「カエル座り」とは?
犬に見られる「カエル座り」とは、主に伏せをしている状態で股関節が開いて泳いでいるカエルのような格好になっている座り方のことを言います。これは「カエルポーズ」「カエル足」などとも呼ばれ、よく見せる子とそうでない子がいるようです。
この写真は私の愛犬のカエル座りを激写したものです。我が家で迎え入れた元保護犬のこの子もカエル座りを見せる子で、私はこのときに初めて犬のカエル座りを見たので「股関節に異常があるのでは?!」と心配したことを覚えています。
カエル座りをする理由
フローリングで育った子に多い
子犬の頃からフローリングの部屋で過ごしてきた子にカエル座りが見られやすいという意見があります。フローリングは犬の足の裏との摩擦が少なく、ワックス剤なども塗布されていることも相まって犬にとっては滑りやすい床材です。
特に足裏の毛が伸びていると肉球のブレーキが効きづらいので滑りやすくなります。そうして滑りやすいフローリングの環境で育った子は「足が滑ったままの格好でくつろぐ癖」が付きやすいため、カエル座りが板についてしまうという理由が考えられます。
ラクだから
犬もリラックスしているときには脱力していますので、四肢をぐでんとして横になることもあります。わんちゃんによっては、足を折りたたんでの伏せよりも足を伸ばしてのカエル座りの方がリラックスできると感じていることも理由の1つです。
安心しているから
カエル座りの状態は足を折りたたんで足の裏を地面につけている伏せよりもすぐに立ち上がりにくい状態なので、カエル座り中のわんちゃんはとてもリラックスしてくつろいでいるということも考えられます。
注意が必要な場合は?
カエル座りをしていても、愛犬がすぐに立ち上がることができたり歩行に異常が見られたりしない場合には心配はいらないでしょう。しかし、オスワリの姿勢を保っていられずにカエル座りに崩れてしまったり、歩行や運動に異常が見られたりする場合は注意が必要です。
股関節形成不全の恐れも
股関節形成不全とは、骨盤と太ももの骨がはまる部分に問題が生じてうまく噛み合わないという状態です。股関節形成不全は人間にもある症状で、私自身もギリギリ正常値の股関節形成不全です。
足の骨が正常に噛み合わないため、骨と骨がこすれて痛みが生じたり脱臼や運動に異常がみられやすくなったりします。犬の場合は大型犬に見られやすいと言われており、特に、
- ゴールデンレトリーバー
- ラブラドールレトリーバー
- バーニーズマウンテンドッグ
- ジャーマンシェパード
などの特定の犬種に多く見られるというデータがあります。
こんな症状には要注意!
- 脚を痛がる引きずる
- うさぎのように後ろ脚を同時に蹴って移動する
- 階段の昇り降りを嫌がる
- 起き上がりにくい
- 横座りをしたがる
- 腰を振って歩く
などの症状が見られる場合には、股関節形成不全が疑われますので受診してみましょう。これらの症状は、生後4か月頃の子犬にも見られることがありますので注意して見てあげましょう。
カエル座りは直した方が良い?
カエル座りは愛犬が安心してリラックスしているときに見せることがほとんどなので、すぐに止めさせなくても心配はいりません。
心配な点がある場合は受診しておくと安心
股関節形成不全の場合「カエル座り」というより「横座り(女の子座り)」が見られやすいので、カエル座りをしたからといって、すぐに心配する必要はありませんが、愛犬が「なりやすい犬種」の場合や歩行や運動に異常が見られる場合には獣医師に相談してみると安心です。
フローリングの滑り防止対策を
股関節形成不全にかかわらず、滑りやすいフローリングは犬のケガに繋がります。最近は犬のケガ防止に「滑りにくくなるワックス剤」も販売されていますので、現在のフローリングがツルツルの場合は試してみるのもオススメです。
また、肉球が覆われてしまう前に愛犬の足の裏の毛をこまめにカットしてあげることも、滑り防止に重要なケアです。
まとめ
平泳ぎのようにぺたんと座っていたり、中にはスーパーマンのようにピーンと脚を伸ばしたりしてくつろいでいることもあって、なんとも癒されますよね。カエル座りはリラックスしているときや安心しているときに見られることが多いため、すぐに止めさせなくても心配はいらないでしょう。
子犬の頃にフローリングで育った子に見られやすいという意見もありますので、子犬の頃から癖になってしまっていることも考えられます。
しかし、歩行や運動に異常が見られる場合や股関節形成不全になりやすいとされている犬種の場合は受診しておくと安心です。ご自宅がフローリングの場合は愛犬が滑ってしまわないようにワックス剤を工夫したり、愛犬の足裏の毛をこまめにカットしてあげたりするようにしましょう。