犬が飼い主に飛びつくときの理由
初対面の人だけでなく、日頃から飼い主さんに対しても飛びつくことがある犬もいます。まずは愛犬が飼い主さんに飛びつくのは、どのような気持ちからなのかを解説します。
嬉しくて興奮を抑えきれない
飼い主さんが外出から帰って来た時に、犬が玄関でお出迎えして飛びついてくることは多いですよね。大好きな飼い主さんに会えた嬉しさで興奮を抑えきれない姿は、とても可愛らしいものです。
他にも散歩に行くためにリードを用意した時など、喜びの感情が溢れて飼い主さんに飛びつくことがあります。
抱っこしてほしくてアピールしている
飼い主さんに飛びつく理由として小型犬に多いのが、飼い主さんに抱っこしてほしいことをアピールするために飛びつくというものです。抱っこされるのが好きな甘えん坊の犬や、散歩中に歩き疲れた時などによく見られる行動でしょう。
構ってほしくて甘えている
飼い主さんに構ってほしいことを伝えるために、飛びつくという甘え方をする犬もいます。
これまでに飛びつくことで飼い主さんが「どうしたの?」と相手をしてくれたり、抱き上げてくれたりした経験があると、また構ってほしい時に同じ方法でアピールをするようになる場合が多いです。
飼い主さんが手に持っているものがほしい
美味しそうな食べ物を飼い主さんが持っている時などに「それ、ちょうだい!」と、飛びついておねだりする場合もあるでしょう。飛びつかれた衝撃でうっかり落としてしまい、犬に害のある食べ物を愛犬が口にしてしまうことがないように注意したいところです。
犬が初対面の人に飛びつくときの理由
1.構ってほしい!
初対面の相手に飛びついてしまう理由として考えられるのは「触れ合って交流したい」という気持ちです。これはとてもフレンドリーな性格のわんちゃんに多く、
- 自分に注目を集めたい
- 嬉しい気持ちの表現
- より近くで相手の匂いを嗅ぎたい
などの気持ちが高まって飛びついてしまうことが考えられます。
2.恐怖や怒りの気持ち
犬が人に飛びつくのは、フレンドリーな気持ちのときだけではありません。愛犬が初めて会う人に飛びかかってしまうのは「恐怖」や「怒り」などの攻撃的な気持ちの場合もあり、繊細で臆病な気質のわんちゃんに多く見られます。
犬の威嚇や攻撃の裏には恐怖心がある場合が多く、相手に攻撃される前に自分が攻撃しておきたいという気持ちである可能性があります。
自分の縄張りに侵入してきた相手への攻撃
特に注意したいのが宅配業者さんや来客、お散歩中に出会う人など「自分の領域に入ってきた人」です。犬は自分の縄張りを大切にする子が多いので、自分の縄張りとしている場所にいきなり人が入ってくると、威嚇の気持ちが強く出て興奮してしまいがちです。
犬が飛びつくのはやめさせた方がいい?
飼い主さんに対して甘えやポジティブな感情から飛びついてくるのは可愛らしい行動ですが、犬が来客など他人に飛びつくのは危険な行為です。
相手の人が犬を苦手な場合は不快な思いをさせてしまいますし、飛びついた衝撃で倒れてしまったら怪我をさせてしまうかもしれません。特に大型犬は体重を支え切れない可能性が高いので、飛びつくのはお互いの身が危険だということを理解しておかなくてはならないでしょう。
犬が攻撃的な気持ちから飛びつく場合はさらに危険です。飛びつくだけではなく吠えたり噛みついたりしてしまうこともあるので、攻撃的な行動はしつけをしてやめさせるのが飼い主の義務でしょう。
相手に怪我をさせてしまって賠償金を請求されたという事例もあります。トラブルを避けるためにも、飛びつくなどの愛犬の危険な行為をそのままにはしておけません。
また飛びつくときの体勢は、犬の足腰に負担がかかるという点でも問題です。飛びつくことで相手に怪我をさせてしまうリスクが低い小柄な犬でも、犬自身が関節を痛めてしまうことを予防するために飛びつき癖はしつけをしてやめさせましょう。
犬が飼い主に飛びつくのをやめさせるしつけ方法
犬が飛びついてきても無視する
犬が飼い主さんの帰宅時に嬉しくて飛びついてきた場合や甘えたくて飛びついてきた時に、飼い主さんも嬉しくなって優しく相手をしてしまうと、犬は「飛びつく=良いこと」だと勘違いしてしまいます。
飼い主さんに飛びついている間はあえて無視をして、飛びつくのをやめたら褒めることで「飛びつくのをやめる=褒められる」と覚えてもらいましょう。
飛びつかないほうが褒めてもらえたり構ってもらえたりするということを学習すれば、飼い主さんに飛びつく癖が改善されていくはずです。
「おすわり」や「待て」のしつけを徹底する
飛びつき癖を直すためには、飛びついてきた時に飼い主さんが「おすわり」や「待て」の指示を出すことで、愛犬が飛びつきをやめられるように練習する方法が効果的です。
飼い主さんが指示を出せば飛びつきをやめるようにしつけをするには、まず「おすわり」や「待て」のしつけを徹底する必要があります。普段は「おすわり」や「待て」ができる犬でも、興奮状態の時には言うことを聞かなくなってしまうケースは多いので、時間がかかるかもしれませんが根気よく練習してください。
しつけを成功させるポイントは、飛びつくのをやめて指示通りに「おすわり」と「待て」ができた時にしっかり褒めることです。
家族全員が飛びつき癖改善に協力する
家族で犬を飼っている場合、しつけの方法や方針を統一することが重要です。
たとえばお母さんは愛犬の飛びつきをやめさせるために厳しくしつけをしていても、お父さんは愛犬に飛びつかれたら抱っこしてあげる、子どもたちは愛犬と一緒にはしゃいでしまうというバラバラの対応をしていてはしつけが成功しません。
犬に「飛びつく=ダメなこと」だと理解してもらうためには、家族全員が飛びつかれたら無視するもしくはやめさせる、そして飛びつくのをやめた時に褒めるという一貫した対応をする必要があるのです。
家族それぞれでしつけの方法が違っていると犬が混乱するので、全員が協力して同じ方法でしつけをしてください。「おすわり」や「待て」などの指示も統一することで、愛犬が理解しやすいようにしましょう。
犬が初対面の人に飛びつくのをやめさせるしつけ方法
「飛びつく→良いことがある」の関連を断つ
犬が飛びついてしまうのは、飛びついた後に良いことが起こった経験があることが考えられます。嬉しくて飛びついたときには「構ってもらえた」という経験、攻撃として飛びかかったときには「相手が去っていった」という経験というように、飛びつきと良い経験が関連付いている可能性があります。
そのため、飛びつきを防止するには「飛びつくこと」と「良いこと」を切り離す必要があります。
リード+コマンドで制御する
まずは飛びつかせないように制御することが大切です。愛犬の飛びつきを改善したい場合、初対面の方と会うときには室内でもリードを着用してみましょう。愛犬がどんなときに飛びついてしまうのかを把握し、愛犬が飛びつく前に飼い主さんが制御することがポイントです。
- リードを短く持って制御する
- 「おすわり」などのコマンドを出す
などで愛犬の飛びつきを予防しましょう。愛犬がフレンドリーな気持ちで飛びついてしまう場合は、愛犬が落ち着いた後でコマンドを解除して触れ合ってもらうようにすると良いでしょう。
「飛びつかなくても良いことがある」と理解してもらう
愛犬が飛びつきたい気持ちを抑えて飼い主さんの指示に従うことができたら、おやつを与えたり褒めてあげたりするのも効果的です。愛犬に「飛びつかなくても良いことがあるんだ(飛びつかなくても安心なんだ)」と思ってもらうことが目標です。
まとめ
今回は「犬が初対面の人に飛びついてしまうときの気持ちと改善法」をご紹介しました。
私自身も海外にいたときに、遠くから走ってきた見知らぬわんこに全力で飛びつかれた経験があります。幸いにもその子はフレンドリーな気持ちで走ってきて飛びかかってきたことが分かりましたが、犬好きの私でも全力ダッシュで向かってくるわんこに「噛みつかれるのか?!」ととても怖かったです。
これが小さいお子さんやお年を召した方だったら、勢いの余りに転倒して怪我をしてしまう恐れもあるので、愛犬の飛びつき癖は改善しておきたいですね。
愛犬が初対面の人に飛びついてしまうのを改善するためには「飛びつき」と「その後起こる良いこと」を切り離す必要があります。まずはリードやコマンドで飛びつき自体を制御し、愛犬を落ち着かせることが大切です。愛犬に「飛びつかなくても良いことがある」と理解してもらうことが重要です。