犬のウンチは何日出ないと異常なの?
犬のウンチの正常な回数
与えている食事の内容や、生活リズムによって犬がウンチをする回数はまちまちです。例えば、繊維質の多いものを与えればウンチの回数や量は増えるし、家の外でしかウンチもオシッコもしない、あるいは逆に家の中でしか排泄しない…という場合お天気が悪かったり、旅行先や来客などで生活環境がかわったことで排泄のリズムが変わることは珍しいことではありません。
ただ、ご自分の愛犬を細やかにお世話している飼い主さんなら、「うちの子はだいたい、一日二回はウンチをする」など、おおよその回数やウンチの量など、正常な状態の回数や量を把握されていると思います。
愛犬の健康管理のためにも、犬を初めて飼う方はご自分が愛犬の排泄のリズムを把握出来るまで簡単なメモをつけておくと良いでしょう。
犬のウンチは何日出ないと異常なの?
旅行に連れて行ったり、散歩に連れて行くことが出来なかったりと言った突発的なアクシデントのためにまる一日排便がないことがあります。けれども、まる2日以上排便が全くないのは、排便のリズムに対してなにか問題が起こっていると考えられるので早急に対処が必要です。
犬の便秘の危険性
腸閉塞
腸閉塞とは、腸になにかが詰まっている状態のことを言います。便秘が悪化して腸閉塞が起こることを「糞便性イレウス」といいます。また、毛など消化できないもの、食べ物ではない異物を食べてしまった場合も腸閉塞になる危険性があります。ウンチが出ないというだけでなく、重篤な腸閉塞の状態が継続し、症状が進行すると腸が壊死し、命を落とすこともあります。
痔
ウンチが出そうなのに、固くて出ない…となると、力いっぱいいきんで無理にウンチを出そうとします。すると、石のように固いウンチで肛門周辺の粘膜を傷つけたり、肛門が裂けてしまったり
していわゆる「痔」になってしまいます。
虚血性腸炎
腸の周りにはたくさんの細い血管で覆われています。腸内で分解された栄養素は薄い腸壁にしみこむように吸収され、腸の周りを覆っている血管によって体のあちこちへと運ばれていきます。ところが便秘になると、腸の動きが鈍くなり、同時に血流も悪くなります。その状態が進むと、腹痛や血便が出ます。このような状態を「虚血性腸炎」と言います。
犬の便秘の原因
- ウンチが固い
- ウンチを出すとお尻の穴が痛い
- 腸の働きが悪い
- 腸の一部が詰まっている
- 服用している薬の副作用
- ストレス
犬の便秘の対処法
食事内容を見直す
犬の腸は、完全肉食の猫よりやや草食動物よりの長さがあります。犬は肉食に近い雑食動物ですので全く植物を食べないわけではありません。しかし食物繊維を消化するのは苦手ですので、消化しにくい食物繊維が多く含まれているドッグフードの中には、犬の腸に負担をかけ、便秘がちになることがあります。
あるいは、手作りご飯を与えている場合でも、水分が少なかったり、「野菜は体に良いから」と肉よりも多く野菜を与えすぎると、食物繊維が消化吸収できず、却って便秘を引き起こす可能性もあります。ドッグフードにしろ、手作りご飯にしろ、愛犬がウンチの回数やウンチの状態を見て「便秘気味かな?」と感じたら、一度、愛犬に与えている食事の内容を見直してみましょう。
水分補給
人間同様、犬も口から補給する水分が少ないと、ウンチが固くなります。ところが、離乳前の子犬や寝たきりになったり、自分で食事を摂ることが出来ない状態にならない限り、犬は自分が欲しい時にしか水を飲みません。
なんらかの理由であまり水を飲まず、便秘気味になったのなら水を飲まない原因を探りつつ、ドッグフードをお湯やお肉のゆで汁でふやかしたり、ペット用の牛乳を与えたりして食事から水分が補給できるようにしましょう。
腸内環境を整える
無糖のヨーグルトや味をつけない納豆、りんごなどを与えて、腸内環境を整え、腸の動きが活発になるように促します。
マッサージをする
愛犬を仰向けに寝かせ、お腹の上からお尻の方へゆっくりとあまり力を入れずに優しくマッサージします。円を描くようにマッサージするのも効果的です。
かかりつけの獣医さんに相談する
服用している薬が原因で便秘になることがあります。例えば、心臓疾患などの薬には利尿効果を高めるものがあり、体からたくさんの水分を尿として排泄させます。そのため、体の中の水分が足りなくなり、脱水症状や便秘と言った副作用が現れることがあります。
もし、愛犬が日常的になんらかの薬を服用しているのなら、かかりつけの獣医さんにお薬と便秘のことについて相談してみましょう。
運動量を増やす
散歩の時間や回数を増やしたり、ドッグランに行って思い切り走ったりしてふだんよりも少し運動量を増やします。また、泳ぐことが出来る季節なら、川や海で泳がせて、普段とは違う筋肉を使うような運動を取り入れます。運動量が増えると、内臓の動きが活発になりと、ウンチも出やすくなります。
愛犬のウンチを観察して健康状態を探ってみよう
そもそも、「ウンチ」ってなに?
そもそも、「ウンチ」とは一体、なにで出来ているのでしょう?ほとんどの人は「ウンチ」とは、体内に入った食べ物が胃や腸で栄養を吸収、分解されて、体外へ排出される「カス」だと思っているのではないでしょうか。
実は、「ウンチ」の内容物は、水分や、新進代謝によって剥がれた腸内細胞や不要になった大腸菌、体内に蓄積した毒素などで、摂取した食物のうち、食物繊維など消化しきれなかったものです。いわゆる「食べカス」はウンチの内容物のうち、たったの5%しかありません。
つまり、「ウンチ」は食べカスの固まりではなく、自分自身の体から剥がれ落ちた細胞や体内に残しておくと害になるような「ゴミ」が正常で健康的な体の働きによって、体から排泄されたものなのです。
愛犬のウンチから健康状態を探ってみよう
固さ、量、色、ニオイ、内容物をチェックします。健康状態の時の便の固さは、柔らかい紙で取り去ると、地面に水分だけが残ります。量、色、ニオイなどは普段、健康に過ごしている時の状態を観察しておきます。
そうすれば、便秘をしている時のウンチと比較することが出来ます。例えば便秘になっていたら、ウンチが石のように固く、量は普段よりも少なくなります。
また、体内に留まっている時間がが長くなるので、過発酵となりニオイが強くなる場合があります。色は肛門付近を傷つけている可能性があると鮮血が混じっていたり、大腸内でトラブルが起こる大腸炎の場合は便の周りに粘膜がこびりついていることもあります。
ウンチの仕方も観察してみよう
スムーズにウンチしているか、ウンチをするのに異常に時間をかけていないか、ウンチをしにくそうなそぶりを見せていないかなど、散歩の時にウンチをする習慣があるのならウンチをしている様子もふだんから観察しておきましょう。
まとめ
愛犬に健康で長生きしてもらうために、愛犬に与える食事に気を配るのは当然のことです。そして、その食事がきちんと栄養が吸収され、愛犬の体を作り、正常排泄されたウンチは、愛犬の健康を測るバロメーターと言えます。愛犬の体になにか異常があればすぐに気が付けるように、ウンチの回数や量、ニオイ、ウンチの仕方などに関心を持つようにしましょう。