愛犬が寝てる時に震える理由
愛犬が寝てる時にピクピク、プルプルと震えるのを見ていると、いったいなぜ震えるのだろうと不思議に思う飼い主さんも多いはずです。
寝てる時に犬が震える理由と、原因に合わせた対処法を知っておきましょう。
夢を見ている
犬が寝てる時、ピクピクと小刻みに震えることはめずらしいことではありません。
犬が寝ながら震える・動く理由としてまず考えられるのが、「夢を見ている」というものです。
犬もその日にあったできごとを夢として見て、頭の中で整理したり記憶として残したりしているのではないかと考えられています。
そのため、走って遊んだ日にはまるで寝ながら走っているかのように足を動かしたり、小さな声で「ワゥワゥ…」などと寝言を言ったりすることがあります。
これらは問題のない震えのため、愛犬が気持ちよく眠っているのを静かに見守ってあげましょう。
痛み・寒さによる震え
人間と同じように、犬も寒さで体を震わせることがあります。
筋肉を小刻みに動かすことで熱を発生させて、体をあたためているのです。そのため、寒い場所で寝てる時などには睡眠中でも体を震わせることがあります。
特に子犬や老犬、病中病後など体温調整が自分でうまくできない場合にはそうなる傾向が強いので、犬が寝る場所の温度・環境などを適切に整えてあげるようにしましょう。
また、病気や怪我による痛みで体を震わせることもあります。発熱する病気にかかっている時は悪寒を感じて、寝てる時に体が小刻みに震えることも。
犬は痛みを感じている時でも自ら飼い主にそれを訴えかけることはせず、痛みを隠すように小さく丸まって寝ることも少なくありません。
痛みや発熱による震えが疑われる時には無理に触らず、すぐに動物病院へ連れて行ってあげましょう。
てんかん発作などによる痙攣など
犬が寝てる時に小刻みに震えることで心配されるのが、痙攣しているのではないかということです。
てんかんや脳腫瘍などの脳神経系の疾患や、腎不全や低血糖、肝不全などの疾患が原因で痙攣を起こすことがあり、それは寝てる時に突然起こることもあるそうです。
てんかんは全身が震えたり硬直する発作だけでなく、脳の一部だけが興奮状態になって、その部分と関係する体の一部だけが痙攣する部分発作を起こすこともあります。
痙攣発作で震えている場合は、体を大きく揺すって無理に起こしたりせず、体が動いても安全な場所で痙攣がおさまるまで様子を注意深く確認しながら見守ってください。
周りで騒いだり触れて刺激を与えると、脳の興奮状態をさらに悪化させるかもしれません。
愛犬が発作を起こしているととても心配になるでしょうが、飼い主さんはできるだけ落ち着いて、犬が動いても安全な環境を整えてあげたり、痙攣を起こしている時間を測ったり、後で獣医師に見せるために動画を撮ったりするといいでしょう。
痙攣がおさまったら犬を落ち着かせてあげましょう。そして動物病院に連絡をして、その後の対応を相談してください。
寝てる時の犬の震えが病気かどうか見分けるポイント
音に反応して起きるか
なんらかの病気による痙攣発作が原因で寝てる時に震える場合は、呼びかけなどに反応しません。
大きな声で名前を呼んだり、床に物が落ちるような音をさせても全く反応しないようであれば、てんかん発作などによる痙攣である可能性があります。
また、小型犬の子犬に多い低血糖状態では、震える症状以外にも、活発さがなくなり、過剰にぼんやりする様子を見せたり、重症になると意識を保っていられずに昏睡状態に陥ることもあります。
よだれをたらしたり失禁などがないか、体のかたさはどうか
痙攣発作を起こしている犬は、体の震えと同時によだれを垂らしたり、失禁や便失禁をすることがあります。
また、夢を見ていて体が動いている場合には筋肉の柔らかさが保たれているのですが、てんかんなどによる痙攣発作を起こしている場合には筋肉がかたくなり足がぴーんと伸びてしまうことが多くあります。
呼吸は正常か
犬が寝てる時の呼吸は、本来ゆっくりと穏やかなものです。
しかし、気持ち悪さや息苦しさ、痛みなどがあると、小刻みで早い呼吸になったり、お腹まで大きく膨らませるような呼吸をすることがあります。
こういった呼吸をしながら震える様子を見せ、さらにはあまり熟睡できずに頻繁に起きるようであれば、体に異変が起きている可能性が高いでしょう。
起きた後にも震えることはないか
寝てる時に震える様子が心配になって愛犬を起こした後も、体をこわばらせるように小刻みに震えていたり、体を触ろうとすると嫌がったり怒ったりする時は、どこかに痛みを抱えている可能性もあるのでしっかり観察してあげましょう。
痛みがある部分が分かりづらいことも多いので、「抱っこしたら鳴いた」「そういえば最近、前より動きたがらなかった」など思い当たることがある場合や、「寝る前から嘔吐や下痢をしていた」など、睡眠の前後にから何か変わったことがあった場合には獣医師に伝えてみてください。
また、てんかん発作は犬が起きている時や眠る前に起こることが多いようですが、寝てる間にてんかん発作が起きた場合には、発作がおさまった後は犬は寝続けるのではなく起きることが一般的だそうです。
しかし、小刻みに震えるのではないのですが、睡眠中に大きく手足を動かした後も寝続けるREM睡眠障害が犬でも報告されているそうです。
REM睡眠障害は治療の必要はありませんが、犬の体が大きく動いても安全な場所で犬を寝かせてあげる必要があるそうです。
まとめ
犬が寝てる時に小刻みに体を動かしたり、震えたりすることは比較的どの犬にも見られることです。
何かの病気が理由で寝てる時に震えたりすることもありますが、健康上の問題は何もなく夢を見ていて体が動いているのだろうと考えられるケースの方が圧倒的に多いそうです。
足を動かしてまるで走っているかのような様子を見せたり、尻尾を動かしたりしている時は、その日にあった楽しいできごとを思い出して夢を見ているのかもしれません。
また、人間と同じように脳内の情報や記憶を整理して定着させる過程で体が反応しているのだとも考えられています。
そのような場合は、犬をしっかり休ませてあげられるよう睡眠の邪魔をしないようにしてあげてください。
ただし、震えている時に呼びかけなどに全く反応しなかったり、痙攣後ぐったりとした様子が見られる、他にも体の異常が見られる時には、何らかの病気がある可能性が高まります。
少しでも様子がおかしいと感じたら、動物病院に相談するようにしてください。