犬にブロッコリーを与えてもOK!
ブロッコリーは人間にとっては良いものだから、もし犬にあげても良いのならぜひ取り入れたい野菜のひとつですが、基本的に 健康な犬であれば、ブロッコリーをあげても大丈夫な野菜です。
後ほど解説しますが、状況によってブロッコリーを与えては「ダメ」だという場合も少しだけあります。ですが、常識の範囲での量を与える分には問題は無く、むしろ栄養価も高いので上手に犬の手作りごはんにとりいれてみましょう。
犬にブロッコリーを食べさせる際の与え方
ブロッコリーは食物繊維が多く、生のままでは硬いため、犬の胃腸では消化が良いとは言えない野菜です。そのため、与える場合には「茹でる」、もしくは、「蒸してから」食べさせるようにしましょう。ただし、塩茹でする必要はありません。
もし茎(芯)も一緒に与える場合には、周りの硬い皮を厚めに剥いてあげると、柔らかく美味しく食べられます。ブロッコリーのつぼみも茎(芯)も、消化しやすく、のどに詰まらせることがないように小さくカットしてからあげてください。
また、消化能力が低下した老犬には、ミキサーにかけるなどしてあげた方が食べやすく、栄養も吸収しやすいかもしれません。
中には刻んでも消化不良で下痢をしたり、ブロッコリーが体質に合わない子もいるかもしれませんますので、初めて与える場合には、お腹の調子や便の状態などをチェックしてあげてください。
アレルギーに関しては、人間ではブロッコリーに対する食物アレルギーがあるようですが、犬ではブロッコリーに対するアレルギーの報告はないようです。
犬にブロッコリーを与えるときの分量の目安
ブロッコリーの適量は、犬の体格や運動量によっても違うので一概には言えません。しかし、ブロッコリーはご飯のメインではありませんから、おやつやドッグフードのトッピングとしてあげるなら1日の総カロリーの10%ほどまでを目安に与えましょう。おやつとして愛犬にブロッコリーをあげた日は、10%分のカロリーをメインのご飯から差し引いて、食べ過ぎにならないように注意してください。
また、後でも出てきますがブロッコリーにはスルフォラファンをはじめとしたイソチオシアネート類を含み、イソチオシアネートは抗酸化作用の他にも抗がん作用が認められているそうです。
非常に期待されている成分なのですが、胃腸への刺激作用もあり、大量に食べると胃腸炎を起こし嘔吐や下痢を起こすことがあるそうです。一日の食事量の25%ものブロッコリーを犬に与えると犬が中毒を起こす、と言う人もいるそうです。
ちなみに、ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトは、ブロッコリーの10倍以上ものスルフォラファンを含むそうですので、犬に与えるのは避けた方が良いと考えられます。
ブロッコリーの栄養素と犬への健康効果
1年中見かける野菜ではありますが、冬が旬なので、冬には美味しいブロッコリーがスーパーでも多く出回ります。ブロッコリーには、以下の「ビタミン」や「ミネラル」が含まれています。
【 ビタミン系 】
- ビタミンC
- βカロテン
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- 葉酸
【 ミネラル系 】
- カリウム
- 鉄分
- カルシウム
- マグネシウム
- リン
- 亜鉛
食物繊維も豊富なので、腸内をお掃除してくれる効果もあります。また、ブロッコリーには「スルフォラファン」という成分が含まれており、身体に対して解毒作用や抗酸化作用などの良い働きをしてくれるようです。適量であればブロッコリーに含まれる老化に対抗してくれる豊富なビタミンと合わせても、ガンなどの病気を予防してくれる効果が犬にも期待できそうです。
ただし、健康に良いからと言って何でも摂り過ぎはよくありません。スルフォラファンのようなイソチオシアネートは、先にも説明したように大量に摂取すると胃腸炎を起こすこともあります。
ただし、ビタミンBやCといった水溶性ビタミンは、長時間茹でると壊れやすいため、茹で時間を2~3分にしたり、蒸して加熱するのがおすすめです。適量であればとても良い食材なのです。ですが、ブロッコリーを与えても大丈夫か判断するには、愛犬の持病や体質のことも考えておかなければいけません。
犬にブロッコリーを与える際の注意点
与えすぎると犬の甲状腺に悪影響を及ぼしたり、体質によっては尿路結石症のリスクを上げてしまう可能性があります。どんな犬にとっていけないのかも確認しておきましょう。
甲状腺機能低下症の場合
アブラナ科の野菜には「グルコシノレート」や「イソチアシアネート」という物質が含まれています。グルコシノレートは体内で代謝されるとイソチアシアネートに変わります。イソチオシアネートは「ゴイトロゲン」としての作用を持つそうです。
「ゴイトロゲン」は、甲状腺がヨウ素を取り込む働きを阻害する作用があります。ヨウ素が足りないと甲状腺ホルモンを生成できなくなるので、甲状腺の機能が低下してしまう可能性があると言われています。
しかし、健康なペットであれば、常識の範囲を超えたものすごく大量を生のまま食べた場合でないと、そのような害は出ないので安心してください。ですが、甲状腺機能低下症を持つ場合にはブロッコリーは避けた方が無難です。甲状腺ホルモンを補う治療の妨げとなる可能性があるからです。
甲状腺機能が低下しているかどうかは血液検査などでわかります。シニアに多い症状としては、
- なんとなく元気がない
- 太ってきた
- 毛が抜ける
- フケが増えた
- 筋肉が落ちてきた
などの症状が見られます。もし疑問に思ったら定期検査の時などにでも、獣医さんに聞いてみると良いかもしれません。
尿路結石症の場合
ブロッコリーには「シュウ酸」が多く含まれており、これは尿の中でカルシウムと結びついて「尿路結石」になる原因の一つとされています。
シュウ酸結石が出来てしまうかどうかは、遺伝的な体質が関与している場合もあり、シュウ酸の多い食べ物を食べると必ず結石が作られるわけではありません。しかし、体質的に結石が作られやすいペットがいるのも事実です。尿路結石症を発症したことがあるペットでは避けた方が良い食材です。
特に、尿路結石の再発を防ぐ療法食を食べているのであれば、きちんとかかりつけの獣医さんに確認してから与えましょう。ただし、シュウ酸は茹でた後に水にさらしたりすればかなり減らすことが出来るようです。尿路結石になったことがない健康なペットに与えるときには、そうやって調理するとより安全に与えられるでしょう。
ブロッコリーを使った犬用手作りご飯のおすすめレシピ
そのまま食べてもらうのも良いですが、ちょっとしたごほうびに使えるごちそうレシピもぜひ活用してみてください。
かぼちゃとブロッコリーたっぷりごまミートローフ
ブロッコリーにかぼちゃ、にんじんなど緑黄色野菜がたっぷりのミートローフ。免疫力アップにもつながるため、シニアにもおすすめです。
鶏肉とブロッコリー入り卵寒天
お肉に加えてきのこや削り節のうまみがあふれたご飯レシピです。タンパク質がたっぷりなので、運動大好きなパワーあふれるペットにも良いですね。
まとめ
栄養価が高い食材は、ペットにとっても良い効果をもたらしてくれる可能性があるようです。しかし、大量に食べる事で甲状腺にとっては良くない場合があり、またあまりにも大量に食べてしまうと健康に良い働きがあるはずの物質を摂り過ぎてしまって、逆に胃腸に刺激を与えてしまう場合もあるようです。
栄養価の高い食材も範囲内で与える事が重要です。甲状腺機能低下症の悪いあるペットには与えるのは止めておきましょう。嘔吐や下痢をしてしまうことがある場合にも与えないでおきましょう。
人間の場合でもそうですが、これが良いといって1種類の物を食べれば、どんな食べ物でも害になる可能性はあります。健康的な意味で考えると、栄養素をバランスよく与え、色々な食べ物から栄養を摂取することが望ましいのではないでしょうか。
手作りのご飯をあげていらっしゃる飼い主さんも、いろいろな野菜から少しずつ栄養を取れるよう、出来るだけバランスの取れたご飯を考えてあげて下さい。