犬がしいたけを食べても大丈夫!
犬はしいたけを食べれるのか?答えは「食べても大丈夫」です。低カロリーで高栄養価なしいたけは、人間同様に犬にとっても積極的に摂取したい食べ物と言えます。
近年では、しいたけを始めとしたアガリクス、まいたけなどの栄養価の高さに注目が集まっており、なかでも「シイタケ菌糸体」には、生しいたけの約1500倍もの栄養素が含まれており、がん予防効果も期待されています。
このように、しいたけは犬も食べることができる食材であり、しいたけによる中毒症状などは報告されていません。しかし、しいたけの与え方によっては健康に害をきたす可能性もありますので、犬にしいたけを与える時はその与え方や量などに注意しましょう。
世界ではじめてしいたけ栽培を可能にした国、ニッポン
余談になりますが、しいたけの歴史について少しご紹介したいと思います。日本の歴史の中で、しいたけ(干し椎茸)が登場するのは9世紀頃といわれ、料理書に掲載されたのは16世紀頃、更に人々が食す機会が増えたのは江戸時代であったと記録されています。
現在では、手に入りやすい身近な食材であるしいたけですが、当時の干し椎茸は高級食材とされており、一般庶民は特別な日に食べるのが精一杯だったと言います。というのも、しいたけの栽培自体が非常に難しく、その実態は「運を天にまかせる」ものであったのです。
現在のように安定した栽培が行えるようになったのは、なんと、1942年のこと。群馬県桐生市において、森喜作氏が、ある時出会ったしいたけ農家の窮状や、博打のような栽培方法に感化され、全財産をつぎ込み研究した結果、種ゴマを使った人工栽培を確立されたいう逸話が有名です。
しいたけの主な栄養素や犬に与えることのメリット
エリタデニン
しいたけには、エリタデニンという成分が含まれています。これは、キノコ類の中でもしいたけとマッシュルームにしか含まれない成分であり、コレステロールの分解代謝や排出を促進、肝臓で作られるコレステロールの量を正常にコントロールすることで、血液をサラサラにし、動脈硬化や高血圧の予防に役立つ効能が認められています。
食物繊維
しいたけは、他のキノコ類と同様に、便秘解消や腸内環境を整えるのに欠かせない「食物繊維」が豊富な食材です。食物繊維は、コレステロールなどの不要なものを吸着して、体外へ排出する一方で、腸の中で有用な細菌を増やす効果を持つため、便秘解消や腸内環境改善に役立ちます。
β-グルカン
しいたけなどのキノコ類が、ガンの予防や治療に役立つといわれているのは、このβ-グルカンという多糖類の存在ゆえです。
β-グルカンは、免疫力を高める効果があり、抗がん免疫療法剤「レンチナン」の有効成分もしいたけに含まれるベータ(β)グルカンです。また、β-グルカンはガンだけではなく、花粉症やアトピーといったアレルギー症状の改善や風邪の予防にも有効です。
ビタミンD
しいたけには、日光にあたるとビタミンDへと変化するエルゴステロールという成分が含まれています。カルシウムと共に摂取することによって、丈夫な骨の構成に役立ちます。
このように、しいたけには様々な栄養が豊富に含まれているため、腎不全などの腎臓病や糖尿病を患う愛犬のために手作りごはんに用いる飼い主さんも多いようです。しいたけは、スーパーなどで手に入りやすい食材でもありますので、上手く利用して愛犬の健康に役立てましょう。
犬に与えても大丈夫なしいたけの量
犬にしいたけを与える時の目安量については、少量を主食にトッピングする程度にしておきましょう。しいたけには食物繊維が豊富に含まれているため、大量に摂取すると消化不良を引き起こす可能性があります。愛犬の体質や体の大きさによって適量は異なるため、様子を見ながら量を調節しましょう。
また、しいたけが優秀な食材であるとはいえ、犬の主食にすることはできませんので、あくまでも栄養補助として取り入れ、主食に影響がないように注意してください。
犬にしいたけを食べさせる時の与え方
犬にしいたけを食べさせる時の与え方について、まずは必ず加熱して与えるようにしましょう。食物繊維が豊富なしいたけを生のまま与えると、消化不良の原因となります。
焼く、蒸す、煮る、茹でるなどしいたけの調理方法は様々ですが、出汁に溶け出る栄養素もあるため、スープとしてフードにトッピングするのもおすすめです。
しいたけの傘の部分はもちろん、茎の部分も食べさせることはできますが、細かく刻むなど消化しやすいように工夫をしてください。
消化不良が心配な場合は、フードプロセッサーなどで粉末状にするのもいいかもしれません。また、生しいたけよりも栄養価が高いとされている乾燥しいたけ、干ししいたけなども犬に食べさせることができます。
ただし、必ず柔らかく戻してから与えるようにしてください。乾燥シイタケや干ししいたけの戻し汁には栄養や旨味がたっぷり含まれているため、戻し汁を愛犬のフードにトッピングに利用する飼い主さんも多いようです。夏場の水分補給にも役立てることができそうですね。
犬にしいたけを与える時の注意点
アレルギー
しいたけを始めとするキノコ類そのものは、犬にとって害のない食材です。しかし、人間同様に犬にも食べ物アレルギーの存在があるため、初めてしいたけを与える時は、少量ずつ様子を見ながら与えるようにしましょう。
子犬と高齢犬には与えない
子犬や高齢犬、胃腸の弱い犬などにはしいたけを無理に与える必要はありません。どうしてもしいたけを食べさせたい時は、ごく少量ずつ様子を見ながら与えるようにし、吐く、下痢をするなどの症状が現れた場合は即中止しましょう。
調理方法に気をつける
しいたけは、油を吸収しやすい性質を持ちます。そのため、犬にしいたけを与える時の調理方法には注意しなければなりません。しいたけを油で炒める場合は油の量をごく少量にするか、トースターで空焼きするなどの方法を選ぶなど工夫をしましょう。
しいたけそのものは犬が食べてはダメな食材ではありませんので、中毒などの心配はありません。しかし、愛犬の体質と相性が悪かったり、与え方に問題があったりすると、かえって健康に害をきたす可能性もありますので、注意してください。
しいたけを使った犬用手作りごはんのレシピ
レンジで簡単☆ワンちゃんミートローフ
しいたけなどの野菜と、ひき肉を使ったミートローフのレシピです。見た目もオシャレなので、お祝いやご褒美にも良さそうですね!調理方法もとても簡単なので、是非挑戦してみてください♪
そら豆としらすの冷製スープ
しいたけの粉末を利用した冷製スープレシピ。食欲が低下しがちな夏場には、栄養だけでなく水分も補給できるので非常におすすめですよ~!
しいたけを使用した犬用手作りごはんのレシピには、しいたけそのものを使用しているものもあれば、しいたけの粉末を味付け代わりにしているものまで非常に様々です。調理方法についても、簡単なレシピも豊富なため、是非挑戦してみてくださいね。
しいたけ以外の犬に食べさせたい食材
野菜
犬に食べさせたい野菜は、しいたけ以外にもたくさんあります。水分補給にも役立つ白菜や、血液をサラサラにする効果がある大根、抗酸化作用を持つβカロテンを豊富に含むにんじん、食物繊維が豊富なキャベツやごぼうなど、挙げればキリがありません。
意外なところでピーマンを好んで食べる犬も少なくないようです。いずれにしても、過剰摂取には注意しながらバランス良く愛犬の食事に取り入れましょう。
その他のきのこ類
しいたけ以外の、えのきや舞茸、エリンギ、しめじなどのきのこ類も犬に食べさせることができる食材です。それぞれ与え方に注意点はありますが、加熱することと細かく刻むことをしっかり覚えておくといいですね。いずれも、過剰摂取には注意しましょう。
海藻類
わかめやこんぶ、めかぶなどの海藻類も犬の健康に役立てることができる食材です。これらには、アルギン酸と呼ばれる粘着質多糖類が豊富に含まれているため、しいたけと同様に高ガン作用や免疫力の向上効果が期待されています。
上記の他にも、豆腐やこんにゃく などの低カロリー食材を愛犬のダイエットに利用することもできます。人間用の食材と、主食となるドッグフードのバランスをしっかりと考慮しながら、愛犬の体質にあった食生活で健康をサポートしていきましょう。
まとめ
犬にしいたけを食べさせる時の与え方や注意点についてご紹介しました。キノコ類は味、香りともに、独特の個性があります。好き嫌いが比較的少ない我が家の愛犬も、キノコ類は手渡しでは絶対に食べません。エサ皿に他の食材と混ざっていたら黙って食べてくれるというレベルです。
嗜好性が強かったり、食べ物として認められない!と感じる愛犬によっては、しいたけを食べてくれない可能性もあります。食餌は飼い主と愛犬、ともに楽しめて、コミュニケーションを育む大切な時間でもありますから、どんなに「しいたけ」が身体にいい食材だからといって、無理強いは禁物と考えます。
ごく少量をわからないように混ぜる、調理方法を変える、しいたけ以外のキノコ類を試すなどしてもダメだったら、その時は仕方ない!それぐらいの気楽な気持ちで、愛犬との「しいたけ生活」をはじめてみてくださいね。
ユーザーのコメント
20代 女性 らむれーずん
しいたけ美味しいですよね〜!
わんちゃんのご飯のレトルトフードなんかにも使われているしいたけ(きのこ)ですが、栄養がたっぷりなんですよね♪
しいたけ栽培を可能にしたのが日本が初なのは知らなかったです。いまでは安定して栽培されているしいたけですが、昔は高級食材だったわけですね。栽培が出来ない点で松茸も高級食材なので、同じような感覚だったんでしょうね。
いつか松茸が栽培出来る日がきたら、こんなに高級食材だったなんて!と思われる日が来るのでしょうか。
しいたけは栄養面などから与えたい食材のひとつですが、きのこ類は消化が悪いのが難点なんですよね。わんちゃんによってはそのまま消化されずに出てきてしまったり、少なくないかなと思います。
細かく切ったり、ペースト状にすると合わない子以外は大丈夫かな?と思いますが。
我が家では細かく切るかペーストにしていますが、干し椎茸を粉末状にするのも使い勝手が良さそうですね!しいたけの出汁にも栄養は溶け出していますので、出汁のみをあげると言うのも良いと思います。ドライフードにかけてあげたり、出汁を使って細かく切ったお肉やお野菜を煮た具沢山スープなんかは美味しそうですよね。
大きさや年齢や噛んで食べる、食べないなど腸の強さなんかで与え方を変えてあげると良いと思います。
しいたけ以外にも、エリンギやエノキや舞茸やキクラゲなど、わんちゃんが食べても良いキノコはありますので、組み合わせながら作ってあげるとレパートリーも増えるのでおススメです。
必ず火を通す、細かくきざむ、身体に良いからとたくさん与えず、合わなければ無理に与えなくてよい点など気をつければ、わんちゃんにとっておすすめしたい食材です。
女性 エアマックス
ワンコにはしいたけはまだ食べさせた事がないので、もし与えるとしたら初めは熱をしっかりと通して、細かく刻んでから食べさせてみようかなと思っています。
しいたけ以外の食材でも、ワンコが食べれるものを少しずつ発見するのはとても良い事だと感じます。
与え過ぎない様に気をつけていれば、万が一ドッグフードが手元にない様な緊急事態←あまりないとは思いますが 、人間の食事の中で与えても大丈夫なものがわかっていれば、安心ですよね。
我が家では基本ドッグフードを食べてもらっていますが、家族の食卓には参加させています。
ほんの少しずつですがお米や納豆、人参や大根、鶏の胸肉やササミなどです。
ワンコの身体に良さそうなおかずをついつい作ってしまうので、もっとバリエーションを広げていきたいです。
女性 もふころ
干ししいたけの煮汁もそのまま使えますし、煮汁で似たおかゆも喜んで食べてくれます。