犬におけるビタミンCの役割
人間でも、肌の調子を整えたり風邪の対策に良いとされるビタミンCは誰もが知っている大切なビタミンの一つだと思います。犬でも同様に、ビタミンCは犬の体内で様々な機能を果たしています。
コラーゲン合成、免疫機能に関与する白血球作用の強化、腸内での鉄とカルシウム吸収促進、外傷の治癒促進、血管壁を正常に保つなど多方面な効果を体内で担っています。
犬の体内で合成できるビタミンCの量
犬はビタミンCを合成できると言われていますが、合成にも限度があります。ビタミンCは肝臓で合成され、蓄積も同様に肝臓で行われています。
肝臓でのビタミンC合成能力の最大値は1日で60mgと言われており、それは体重に比例して合成量も増えるわけではなく、すなわち犬の体格に関わらず合成能力は決まっていますので、大型犬の場合は特に、ビタミンC不足に注意が必要かもしれません。
犬のビタミンCの必要量
様々な機能を持つビタミンCですが、必要量は小型犬から大型犬で違いが出ます。また、幼犬、老犬、妊娠犬、授乳中の犬など犬の状態によっても必要量に変化があります。
これは、合成能力の低下も影響しています。
肝臓でビタミンCが合成されるため、薬を服用している犬の場合も気をつけてください。薬の代謝も肝臓で行われることが多いため、ビタミンCの合成能力が薬により低下してしまいます。
例えば、てんかん予防薬のフェノバルビタールは肝臓で多く代謝されるため、このような薬を服用している犬はビタミンC合成能力が低くなる可能性もありますので気をつけてください。
一般的に、必要なビタミンCの量は小型犬500mg、中型犬で2000mg、大型犬で3000mgと言われています。
ただ、合成能力に個体差がありますし消費にも個体差があります。
例えば、運動が大好きで長距離の散歩をする犬やボール遊びなど普段から活発に動く犬の場合必要なビタミンC量ももちろん増えます。
一般的に、活動的な犬は上記の必要量の1.5から2倍ものビタミンCが必要です。セントバーナードやグレートデーンなどの超大型犬の場合は7500mgものビタミンCを必要とする報告があります。
1日の最大合成量を考えると、ビタミンCは体内合成分のみでは足りない計算になります。
犬のビタミンCが不足したときに起こる症状
病気、老齢、ストレスは特にビタミンC合成能力低下に影響を与えます。ストレスが生じた場合、抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンが分泌され、血圧低下、血糖増加によりエネルギー供給体制を調節してストレスに打ち勝ちます。
ストレスに対処する反応で、ビタミンCが必要なためビタミンC不足はストレスによる抵抗も下げてしまいます。この結果、易感染性になってしまったり病気の進行が早まってしまったりと体に症状が現れます。
ビタミンC不足により様々な病気の誘発要因となります。運動器では股関節、椎間板などの骨、関節、軟骨の病気が引き起こりやすくなりますが、これは、ビタミンCが骨形成、コラーゲン生成に重要な役割を担うためです。
免疫系ではアレルギー、アトピーが皮膚トラブルとして現れる傾向があります。
症状として現れないと気がつかない病気が多いですが、予防するということも含めて日頃からビタミンCを多く含む食材を与えたり、時にはサプリメントを投与するなど対策を行いましょう。
総合栄養食であるドッグフードには1日に必要なビタミンやミネラルが含まれています。体重に見合った量をしっかり食べている場合は極端に不足することはないと思われますが、食欲不振や偏食のある犬の場合は不足してしまう可能性があるのでサプリメントを考慮したほうがよいでしょう。
ビタミンCで犬のがんを治療できる?
癌を患っている犬は、ビタミンCが抗がん剤になることが知られています。
血管から高濃度のビタミンCを投与すると、がん細胞にビタミンCが働きかけ、癌の進行を遅延させる効果があるとして、この治療は注目されています。
ビタミンCは血管内でカタラーゼという酵素により水と酸素になりますが、ビタミンCは血管の外に出ると過酸化水素の状態でいます。
癌細胞はカタラーゼという物質がないため、過酸化水素の中和ができません。正常細胞ではカタラーゼにより過酸化水素が中和されます。癌細胞が過酸化水素中和能力をもたないことを生かして、ビタミンCを抗がん剤として用いるという原理です。
抗がん剤など副作用を懸念する治療法に比べると、ビタミンC投与による治療法は安全性が高く注目の癌治療方法のうち1つです。
ビタミンC療法で癌と向き合いたい方は、獣医師に相談してください。最近では、腫瘍専門の獣医師もいるのでより詳しい治療方法を知りたい方は腫瘍専門の獣医師に問い合わせてみると良いかもしれません。
まとめ
人間でも風邪の対策や肌の調子を整えると言われているビタミンCは犬でも大切なビタミンの一つです。体内で合成できるとはいえ、1日の最大合成量にも限界があります。日頃から、ビタミンCを多く含む果物や野菜、時にはサプリメントなど日々の健康を維持するためにビタミンCを与えることは良いことです。また、良質なドッグフードをしっかり与えることも大切です。
特に、老齢犬や病気をしている犬、妊娠犬や子犬などどの犬にとってもビタミンCは重要なビタミンの一つです。
最近は副作用が少ないというメリットから、抗がん剤としての治療法にビタミンC治療法というものもあります。犬とビタミンCの関係について詳しく知りたい方は、ペット栄養士や獣医師に相談することをおすすめします。
ユーザーのコメント
女性 めだか
結構油断していたのですが、犬にとってビタミンCってこんなに大事だったんですね。摂取させるメリットが多いので、今後はドックフードだけでなく、愛犬の健康をしっかり考え、サプリメントなども試してみたいなと思うことができました。
40代 女性 TIKI
女性 こみゃこ
40代 女性 mappy
特にストレスがかかった時、ドッグスポーツをした時、長いお散歩や旅行で外に出ていた時など、ビタミンCの必要量は増えますので、その日の食事はもちろんですが、水溶性のビタミンをうまく摂れるようにおやつも工夫して作ってあげたいと思いました。
30代 女性 patata
ですが、突然、体をかゆがりだして、体からくさい臭い、そのせいか元気がなくなり慌てて動物病院に連れて行きました。そしたら「アトピー性の皮膚炎」って診断されてしまい。病気のことをネットで調べてストレスだったり、食生活の問題などの原因が書かれていました。
食生活は、人間だけじゃなく、犬にとっても大切なんですね。私たち人間は自分で食生活を改善できますが、ワンコさんたちは自分で食生活を改善することができません。特にビタミン不足は問題です。私たちもストレスなどが原因でビタミン不足で風邪や肌荒れになったりしますよね?ワンコも一緒なんですね。
家で注意していること。家では、アトピー改善のために野菜を茹でた物をドックフードに混ぜて与えたり、おやつに果物を与えたりしています。わんこご飯をいえで作ったりして、栄養素に気を付けてご飯を与えているつもりですが、ビタミンは摂取しにくいのでビタミン剤を与えてりしています。
ビタミンCを摂取するには、運動も必要なんですね。ビタミンには、日光浴が必要です。日光の下で運動して、ビタミンを体内で作れるようにしてあげましょう。この記事を読んでビタミンCの必要性を改めて考えることができました。何よりびっくりしたのがビタミンCががん治療にも使われているということです。愛犬といつまでも健康で暮らしていくためにも、ビタミンCを多く取れるように食生活を見直したいと思いました。
女性 まかろに
そしてそして、我が家の愛犬はフェノバールを飲んでいるんですよね・・脳腫瘍があるわんちゃんにとって、てんかん薬はかかせませんからね。
そして日々飲んでいるお薬も多いので愛犬は肝臓の数値が高いんですよね。なのでビタミンCはほとんど作られてないんじゃないかなとこの記事を見て思いました。
現在は食べムラもあり、きっちりご飯を食べてるとは言いづらく食べれるものをあげてなるべく体重をキープすることが一番と考えてますから、、栄養面の偏りも心配の1つでした。
脳腫瘍もある意味あるガンに近いのでビタミンCを摂取するのは効果があるかもしれません。
食事やサプリメントなどで工夫して愛犬にとってもらおうと思いました。
癌になると抗がん剤や放射線や外科手術ぐらいしか治療法を知らなかったですがビタミンC療法といったものがあるんですね。
幹細胞の再生医療や、ビタミンC療法など、副作用が少ない治療法は、手術が出来ないわんちゃんや手術に悩む飼い主さんにとっても試す価値がありますし、希望にもなるかもしれませんね。
負担が少ない点や治療に選択肢が増えるのでもっと広まって欲しいなぁと思いました。
ビタミンCは動物にとってかかせない栄養素の1つですが、どういった働きをし、体内でどのくらい作られるかなど始めて知ることも多くとっても参考になりました。
健康なわんちゃんもですが、シニアや病気のわんちゃんこそ積極的にとってあげたいですね。
20代 女性 ゆず
ビタミンCを与えるべきなのか、与えるべきならどのくらいの量が適切か自分で判断が難しい場合は動物病院の先生に相談してから決めましょう。