犬はバナナを食べられる?
バナナは犬が食べても大丈夫な果物です。バナナには、犬の健康を害するような成分は含まれていません。バナナ特有の強い匂いと甘さが好きな犬も多いことでしょう。
バナナは犬にあげてもいい食べ物には分類されていますが、食事のようにお腹が膨れるほど与えることは健康に悪影響です。日常的に与えるというよりは、ご褒美やおやつ感覚でたまに与える程度がちょうど良いでしょう。
バナナに含まれる栄養素と犬への作用
バナナは栄養豊富で健康に良い食べ物とされています。バナナに含まれる栄養素と、食べることでどのような効果があるのかを見ていきましょう。
バナナは高栄養価食材!
バナナに含まれる栄養素は下記のとおりです。
- 糖質
- カリウム
- ビタミン類
- 食物繊維
- ポリフェノール
- アミノ酸
このようにバナナには豊富な栄養素が含まれています。
食物繊維で腸内環境を整える
バナナには、可食部100gあたり1.1gの食物繊維が含まれています。食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があり、バナナの食物繊維は1.1gのうち、1gが不溶性食物繊維で、0.1gが水溶性食物繊維です。
食物繊維には腸内環境を整える作用があり、バナナに多く含まれている不溶性食物繊維は、便の体積を増やして便通を良くする効果があります。バナナを食べると腸内環境が整い、便秘を予防する効果があるといえます。
カリウムが健康を維持に役立つ
バナナには、他の果物よりも多くのカリウムが含まれています。バナナの可食部100gあたり、カリウムの含有量は360mgです。
カリウムはナトリウムと一緒に働くミネラルで、余分なナトリウム(塩分)を外に排出して体内の水分量を適切に維持する働きがあります。
ナトリウムを外に排出することで血圧を下げ、心臓の働きを正常に保ち、筋肉の収縮を正常にする働きもあります。カリウムは、健康を保つために欠かせない栄養素といえるでしょう。
しかし、腎臓の機能が低下している犬には悪影響となってしまうので、バナナをあげるときは注意が必要です。腎機能が低下しているとカリウムがうまく排出されず、腎臓内に蓄積されていきます。カリウムが腎臓内に蓄積されていくことで、高カリウム血症や不整脈になる恐れがあるため注意しましょう。
犬は桃を食べて大丈夫?与えるメリットや適正量、注意点などをご紹介ビタミンで皮膚の健康をサポート
バナナにはさまざまなビタミンが含まれています。ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸です。これらのビタミンには粘膜や皮膚の健康をサポートし、神経の働きを正常に保つ働きがあります。
犬はさくらんぼを食べても大丈夫!安全な与え方と種の危険性 犬はキウイを食べられる?健康効果や与える時の注意点犬にバナナを与える時の適量
犬にバナナを与える1日の適量は、小型犬であればバナナ1/4、中型犬はバナナ1/3、大型犬であればバナナ1/2、なるべく少量で与えることが理想的です。
前述したように、バナナには糖質も含まれています。バナナの1本のカロリーは可食部100gあたり約86kcalとなります。人からするとそこまで高いカロリーではありませんが、犬からするとカロリーが高い食べ物です。
バナナはおやつ程度に与えてほしいので、摂取量は一日の必要カロリーの10~15%以内にはおさめましょう。
犬にバナナを食べさせる時のあげ方
バナナにはさまざまな与え方があります。工夫をしてバリエーションを増やしてあげれば愛犬も喜んでくれることでしょう。下記であげ方を説明するので参考にしてみてください。
素材の味を楽しんでもらう
人がバナナを生で食べられるように、犬もバナナは生で食べられます。バナナは生のままでも強い甘みがありますし、柔らかいのでパピーからシニアまであげることができます。
食事にまぜる
普段あげているフードにまぜる方法もあります。食欲が低下しているときや、フードの食いつきが悪くなったときにあげると良いでしょう。
バナナはやわらかくフードにからみやすいですし、バナナの強い匂いで食欲増進になることもあります。
薬を飲ませるときにも使える
病気の治療で薬をあげたいとき、上手に飲ませられないこともありますよね。バナナはそんなときにも使えます。
バナナはやわらかいので簡単に薬を包むことができ、バナナの強い匂いで薬のにおいが緩和されて気づかずに食べてくれることがあります。
手作りおやつの材料に
犬用手作りおやつの作り方やレシピを調べて混ぜる方法もあります。冷凍して犬用手作りアイスにもできますし、乾燥させてバナナチップス、手作り犬用バナナケーキなど作ることができます。
バナナは甘みがあるので砂糖を使用しなくても美味しく作れるので、飼い主さんも犬も一緒に楽しむことができます。バリエーション豊富につくることができるので愛犬も喜ぶことでしょう。
犬にバナナを食べさせる時の注意点
バナナは高栄養なので積極的にあげたいところですが、犬にバナナをあげるときは注意点もあります。下記で説明していきます。
バナナのあげすぎには注意
バナナには糖質が含まれています。人にとっては少量に感じても、犬にとってはカロリーオーバーになってしまうことがあるのです。食べ過ぎてしまうと肥満の原因になります。
肥満は足腰の負担になるだけではなく、さまざまな病気の原因となることも少なくありません。犬にバナナをあげるときは少量にしておきましょう。
また、バナナをあげすぎてしまったときは他のおやつを減らしたり、フードの量を減らしたり調節することも大切です。
バナナの皮は与えない
バナナの皮は消化に悪いので、犬にあげるときは皮をむいてあげましょう。消化不良で下痢や嘔吐、最悪の場合、腸につまってしまうこともあるので注意してください。
子犬にあげるときには注意しましょう
バナナはやわらかいので子犬から老犬まで与えることができます。しかし、子犬にあげるときは注意が必要です。
子犬は成犬に比べると消化器官を含めた内臓が未発達です。子犬は消化機能も未熟なため、バナナは消化に悪い食べ物となる場合があります。
バナナをあげるときは成長がひと段落してくる時期が最適でしょう。いつから子犬にバナナを食べさせても良いのか悩む方は、下記の時期を参考にしてみてください。
小型犬は生後10カ月、中型犬は1歳、大型犬は1歳半くらいまでバナナは積極的にあげないほうが良いでしょう。バナナをあげると消化不良からくる下痢や嘔吐を引き起こす場合もあります。
その時期を過ぎたら、消化機能もある程度発達しているので、バナナを消化することができます。
アレルギーに注意
バナナをあげたことがない犬やもともとアレルギー体質の犬にバナナをあげると、アレルギーが出てかゆみ、下痢、嘔吐などの症状が出ることがあります。バナナをあげたいときは、少量から与えて体調に異変がないか様子をみてください。
バナナを与えて他のおやつやフードもあげていると、何が原因で体調に異変が出たかわからない場合もあります。初めてバナナをあげたときは、いつも食べている物以外は他にあげないことをおすすめします。
どれくらいの量を与えたかを記録しておくと、体調に異変があったときに動物病院で獣医師に伝えやすいです。
持病がある場合は獣医師に相談してから
下記の病気を持っている犬にバナナをあげるときは、獣医師に相談してからにしましょう。
- 尿路結石症
- 心臓病
- 腎臓病
バナナにはシュウ酸も含まれており、このシュウ酸はシュウ酸カルシウム結石の原因になります。尿路結石症を持っている犬には害になることがありますので、あげたい場合は獣医師に相談しましょう。
バナナに多く含まれているカリウムは、腎臓機能が低下している犬には悪影響で病気を悪化させる恐れがあります。療法食を食べている犬や投薬中の犬も、バナナが治療に影響を与えないか、獣医師に相談しておくと安心でしょう。
まとめ
今回は犬にバナナをあげてもいいのかについてまとめていきました。バナナは犬にとっても栄養価が高く、食べてもいい果物に分類されます。バナナをあげるときは、おやつ程度の量にしておくことが理想的です。
犬がバナナを食べ過ぎると健康に悪影響をおよぼすこともあります。適量を守って、犬にもバナナのおいしさを知ってもらいましょう。