犬にしいたけを与えることについて

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犬にしいたけを与えることについて

トースターで焼いて、ポン酢やマヨネーズをつけても美味しいし、煮物に入れても美味しい。そして、出汁としても欠かせない・・日本人の食卓や味覚から切っても切れない「しいたけ」。この「しいたけ」の魅力を愛犬と一緒に楽しんでみませんか?

監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

しいたけは愛犬に与えたい優秀食材のひとつです。

椎茸

タマネギをはじめとするネギ類やチョコレート(カカオ)、コーヒーなど、人間が食べるものでも、犬には与えてはいけないものがたくさんありますし、与えてはいけない・・とまでは言わないけれど、無理に与える必要はないグレーゾーンの食材がたくさんある中、しいたけをはじめとするキノコ類は"積極的に与えたい"とされている食材です。

では、なぜ、犬に「しいたけ」なのでしょうか!?
しいたけの魅力や、しいたけの与え方のコツを紹介します。

しいたけについて

椎茸が原木から生えているところ

世界ではじめてしいたけ栽培を可能にした国、ニッポン。

日本の歴史の中でしいたけ(干し椎茸)が登場するのは9世紀頃といわれ、料理書に出たのは16世紀頃、更に食す機会が増えたのは江戸時代とされています。
当時、しいたけ(干し椎茸)は高級食材とされ、一般庶民は特別な日に食べるのが精一杯でした。というのも、しいたけの栽培自体がとても難しく、ほとんど「運を天にまかせる」ような状況だったのです。

現在のように安定栽培ができるようになったのは、なんと、昭和17年(1942年)のこと。
群馬県桐生市において、森喜作(もり・きさく)氏(現在では、森喜作博士と呼ばれています)が、裕福な家庭に生まれ、恵まれた生活を送っていた彼が、ある時に出会ったしいたけ農家の窮状や、博打のような栽培方法に感化され、ほとんど全財産をつぎ込み、研究した結果、種ゴマを使った人工栽培を確立されたいう逸話が有名です。

しいたけが安定的に取れるようになれば、干し椎茸の生産量も増えるのは自然の成りゆきです。トリュフや松茸といった「高級」とは別のくくりで、旨みや栄養価に注目が集まり、国内外で愛されているキノコのひとつとなりました。

しいたけの栄養価

食物繊維が豊富

しいたけは、他のキノコ類と同様に、便秘解消や腸内環境を整えるのに欠かせない"食物繊維"が豊富です。食物繊維は、コレステロール等、不要なものを吸着して体外へ排出する一方で、腸の中で有用な細菌を増やしてくれます。

エリタデニン

あまり聞き覚えのない「エリタデニン」。これはキノコ類の中でもシイタケとマッシュルームにしか含まれない成分で、コレステロールの分解代謝や排出を促進したり肝臓で作られるコレステロールの量を正常にコントロールすることで、血液をサラサラにし、動脈硬化や高血圧の予防に役立つ効能が認められています。

β-グルカン

キノコ類がガンの予防や治療に役立つといわれているのは、キノコ類に含まれるβ-グルカンという多糖類の存在ゆえです。β-グルカンは免疫力を高める効果があり、抗がん免疫療法剤「レンチナン」の有効成分も、しいたけに含まれるベータ(β)グルカンです。
また、β-グルカンはガンだけではなく、花粉症やアトピーといったアレルギー症状の改善や風邪の予防にも有効です。

ビタミンDが豊富

椎茸料理例

骨を丈夫にするためには、カルシウムだけではなく、カルシウムの吸収をスムーズにするビタミンDを一緒に摂取することが重要です。しいたけは、ビタミンDやその前駆物質であるエルゴステロールが豊富に含まれていることが知られています。

愛犬へのしいたけの与え方

しいたけに限らず、キノコ類全般に共通していえることですが、犬はキノコ類の消化が得意な体質ではありません。犬よりも野菜やキノコ類の消化に長けた人間でも、しいたけを生のまま食さないように、犬に与える際には、火を通し、出来る限り細かく刻んであげましょう。最初はごく少量から慣らし、体調の異変がないことを確認することも忘れないようにしましょう。

生しいたけの利用方法

しいたけに含まれるビタミンDは油で調理(炒める)ことで、より吸収率が上がるとされていますが、愛犬に与える場合は、茹でる、トースターで空焼きする等、何らかの形で火を通し、細かく細かく刻んであげるだけで十分でしょう。油を使う場合は、しいたけは油を吸収しやすいですので、ごく少量にとどめましょう。

新鮮なしいたけの選び方

軸にハリがあるもの、カサが濡れていない乾いた感じのものを選ぶ様にします。

しいたけの保存

痛みが早いので、パックから出して新聞紙に包んで野菜室で保存するか、いしづきを取り使いやすいサイズにカットして冷凍保存します。冷凍保存したしいたけは解凍せずにそのまま調理に使うのがコツです。

干ししいたけの利用方法

干ししいたけは、生しいたけを天日や火力、機械で乾燥させたものです。乾燥することによって、保存性が高まること、味や栄養素が凝縮するとされていますが、栄養素(特にビタミンDや食物繊維)については、天日干しにされているかどうかも影響があるように思います。

愛犬に与える場合は、戻すだけではなく、生しいたけの時と同様に、ゆでるなり蒸すなり、何らかの方法で加熱し、細かく刻んで与えます。また、フードプロセッサーで粉末しいたけ状にしておけば、人間の煮物や味噌汁を作る際に調味料として混ぜたり、愛犬のご飯にトッピングや肉に混ぜ込むといった利用ができますので、生しいたけと栄養価を比較するのはともかくとして、食卓に登場させやすくなるのは確かです。

ちなみに、干ししいたけは自宅でも作ることができます。
以下のサイトで、生しいたけから干ししいたけを作る方法やコツ、利用方法が詳しく解説されていますので、ご興味がある方は、ぜひ参考になさって下さい。

まとめ

キノコ類は味・香りともに、独特の個性があります。好き嫌いが比較的少ない我が家の愛犬も、キノコ類は手渡しでは絶対に食べません。エサ皿に他の食材と混ざっていたら黙って食べてくれるというレベルです。嗜好性が強かったり、食べ物として認められない!と感じる愛犬によっては、絶対に食べてくれないかもしれません。

食餌は飼い主と愛犬、ともに楽しめて、コミュニケーションを育む大切な時間でもありますから、どんなに「しいたけ」が身体にいい食材だからといって、無理強いは禁物と考えます。

ごく少量をわからないように混ぜる、調理方法を変える、しいたけ以外のキノコ類を試すなどしてもダメだったら、その時は仕方ない!
・・それぐらいの気楽な気持ちで、愛犬との「しいたけ生活」、ぜひ、はじめてみてください。

▼犬が食べてはいけないものについてもっと知りたい方はこちら
犬が食べてはいけないもの一覧

平松育子先生

記事の監修
  • 獣医師
  • 平松育子先生
  • (ふくふく動物病院 院長)

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

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