なぜ食事の時に近づくと唸るの?
あなたの愛犬は食事中に唸りますか?
普段の日常の光景だから、あまり気にしていない方もいると思います。もし気になるようであれば、きっとかなり唸っている状態だと思います。
なぜ、犬は食事中に唸るのでしょうか。
その理由は大きく分けて2つあります。
①嬉しくて興奮している
②守り行動の1つ
では、それぞれどのように見分ければ良いのでしょうか。
嬉しくて唸る
ご飯が大好きな子は、嬉しくて興奮のあまり唸りながら食べることがあります。
ただ声が出ているだけで、人が近づいたりしても威嚇したりしません。唸っている時も、鼻に皺が寄るような唸り方ではありません。
守り行動
簡単に言うと、ご飯を取られまいとして唸って威嚇している状態です。
エスカレートすると噛む行動も表れたりします。所有物を守っているため攻撃的になります。
普段は穏やかな子でも、資源(食べ物、おもちゃ、ベッドなど)が絡むと豹変したように攻撃的になる子も多いです。
特にフードを取ろうとして手を出さなくても、食べている最中に近付いたり、食器があるだけで守り行動が出る場合があります。
この時の唸りは、鼻に皺を寄せるような唸り方をします。
まずはなぜ唸るのか原因を探ってみましょう。
頻度はどれくらいか?いつ唸るのか?唸るパターンは同じか?よく観察をしてみましょう。
しつけで直した方が良い?
なぜ唸るのか、どちらのパターンか分かってきましたか?
この食事中の唸りはしつけをした方が良いのでしょうか?それぞれのパターンで考えてみましょう。
興奮の唸りは直した方が良い?
私自身は「絶対に直した方が良い」とは考えていません。
もちろん、唸らないに越したことはありませんが、特に重大なことではないと思っています。
犬自身も意図して唸っている訳ではないので、しつけで直すこと自体が難しいです。
しかし、興奮のあまりがっついて食べたりしているのであれば、消化するときに負担が掛かるので工夫してあげることは大切です。
早食い防止の工夫
普通の食器で与えるよりも、早食い防止用の食器を使ったり、知育玩具を利用してフードを与えると良いでしょう。
守り行動の唸りは直した方が良い?
これは直した方が良いです!もっと言えば、「直せる段階にいるなら直した方が良い」の方が正しいかもしれません。
唸りだけの段階なら、まだ改善の余地はあると思います。
ひどくなると、唸り→噛みつき・威嚇のレベルに上がる可能性は十分にあります。
そして、これは成犬になり守り行動が習慣化している犬は直すことはかなり難しいのです。
逆に言えば、守り行動が出る前に予防のためのしつけをすることが大切になります。
以下では、しつけトレーニングの一例をご紹介しますので、順番に試してみてください。
食器を手に持って与える
始めから守る対象のものに近づいている状態で始めてみます。
いつも使っている食器を、フードが入った状態で手で持ったまま与えてみてください。
1食分全て入れずに、少量ずつ小分けにして与えましょう。食べたらそのまま手を引いて食器を遠ざけ、おかわりを入れてまた手で持ったまま与えます。
この時、守り行動が重度で、食器を引いた手に噛みついてくるような子であれば、リードで繋ぎ安全な距離を作ることも必要です。
おかわりを入れる
普段通り、食器を下に置いてフードを与えます。上記と同じように1食分全て入れずに小分けにして与えます。1回食べる毎に食器を取り上げ、おかわりとして再度残りのフードからおかわりを入れます。1食分食べきるまで繰り返します。
食器を置いたままおかわりをを入れる
上記のように食器を置いたままフードを与えます。食べきったら食器は置いたまま、そこにおかわりを入れます。唸るようなら、フードではなくおやつなど少し美味しいものを入れても良いでしょう。
食べている最中にデザートを入れる
食べている最中に手を近づけて、美味しいおやつを入れます。近づいてくる手は、大切なものを取り上げるものではなく、美味しいものをくれるものだと印象付けます。
この行程はまだ守り行動の出ていない、子犬の時期からやると良いでしょう。
近くを通るときにおやつを与える
わざと食べている最中に近づきます。最初は通りすぎるくらいが良いでしょう。その際に、おやつを投げ入れます。サークルの中で食べているのであれば、サークル内に投げ入れます。人が近くにくることに良い印象を付けます。
これらはほんの一部のトレーニング方法です。
重度の場合は、トレーナーなどに実際に犬を見てもらった上でトレーニングに臨むことをおすすめします。
これらのトレーニングはリスクが高いことを忘れないで下さい。自分自身が怪我をしないように、まずは安全第一で取り組みましょう。また、犬自身にもストレスが掛かることも忘れないで下さいね。
まとめ
噛むなどの行動が出ている子に対しては、まずは飼い主さん自身が噛まれないように安全対策をすることが大切です。
ご飯のときはサークルに入れたり、あえて食器を使わずにフードをバラまいて与えるなども時には必要です。参考にして下さい。
※今回紹介したトレーニング方法を行う際は安全に十分に注意して、自己責任でお願いします。
ユーザーのコメント
40代 女性 匿名
食事中に近づいたりお皿に手を入れたら怒るワンちゃんの話はよく耳にします。
家族になって日が浅い子犬や保護犬に多いと言われています。
守り行動によって威嚇している場合、記事にあるように人間が近づいてくるとおかわりが貰えたりおやつが出てきたり、良いことがあると認識付けをしていくことも1つの方法だと思います。
ただ、もし私が犬の立場だったら、、この認識付けが出来るまでの数日又は数週間、常に人の行動に神経を尖らし、認識付けが出来たとしても、人が近づいて来たらなにか貰えるのかも!と期待し、食事中にソワソワして落ち着かないかもしれません。
守り行動によって威嚇している子の心理状況を推察するに、人間が来たらご飯を取られる!守らなければ!と思っているのだと思います。であるならば、人間がそばを通っても、仮にお皿に手を入れられたとしても、絶対に取られることはない、人の動きを気にすることなく安心して食べても大丈夫なんだと思ってもらえることが一番の解決方法ではないかと思います。
人間だって、食べている時にそばに立たれたり、お皿に近づいて来られたりするのは良い気はしないでしょう。それが信頼していない間柄であれば尚更、不信感を持ってしまいます。
犬も同じではないでしょうか。基本的に、犬の食事中にお皿に手を入れる必要はないのでは?と思っています。
守り行動をとる犬にご飯を与える場合は、その子が安心して食べることが出来る環境を整えてあげることが重要です。
ゲージの中に入れ、その中に飼い主は絶対に手を入れない、又は、ご飯を食べる際は部屋を出ていくなど、まず、人に対する不信感を取り除いてもらうことが始めてみてはいかがでしょうか。
そして、食事後、空になったお皿はすぐに片付けず、しばらく置いて犬がお皿に執着しなくなったタイミングで片付けるようにします。
まず、そばにいられるのは気になる、嫌なんだという犬の意思表示を認めて、尊重することです。
犬のリーダーにならないといけない、犬と順位が逆転しないようしつけをしないといけないと良く言われますが、しつけをする前に、犬に信頼してもらうこと、これが最も重要ではないのかと思います。それがないと、仮にそのしつけが出来たとしても、不信感からまた次の問題行動を起こす可能性が高くなります。
保護犬などトラウマを抱えた子は特に、しつけをする前に信頼を得ることが先だと思います。
飼い主は食事を与えてくれる人であって、この人が自分のご飯を取り上げることはないんだと信頼してもらえれば、その人が側を通っても怒ることはなくなるため、しつける必要もありません。
我が家の愛犬も子犬の時は、出されたご飯を抱えるように急いで食べ、おやつも自分のベッドに持ち込んで隠れるように食べていました。
我が家では、犬に一度渡した物は、冗談であっても取り上げようとしたり、手を添えたことはありません。愛犬は9歳になりましたが、ご飯を食べる時はそばで見ていてほしい、おやつを食べるときも横にいて!と訴えてくるようになりました。
これはこれで大変な時もありますが、そばで食べたいと思う程、私達を信頼してくれてるんだなと思うと、たまらなく愛おしくなります。
10代 男性 匿名
それを直す意味がわからない
人間からみれば食事でも、犬からみれば金品と同じ
取られて怒らない人はいないでしょ