愛犬が抱えるストレスとは
自粛生活や在宅勤務の増加など、今年は生活がこれまでと変わった飼い主さんが多くいらっしゃいます。ストレスが大きい毎日で今現在も大変だという方もいらっしゃるかと思いますが、あなたの足元や膝の上ですやすや眠る愛犬も、飼い主さんと同様に実はかなりのストレスを感じています。
ただならぬ家の中の雰囲気や飼い主さんが醸し出す空気感や感情を愛犬は敏感に察知しているのです。
例えばこんな所にわんちゃん達は気付いています。
- 家の中にいる時間がいつもより長い
- 飼い主さんのイライラ
- ふとした時の暗い表情
- いつもと違う行動範囲
- お散歩時間の変更や削減
など、思い当たる節はありませんか?
いつもと違うただならぬ雰囲気に愛犬の心もどんよりムードになっている可能性があります。
ですが、だからと言って何か特別なことをしなければならないというわけではありません。こんな時ですから飼い主さんが頑張る必要はありません。
今必要なのは愛犬と飼い主さん、お互いの心を“休め癒やす”ことなのです。
愛犬とできるリラックス方法
前述でもお話しさせていただきましたが、世界的な生活様式の変化に伴う愛犬のストレスを解消するために、飼い主さんが「頑張る」ことは必要ありません。飼い主さんが頑張っていることがさらにお互いの心を辛くしてしまうことになりかねませんので、ここは“心を穏やかに”自分をいたわる気持ちでいるといいですね。
愛犬とのリラックス方法としては以下の様なものはいかがでしょうか?
- ヒーリング音楽を聴く
- 飼い主さんがリラックスできる服装に着替える
- アロマオイルを焚いて愛犬とリラックスタイムを演出してみる
- ベランダに出て愛犬とのお茶を楽しんでみる
- ハーブティでリラックス
ヒーリング音楽
ヒーリング音楽はCDも販売されていますが、YouTubeなどでもたくさん上げられていますので、ご自分の好みに合ったものを選んで愛犬と一緒に聴くのもいいかと思います。
リラックスできる服装
服装をきちんとすることも必要ですが、おうちにいる時間は「オフ時間」ですから飼い主さんが心から寛げて気持ちが楽になる服装になってリラックスすることで家の中が良い空気感になり、愛犬にもそれが伝わります。
アロマオイルでリラックスタイム
そして中でもおススメしたいのが、アロマオイルを焚いて愛犬と一緒にリラックスする方法です。
私も愛犬や家族みんなでいる時に、アロマディフューザーを使ってアロマオイルの香りを楽しんでします。すごくいい香りでリラックスできますし、なにより人とわんちゃん別々で用意する手間がなくみんなで楽しむことができるのでおすすめです。
アロマディフューザーがない場合はマグカップにお湯を張ってアロマオイルを数的垂らしても香りを楽しむことができます。
ただ、注意点としては犬にとって禁忌なアロマオイルや使用には注意が必要なアロマオイルもありますので必ず、愛犬にも大丈夫なものか確認した上で使用しましょう。
無難でオススメなのはアロマオイルの定番「ラベンダー」ですね。ラベンダーは鎮静作用や抗菌作用、抗ウィルス作用があり今の時期にぴったりです。
ハーブティで安らぐ
また、ハーブティも飼い主さんと愛犬の気持ちを安らいでくれます。我が家ではベランダでハーブを育てていて、新鮮なハーブティが飲みたくなったら葉を摘んでハーブティにして飲んでいます。
ハーブティ自体はわんちゃんは好まない子が多いですが、マグカップから香るほのかな匂いで愛犬も気持ちが安らぎます。
ベランダに出て日向ぼっこをしながら愛犬とハーブティを楽しんでもいいですし、ハーブティを飲みながら愛犬を優しく撫でてあげたりマッサージしてあげるのも良いです。
オススメは、「ペパーミント」や「レモンバーム」、「レモングラス」「カモミール」そして、「エキナシア」「スリッパリーエルム」です。
「ペパーミント」「レモンバーム」「レモングラス」はわんちゃんにも安全なものなので安心ですし、抗菌作用、殺菌作用や抗うつ作用、吐き気緩和、鎮静作用などリラックス効果が高いハーブ達です。
そして「エキナシア」は、免疫促進作用、抗ウィルス作用があり、「スリッパリーエルム」は鎮静作用の他に粘膜保護作用、抗炎症作用、栄養補給も期待できますので、体調を崩してらっしゃる時や予防として飲まれても良いかと思います。
もちろん愛犬の体調がいつもより優れない時に飲ませてあげても良いですが、わんちゃんはあまりハーブティを好まない子が多いので、もしも飲ませるのであればいつものごはんに少しだけかけてあげると良いでしょう。
簡単!愛犬のストレスマッサージ
ここからは愛犬の心と体を癒やす簡単マッサージをご紹介します。
まずはじめに飼い主さんにお伝えしたいのは、『愛犬にマッサージするぞ!』という意気込みは必要ないということです。大事なのは飼い主さんがリラックスしているということ。リラックスしている状態で愛犬にマッサージをしてあげることで飼い主さんの心の状態が伝わり、愛犬も心からマッサージを楽しむことができます。
そして、愛犬にマッサージを施してあげることは、愛犬の心と体をほぐすだけではありません。愛犬の体を緩やかにマッサージしてあげることで、飼い主さんの気持ちも静まり穏やかになっていきます。
そして、今回私がお願いしたいのはとにかく、飼い主さんの心の負担を極力かけないことを大事にしていただきたいということです。
「今は愛犬のマッサージしたくないな」と思ったら無理に行わなくて大丈夫です。「気が向いたらやってあげよう」ぐらい、気持ちをゆる~くしてみましょうね。もちろん、わんちゃんも気分が乗らないこともありますので、わんちゃんの気が向かない時もやめておきましょう。
また、「マッサージ=ツボの名称」というイメージかと思いますが、今回はツボの名称までは覚えなくてもいいです。もちろん、説明をするにあたってツボの名称も含めてお話しますが、マッサージする場所はこの辺かなというのを覚えていただければそれで十分です。
先程もお話した通り、飼い主さんのご負担を極力少なくしていただくことを意識していただきたいので、今回はゆる~く覚えていただければオッケーです。
目のリンパマッサージ
人の目が疲れるようにわんちゃんも目が疲れています。今までと違う日常生活を送るような状況下では、目にも緊張の疲れが出ています。そんな愛犬の目をゆっくりほぐしてあげましょう。
①目の上側のマッサージ
わんちゃんの目頭から上部の位置のツボ、人でいう眉頭あたりが「さん竹(ちく)」と言います。そこからそのまま眼球の輪郭に沿って目尻上のツボ「しち竹空(ちくくう)」に向かってアーチ状にマッサージします。
この時、顔を優しく固定しながら親指を使ってマッサージすると良いです。
②目の下側のマッサージ
眼球中央の真下のツボ「承泣(しょうきゅう)」と言います。こちらも目頭から目尻に向かうイメージで眼球の輪郭に沿ってマッサージします。両目3回ずつから始めて慣れてきたら回数を増やしてみてください。
耳のマッサージ
身体のマッサージはやってあげたことあるけど、耳のマッサージはしたことがないという方もおられるかと思いますが、わんちゃんは普段とても耳を敏感に動かしているため、結構疲れが溜まっているんです。耳のマッサージもとても簡単なので身体のマッサージと同様に行ってあげましょう。
①耳を挟み持つ
耳の内側をマッサージしていきます。まず、飼い主さんの親指がわんちゃんの耳の内側に来るようにして耳を挟んでください。
②先端に向かってマッサージ
次に耳の付け根からゆっくり、力を入れ過ぎず、耳の先端に向かって流すようにマッサージします。
たれ耳のわんちゃんは耳の内側を表にひっくり返して行います。片耳3回ずつ行ってください。
③円を描くようにマッサージ
今度は円を描くようにマッサージしてみましょう。
こちらも同じようにわんちゃんの耳の付け根を飼い主さんの手で挟むように持ち、親指で円を描くようにグルグルと耳の先端に向かってゆっくりマッサージしてあげます。
こちらも片耳3回ずつを目安に行います。
全身のストレスフリーマッサージ
犬も緊張やストレスにより体に力が入ると肩が凝ります。肩こりは全身の血行不良やリンパの流れも悪くしてしまいますのでしっかりほぐして血流を良くしてあげましょう。
①首から肩にかけてマッサージ
まずは、手を図のように少し広げます。
この状態で首から肩にかけてゆっくり流れるように手でマッサージしていきます。
この時のポイントは指の腹を使って少し体を入れてマッサージすること。
愛犬の表情を確認しながら力加減をしてください。
②肩甲骨から背中、仙椎までをマッサージ
次に肩甲骨から背中、そして尾骨の始まりの「仙椎」まで流すようにマッサージします。
尾骨辺りを嫌がるようでしたら愛犬が気持ちいいと思うところまででも大丈夫です。
しばらくこれを繰り返しマッサージにならして愛犬をリラックスさせていきましょう。
③肩甲骨から上腕にかけてマッサージ
慣れてきたら、肩甲骨から上腕にかけてゆっくりマッサージしてみましょう。そして後ろ足も同じように腰から後ろ足にかけてゆっくりマッサージしましょう。
回数は愛犬が嫌がらない程度に3回ずつから始めて、慣れてきたら少しずつ回数を増やしていきましょう。
今回ご紹介させていただいたマッサージは全ての流れを続けて行っていただいてもいいですし、「今日はここだけ」というように日によって一部だけ行ってもいいです。無理をせず、愛犬とのんびりとした気持ちでゆったり行ってください。
最後に
今回、いくつかのストレスの解消法をご紹介させていただきましたが、心をゆる~くゆる~く心がけることが何より大事です。愛犬にマッサージしてあげたい気持ちもあるけど今はしんどいな……という時は無理にマッサージしてあげなくて大丈夫ですよ。
ただ、ただ一緒に居てあげるだけでも愛犬は幸せですから。
是非とも、ご無理せずこの日常の変化をわんちゃんと一緒になんとか乗り越えていきましょうね。
“頑張ることはしない”今はそれが一番です。