犬が睡眠中小刻みに動く理由①夢を見ている、記憶の整理
犬が寝ているとき、ピクピクと小刻みに動くことはめずらしいことではありません。犬が寝ながら動く理由としてまず考えられるのが、「夢を見ている」というものです。
犬が見る夢についてはさまざまな意見が見られますが、その日にあったできごとを夢として見て、頭の中で整理したり記憶として残したりしているのではないかと考えられています。
そのため、走って遊んだ日にはまるで寝ながら走っているかのように足を動かしたり、小さな声で「ワゥワゥ…」などと寝言を言ったりすることがあります。
犬が睡眠中小刻みに動く理由②痛み・寒さによる震え
人間と同じように、犬も寒さで体を震わせることがあります。筋肉を小刻みに動かすことで熱を発生させて体をあたためているのです。
そのため、寒い場所で寝ているときなどには睡眠中でも体を震わせることがあります。特に子犬や老犬、病中病後など体温調整が苦手な犬はそうした傾向が強いので、犬が寝る場所の温度・環境などを適切に整えてあげるようにしましょう。
また、病気や怪我による痛みで体を震わせることもあります。発熱しているときに寒気を感じて体が小刻みに動くことも。
犬は痛みを感じているときでも、自ら飼い主にそれを訴えかけることはせず痛みを隠すように小さく丸まって寝ることが少なくありません。体をこわばらせるように小刻みに震えていたり、体を触ろうとすると嫌がったり怒ったりするときは、どこかに痛みを抱えている可能性があるのでしっかり観察してあげましょう。
犬が睡眠中小刻みに動く理由③てんかん発作などによる痙攣
犬が寝ているときに小刻みに動くことで心配されるのが、痙攣発作です。てんかんなど脳神経系の疾患が原因で、痙攣を起こすことがありますが、それは寝ているときに突然起こることもあります。
てんかんは全身発作だけでなく、脳の一部だけが興奮状態になってその部分と関係する体の一部だけが痙攣する部分発作を起こすこともあります。
前足だけが動いたり、顔面痙攣を起こしたり、その症状はさまざまですがてんかんなどが原因で小刻みに動いているときは、呼びかけなどに反応しないことがほとんどです。小刻みに体が動いているとき、声をかけたり軽く体に触れてみても全く反応しないようであれば、てんかんなどによる痙攣である可能性があります。
その場合は、体を大きく揺すって無理に起こしたりせず、痙攣がおさまるまで様子を注意深く確認しながら見守ってください。
その間、痙攣を起こしている時間を測ったり、後で獣医師に見せるために動画を撮ったりするといいでしょう。犬の様子が落ち着いたら、すぐに動物病院に連絡をしてその後の対応を相談してください。
まとめ
犬が寝ているときに小刻みに体を動かしたり、震えたりすることは比較的どの犬にも見られることです。足を動かしてまるで走っているかのような様子を見せたり、尻尾を動かしたりしているときは、その日にあった楽しいできごとを思い出して夢を見ているのかもしれません。
また、脳内の情報や記憶を整理して定着させる過程で体が反応していることもあるでしょう。そのような場合は、犬をしっかり休ませてあげられるよう睡眠の邪魔をしないようにしてあげてください。
ただし、震えや痙攣を起こしているとき呼びかけなどに全く反応しなかったり、痙攣後ぐったりとした様子が見られるときには何らかの病気によるものである可能性があります。少しでも様子がおかしいと感じたら、動物病院に相談するようにしてください。