
BuckleyL. A. (2017). Are Dogs That Are Fed from a Raised Bowl at an Increased Risk of Gastric Dilation Volvulus Compared with Floor-Fed Dogs?. Veterinary Evidence, 2(1).

獣医師:木下明紀子

ご飯をゆっくり食べる習慣をつける

早食いがなくなると飲み込む空気の量が減るため、ゲップの回数も減る可能性があります。

平皿にご飯を散らばすように入れる、床にご飯を散らばせて食べさせる、手からゆっくりとあげる、早食い防止食器を活用するなど、愛犬に合った方法を選びましょう。

多頭飼いで競うように食べている犬は、食事の時に部屋を分けてあげるのも良いでしょう。

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  • 健康
  • ヘルスケア

消化しやすいご飯を選び1日の回数を増やす

食物繊維が多いご飯だと、愛犬の消化が追いつかなかったり、愛犬の体質に合わず腸内環境が悪くなり、過剰にガスが産生され、ゲップにつながっている可能性があります。体質によっては、特定の穀物や原材料を使っている場合に腸内での過剰なガス産生につながる場合があります。

特に消化管が未発達な子犬や、消化・吸収機能が衰える老犬では、フードの内容を見直してみる、違うフードに変えてみると、腸内環境が改善されてゲップが減ったり、便の状態が良くなることがあるかもしれません。

また、1回にたくさんのご飯を胃に詰め込むよりも、少量に分けた方が胃腸に優しく、無駄なガスの発生も抑えられるかもしれません。

運動して腸の動きを活発にする

便秘がちな犬でゲップやおならが多いのであれば、毎日しっかり運動して腸を活発に動かしましょう。

腸の善玉菌を増やすサプリメントなどを、サポートとして取り入れるのもおすすめです。

ただし、食後すぐに運動すると、特に大型犬や胸が深い犬種では胃拡張捻転症候群のリスクが高くなることも指摘されているため、時間を十分空けてから行いましょう。

もふころ さん
女性 30代
うちのワンちゃん達もご飯の後にはゲップをしていますね。お水を飲んだ後も出すことがあります。

たまにゲップが上手く出せず、食べたものが一緒に出てしまうことがあります。

胃に空気が入ったままは良くないと聞いたので、食後は尻尾からから首にかけて軽く背中をさすってゲップを促すようにしています。

まとめ

犬がゲップのイメージ写真

犬のゲップは、多くは食事や水を飲んだ時、または興奮したり暑くてパンティングをした時に飲み込んだ空気によるものですが、腸内細菌が産生するガスがゲップとして出てくる場合もあります。

お腹が膨らんでいてゲップを出している時、または吐こうとしているのに何も吐かない時は胃拡張捻転症候群を起こしている可能性があり、急いで病院に連れて行く必要があります。ゲップの他に下痢や便秘もあり、腸内環境が悪いかもと思われる場合には食事内容を変えてみると良いかもしれません。

まずは飼い主がゲップの原因を探り、食事に与え方や内容を工夫することで大切な愛犬を守っていくようにしましょう。

いつもと違うと感じたらすぐに病院につれていけるよう、常日頃愛犬の様子をチェックするようにしましょうね。

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