「しばけん」と「しばいぬ」どっちが正しい読み方?
日本犬としても根強い人気を持っている柴犬。
私は今までずっと『しばけん』と読んでいましたが、『しばいぬ』と読む人もいますよね。
みなさんはどちらで読みますか?
警察犬はケイサツケンと読みますし…、そもそも、なぜ犬種の名前に読み方が二通りあるのでしょうか?
漢字は同じなのに人によって読み方が違うのはなぜなのか、本当の読み方はどちらが正しいのか調べてみました。
「しばけん」ではなく「しばいぬ」が正式名
柴犬は、1936年に日本の天然記念物に指定され、その時に登録された名前が『しばいぬ』でした。
柴犬以外にも同じ日本犬である秋田犬や紀州犬も○○ケンと読まれがちですが、いずれも正式な呼び名は○○イヌで、英語表記でも○○inuと表記するそうです。
また、ジャパンケンネルクラブや国際畜犬連盟では「柴」とだけ登録されており、「犬」は入っていないんだそうです。「柴」には「小さなもの」「小さな犬」という意味があります。
柴犬の読み方で「しばけん」と「しばいぬ」が生まれた理由
犬の読み方がイヌからケンに変わった事例
6種類の日本犬に関することを調査・研究を行っている「日本犬保存会」。じつは昔は「日本イヌ保存会」だったことをご存知ですか?
では、なぜ途中から呼び名が変わったのでしょうか。
これは日本人が○○イヌではなく○○ケンと読むことが増えたため、保存会の名称も「日本犬(ケン)保存会」へ改正に至ったとされています。
事実、NHK放送文化研究所が行った調査では○○犬のことを『○○ケン』と読む人が半数以上を占めたという結果が報告されています。
日本語の「音読み・訓読み」が関係している
日本では漢字を組み合わせる時、音読み+音読みもしくは訓読み+訓読みで発音するというルーツがあるそうです。
最初の文字【音読み】→次の文字【音読み】
最初の文字【訓読み】→次の文字【訓読み】
これを柴犬であてはめてみると…
訓読み 訓読み
最初の文字【柴(しば)】→【犬(いぬ)】
ルーツから言うと、「しばいぬ」となりますよね?
「柴=しば」も「犬=いぬ」もどちらも漢字を訓読みしているため、本来であればその読み方が一般的でありスムーズだとされています。ちなみに四国犬と甲斐犬は○○ケンと読まれています。こちらは「犬」の前についている漢字が音読みのため、犬も訓読みで「ケン」と呼んだと考えられます。
ではなぜ、本来の「しばいぬ」ではなく「しばけん」と読む人が多いのでしょうか。
呼びやすさが関係している
日本犬保存会では多くの人が○○ケンと読む理由は、その方が語呂が良かったり、読みやすかったりするためではないかといわれているそうですが、明確な理由はわかっていません。日本語は漢字の読み方や言葉そのものの意味が時代とともに変化していくということも少なくないため、柴犬の読み方が変わったこともさほど珍しいことではありません。
確かに、犬種以外でも盲導犬や救助犬などの作業犬のことも○○ケンと読みますよね。
こうした背景があり、徐々に日本中に「犬」を「ケン」と読むことが広まったのではないでしょうか。
また、多くの柴犬保存会がありますが、厳密な読み方は明記されていません。
詳しい人ほど柴犬を「しばいぬ」と読んでいる?
柴犬を飼っていて柴犬のことが大好きな人や、犬に関わる仕事をしている人、伝統や文法に厳しい人は比較的『しばいぬ』と読むことが多いように感じます。または『しば』とだけいう人もいます。
一方、犬種として柴犬を知っているぐらいの人の場合『しばけん』と読む傾向にあるのではないかと思います。
そもそも柴犬ってどんな犬種?
日本犬の中でもダントツといっても良い程の人気を誇っている犬種です。
若い人から高齢者まで、世代を問わず飼われているイメージがありまよね。柴犬の写真集や人気ブログも数多くあり、キャラクターやグッズのモチーフになることもあり、さらに海外でも高い人気を誇っています。
昔は猟犬
そんな柴犬ですが、昔は山岳地帯を中心にウサギや野鳥を捕まえる猟犬として飼われていました。
山の上で育った為、日本犬の中でも特に寒さや粗食に強く、その影響で他の日本犬よりも小型化したといわれることがあります。
初心者でも飼いやすい
また、縄文時代から人間と共に生活していた為、日本の四季にも柔軟に適応する体を持っており、健康面でも丈夫で純血種特有の病気も特に見られない犬種です。
また、上述の背景に加えてその我慢強さや賢さ、家族に対する愛情深さからも一般的に柴犬が飼いやすいと言われています。ただし、予測不能な動きを見せる子供や、相性の合わない犬などに対しては強い攻撃性を見せる柴犬もいるので小さなうちからきちんと社会化やしつけをしておくことが大切です。
2種類の顔
柴犬には縄文柴と言われているキツネ顔の柴と、現代っ子と言われているタヌキ顔の柴の2種類がいます。
キツネ顔の縄文柴はスラッとした体型をしているのに対し、タヌキ顔の柴は全体的に筋肉質でがっしりとして体型をしています。
確かに、散歩をしているとシュッとした顔の柴もいれば丸っこい顔の柴もいますよね。
また、信州柴だとキツネ顔、美濃柴だとタヌキ顔のように同じ柴犬でも地方によって名前や顔つきに違いがあるそうです。
柴犬の読み方に関するまとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は知ってそうで知らなかった柴犬の読み方についてご紹介しました。日本犬種の中でも特に人気が高く、飼育数も多い柴犬。とても身近な存在でありながらも呼び方やその背景にまで思いを巡らせる機会はあまりないのではないでしょうか。
私自身も他の人が『しばいぬ』と読んでいても、なぜ『しばいぬ』って読むのかな?ぐらいしか思っていなかったので、詳しく調べてみることで柴犬を中心とする日本犬ならではの奥深さを知ることが出来ました。
もちろん、どちらが絶対的な正解であるということではありませんし、読み方は人それぞれなので気にし過ぎることはないと思います。
しかし、こういった背景があったということは犬好きの皆さんにも知っておいてほしいと感じました。
ユーザーのコメント
女性 雀3号
昔は日本犬保存会が日本イヌ保存会だったのは初めて知った事実でした!これを覚えておけば、日本犬はほぼ「いぬ」呼びで正解なのだと記憶できます。
言葉を発する時、しばいぬだと横、縦、横、縦と順番に開かなくてはなりませんが、しばけんだと横、縦、縦(ほぼ動かさない)、横で口の動きがスムーズなので、呼びやすくなったのかもしれませんね。
濁点の部分でもこだわりを持つ人はいますね。いばら「き」県ですがいばら「ぎ」県と言われると少々ムッとしてしまいます。通な人ほど正しい方で呼ぶという気持ちは理解できます。
女性 ポムポム
40代 女性 いんこ
普段「しば」と言うことが多いですが、これは略称というわけでもなくてJKCでは「しば」が正式名称とは驚きです。
犬の犬種名は、略称で呼ばれるものがたまにあるので、そういったものかと思っていました。
ヨークシャーテリアをヨーキー、トイプードルをトイプー、ミニチュアピンシャーをミニピンなど。飼っている人や知っている人にしか通じないでしょうが、「しば」が略称だとてっきり思っていました。
でも、柴犬が「しば」だから、秋田犬は「あきた」なのかしら、と調べたら、やっぱり「あきた」でした。同じように、甲斐、紀州、四国、北海道、なんだかかっこいいですね。
20代 女性 ゆき
40代 女性 まる
女性 シナモン