犬にとってナスは食べていい野菜!
まず、結論をお伝えすると、ナス(茄子)は犬が食べても大丈夫な野菜です。
ですが、ほんの少しですが、「アルカロイド」という毒性のある成分をもっており、健康に影響がある可能性があります。そのため、大量に与えるのは控えましょう。
ナスは水分も多く、夏の暑さに弱い犬にとっては、水分を食事からとることができますので、夏には飼い主である人間も一緒に食べたい野菜と言えます。ナス100gに対して、93gもナスには水分が含まれています。
ナスは、「栄養がなく水分だけ」とか、「栄養が少ないから食べなくてもいいのでは?」というお声もよく聞きますが、ナスには「ナスニン」という成分があり、実はこれには驚きのチカラがあるのです。
犬にナスを与えることによる健康効果
ナスの健康効果
- 発がん性物質に対する抑制力
- 動脈硬化対策
- 糖尿病対策
- 脳機能を強化する働き
このように様々な健康効果が期待できます。ぜひ食べさせたい野菜の1つと言えますね。
ナスに含まれる健康物質「ナスニン」の効果
ナスには、「ナスニン」というアントシアニン系の色素(ポリフェノールの一種)が含まれています。とくに、ナスの皮の部分に多く含まれていていおり、ナスニンにはとても強力な「抗酸化作用」があります。
ちなみに、ガン予防に効果的だと言われる食材として、ブロッコリーがよく知られていますが、なすに含まれる「ナスニン」は、ブロッコリーよりも発がん性物質を抑制する力が高いということがわかっています。
しかも加熱調理をしても、仮に100℃で10~20分加熱しても、80%以上の抑制効果が残る優秀野菜なのです。
カリウムが体内の余分な塩分を排出
茄子には100g当たり、220mgものカリウムが含まれています。カリウム含有量が比較的多いと言われているキュウリの1.1倍の量です。
カリウムは体内に溜まった余分な塩分(ナトリウム)を排出する効果があります。また、カリウムは塩分を摂りすぎることで起こる身体のむくみを抑えたり、血管に負担をかける高血圧リスクの予防効果が期待できます。
犬のナスの食べさせ方
ナスニンの多い「皮の部分」を取り入れよう
水分の多いナスの身の部分も是非食べさせてほしいですが、重要なのはナスの皮に含まれる「ナスニン」です。ナスの皮は積極的にとり入れたい部位です。
ただ、ナスの皮は私達人間でもかたくて食べづらいですよね?もちろん犬も固く感ることでしょう。
また、皮はかたいということは、「消化しづらい」」という事。人間よりも消化器官が発達していない犬のお腹にとっては、優しい食材とは言えず、体の負担となってしまいます。
ナスは細かくカットして与える
なすの身も皮も、熱にも強いですから、生ではなく湯がいてやわらかくしましょう。そして、皮はなるべく細かく刻むか、ミキサーでペースト状にして与えるのがオススメです。
また、「ナスニン」は水溶性なので、スープなどにするとさらに効率よく摂取することができます。手作りゴハンをお作りの方は、ぜひお試しください。
1日に与えてもよいナスの量
茄子のカロリーは100gあたり22kclと低く犬が5kgの体重の場合、理論上は約250g食べてもいいことになります。ただし、いつものドッグフード以外の食事はあくまでもおやつ・補助食品として与えるのが良いでしょう。
目安としては普段食べるドッグフードの10%程度の量に留めましょう。また、個体差もありますから、最初に与える時には少量から与えてください。便の様子などを見ながら、量を増やしたり、与え方を工夫してみてください。
犬にナスを食べさせるときの注意点
天然の毒「アルカロイド」に注意
犬はナスを食べられますが、体調によって食べて大丈夫な場合と、そうでない場合があります。
なぜダメなのかというと、ナスに含まれている少量ではありますが、「アルカロイド」という天然の毒が含まれています。アルカロイドは、長期摂取することで、関節の修復機能が阻害されたり炎症が起きたりするそうです。
犬にナスを与えてはいけないケース
- 犬が関節炎を患っている場合
- 寄生虫に感染している場合
このような状態にある愛犬には、なすびは食べさせないでください。動物病院にかかっている際に、先生からも食べ物についてもご説明があるかと思いますので、ぜひ先生のお話も含め注意してみてください。
犬にナスと一緒に食べさせたいおすすめの食材
ナスの有用な成分をうまく活用するには、食材の組み合わせが重要です。組み合わせ次第で、ナスの健康効果をさらにプラスすることができます。
今回はナスと一緒に食べさせたい「食材の組み合わせ」を2つ紹介します。
わんちゃんの手作りゴハンやトッピングについて詳しい方から教えていただいた、組み合わせになります。
手作りゴハンやトッピングを実践されている方なら、すぐに実践できる組み合わせだと思いますので、ぜひお試しください。
組み合わせ:ナス+おから+胡麻
- なす・・・ナスニン
- おから・・・食物繊維
- 胡麻・・・オレイン酸
ナスには血液をきれいにする効果のある「ナスニン」、オカラには腸の調子を整える食物繊維、胡麻には血液をサラサラにする効果のある「オレイン酸」が含まれています。
- 動脈硬化予防
- 血中コレステロール減少
組み合わせ:ナス+しいたけ+ニンジン
- なす・・・ナスニン
- しいたけ・・・β-グルカン
- ニンジン・・・β-カロテン
ナスにはがん予防に効果のある「ナスニン」、しいたけにはがん予防効果のある「β-グルカン」、ニンジンには抗がん効果のある「β-カロテン」がそれぞれ含まれています。
- ガン予防
まとめ
以上のように、ナスには犬にとっては素晴らしい栄養素があることがわかると思います。
もちろん、愛犬の体調によって食べていい場合とそうでない場合がありますが、体調と与え方に注意すれば、とても良い野菜なのです。
野菜は、自らを守る為に少なからず毒素などを持っています。ですが、少量でしたら、愛犬に与えても問題はありませんし、またなすびのように「旬の時期に旬のモノを食べると良い」と言われているのは、実は旬の時期は野菜に含まれる毒素が少ないからです。
ナスには、愛犬の身体を守ってくれる素晴らしい栄養素が含まれていますので、ぜひ食べさせてみてください。
▼犬が食べてはいけないものについてもっと知りたい方はこちら
犬が食べてはいけないもの一覧
ユーザーのコメント
40代 女性 PESCA
我が家の畑でも育てていて、とても皮の柔らかい品種でとろけるように甘いみずみずしい茄子です。
記事にも書かれてあるように、皮の固い茄子はわんちゃんの消化に良くないですね。
雨が少ない夏など畑の水分が不足すると、茄子の皮はかなり厚く固くなります。刻んでも口に残るような感じです。
最近は産直でもいろいろな品種が出回っていますから、皮の柔らかいタイプの茄子を選ぶと良いと思います。
わんちゃんのごはんに、とろとろになるまで煮込んだりしますが、ナスニンは加熱にとても強いのですね。
ですが、水溶性とのことなので、煮たスープごと食べさせるのもポイントですね。
夏の野菜の茄子は、身体を冷やしますので、暑い季節にぴったりの食材ですが、食べすぎには注意したほうがいいかもしれません。
熱を冷ます作用があるので、蒸し暑い時期のお散歩後のお夕飯に、またほてりや炎症を鎮める作用もあるのでスポーツをした日のごはんにも食べさせるようにしています。
皮をむかずにそのままつかえる茄子は、忙しいときの調理も楽ですね。
抗酸化作用のある茄子の皮の栄養をまるごと活かせるように、美味しく調理したいと思いました。