トイプードルに散歩は必要?
トイプードルは運動大好き!相応の運動量が必要です
『プードルは室内犬だからお散歩は必要ないんじゃない?』そう思う方も多いのではないでしょうか。
まずは、その考えを変えてください。
そもそも室内犬というのは単に、室内で暮らしている犬のことを言います。大きさや性質などに関係なく、飼い主の適切な管理のもと室内で過ごしている犬、というだけのことなのです。
ですからまず、室内犬だからという理由で散歩がいるいらないという話はできません。
そして、トイプードルという犬種は元々は鴨猟犬として改良されたスタンダードプードルを小型化して作られた犬種です。猟師が鴨を銃で撃ち、撃たれて死ぬか怪我をした鴨を時には泳いで回収しに行っていたのがスタンダードプードルです。
それだけアクティブな仕事をしていたので、小型化されてもそれなりの運動量が必要だということがおわかりになるかと思います。そして、その習性や気質は今のトイプードルも受け継いでいます。ですから家の中での遊びだけでは一日に必要な運動量をまかなうことはできません。
それだけでなく、遊び好きで活発なトイプードルは、家の中だけでは精神的にも肉体的にも刺激が少なすぎてストレスがたまってしまいます。それを解消するためにもお散歩は必要なのです。
お散歩はしつけの一環としても有効
プードルはとても活発で明るく、他の犬や人に友好的であることが多い犬ですが、中には警戒心が強かったり少々神経質(臆病)な性格の子もいます。
どんな犬でも子犬時代の社会化期に様々な経験をさせることはとても大事ですが、警戒心が強かったり神経質であったりする犬の場合には、その時期に色々なことに慣れさせることが特に重要です。
警戒心や臆病さが強い犬は社会化期であっても恐怖や不安を感じるでしょうが、それをできるだけ軽減させるためにも、外へ出て色々な人や犬に出会って社会性を育み、人間社会と犬社会の両方へ適応させる必要があります。
また、社会性をしっかり育んでやらないと、定期的なトリミングを必要とするトイプードルにとっては犬と飼い主の両方にとってトリミングの度に大きなストレスを受けることになります。
定期的にきれいにシャンプーしてもらったり、トリミングしてもらえないと毛が伸び、毛玉ができるなど生活に支障をきたしてしまいます。
もし、あなたのトイプードルが警戒心が強いタイプで、臆病で飼い主さん以外の人を噛んだりしてしまえば、いくらプロのいるドッグサロンでも断られてしまうことがあります。
そうならないためにも、社会性を育むお散歩はトイプードルにとって必要不可欠なのです。
トイプードルの散歩デビューはいつから?
子犬のトイプードルは活発で元気いっぱいです。室内を走り回って大暴れするため、早めに散歩デビューしたいと思われるかもしれませんが、実は犬には散歩デビューさせる前に行っておくべきことがあります。
トイプードルをはじめ、犬の散歩デビューのタイミングは3回目の混合ワクチン接種を終えてから14日後(2週間後)が推奨されています。生まれたばかりの子犬は、免疫力が低く外部からの脅威に対して脆弱です。家の外や散歩中にすれ違った他犬には目に見えない細菌やウイルスが多く存在しており、免疫耐性が備わっていないと犬伝染肝炎や犬バルポウイルス感染症などを引き起こす恐れもあります。
ワクチンは接種したら、すぐに効果が現れるわけでもなく複数回に分けて投与することで免疫力を獲得できます。具体的にいつから散歩デビューできるかは、かかりつけの動物病院に相談しましょう。
また、初めて散歩に連れ出すときはいきなり地面を歩かせるのではなく抱っこやキャリーに入れるなどして慣らしておくことをオススメします。
トイプードルに必要な散歩の「時間」「距離」「頻度」の目安
トイプードルはお散歩が必須で、それなりの運動量が必要ということがお分かりいただけたかと思います。では、実際にどのぐらいの、時間、距離、頻度でお散歩をすればいいのでしょうか?
トイプードルのお散歩に適切な「時間数と時間帯」
適切な散歩の時間
適切な時間というのはその子の性格やお散歩の内容によっても変わるので一概には言えませんが、最低でも一日30分は必要なのではないでしょうか。
同じ子でも気温や湿度、体調、室内での遊び方、緊張するような出来事があったかなどによりその時にちょうど良い運動量は変わってきます。そこは飼い主さんが判断して調整してあげましょう。
また、鴨猟犬時代のように筋肉が発達していたり関節が丈夫な子ばかりではありません。特に未成熟な子犬の時は、一度に長い時間のお散歩は避け、10分~15分程度のお散歩を数回に分けて行くのがおすすめです
適切な散歩の時間帯
- 夏場:日差しが強い時間帯を避けて、涼しい朝や暗くなってからがおすすめ
- 冬場:日が出ている温かい時間帯がおすすめ
夏場は暑さ、冬場は寒さに気をつける必要があります。小柄なトイプードルは、地面との距離が近いため、地面から感じる温度の影響を受けやすいです。
暑い日は、アスファルトの温度が60℃以上にまで上がることもあるため、熱中症と道路の素材によってはやけどにも注意が必要です。飼い主さんが外に出てみて「涼しくなったな」と思ってもアスファルトや地面近くはまだ熱いことがよくあります。
「もう散歩に丁度良いくらい涼しくなったか」を判断するには、しゃがんで見て地面から熱気を感じないか、道路を触ってみて熱くないかをチェックしてみてください。
寒さについては、体が冷えすぎると犬自身も散歩に行きたがらなくなったり免疫力が下がったりすることがあるため、こちらも注意が必要です。
お散歩に行く時間は固定したほうが良いのかしないほうが良いのかは、犬の性格や飼い主によって変わってきます。毎日同じ時間にお散歩に行っていてその時間に行けなかった時に犬がストレスを感じてしまうようであれば、お散歩の時間は固定しないほうが良いかもしれません。
犬の体内時計は、驚くほどに正確です。いつものお散歩の時間が近づいてくると、そろそろだよね?と、アピールをしてきます。吠えたり飼い主さんにまとわりついたりすることもあるでしょう。
そして何かの都合によりお散歩に行けなかった場合、いつもの散歩に行けないことに対するストレスを大きく感じてしまう場合には、お散歩に行く時間は日によって変えることをおすすめします。
逆に、神経質で不安を強く持つタイプの犬の場合、いつも決まった時間にお散歩に行ってあげることで犬がより安心して過ごすことができるでしょう。
また、苦手な犬や苦手な状況(ゴミ収集車が通ったり人通りが多い、苦手な犬が散歩をしているなど)を避けるために決まった時間にお散歩に行ったほうが良い場合もあります。
お散歩の時間を固定したいけれど犬が要求吠えや過度な催促をするようにならないか心配な場合には、お散歩に行くことを決める主導権は必ず飼い主さんにあるようにしましょう。
犬に催促されたからお散歩に行く、という状況は作らず、「犬は静かに待っている。私がおいでと言ったから来て、リードをつけて、静かに玄関から出ていく」ようにしましょう。
トイプードルのお散歩に最適な「距離」
時間と同じで犬によって適切な距離も違いますし、またお散歩は距離を歩けばいいというものでもありませんが、トイプードルのお散歩に必要な距離は、一般的には1回あたり1~2kmほどかと思われます。
歩くスピードや他の運動量(ドッグランや庭で走ったり、室内で遊んだり)によっても必要なお散歩の距離が変わってきますし、同じ距離を同じスピードで歩いたとしても、犬が興奮してリードを引っ張りながら歩いたのか、においをたくさん嗅ぎながら歩いたのか、飼い主さんの
横についてリラックスして歩いたのかなどによって犬の疲れ方、満足の仕方は変わります。ですので、実際には、愛犬の歩くスピードや、疲れ具合などを見ながら調整していきましょう。
外には刺激がいっぱい。動物は体を動かす事が自然の摂理だと考えさせられます。おかげでよく食べ、よく寝ます。
トイプードルに最適なお散歩の「頻度」
トイプードルに最適なお散歩の頻度は、毎日が基本です。
そして、1日に最低2回を基準に、1回であまり距離をとれないようでしたら、回数を増やすことで必要な運動量を取るようにしてください。
愛犬の様子をしっかり観察しながら、体に負担をかけ過ぎない程度に、お散歩の時間・距離・頻度を調整していきましょう。
トイプードルの散歩に最適な気温
モフモフな被毛が特徴的なトイプードルですが、意外に寒さへの耐性が低い犬種です。トイプードルは上毛のみで構成されているシングルコートの品種であるため寒さに対して耐性が低いです。散歩に最適な気温は20~25度とされており、暖かめな気温帯が好ましいです。
冬の季節は寒さが増し、最低気温も低くなりがちです。寒い日には、犬用の防寒具を着せてあげて散歩中凍えて体調を崩さないよう配慮してあげてください。
寒さに弱い一方で、暑さにも注意が必要です。特に日本は夏の気温が高くなりがちです。犬は人間よりも放熱が苦手な生き物なので体温が高くなりがちです。油断していると散歩中に熱中症を引き起こす恐れがあります。気温が25℃を上回っている時間帯は散歩を控え、夕暮れや早朝など比較的涼しい時間帯に散歩へ連れていきましょう。
日差しが強く気温が暑い日に散歩する際、なるべくアスファルトを歩くのは避けましょう。太陽の熱でアスファルトが熱を持ち、犬が肉球に火傷を負う恐れがあります。暑い日は公園の芝生や土の地面など火傷の心配が少ないところを歩かせるよう工夫しましょう。
トイプードルの散歩で冬と夏の対策法
トイプードルは寒い冬だけでなく暑い夏にも散歩中気を配らなければならないことがあります。対策を怠ってしまうと体調不良や熱中症を招く恐れがあるため、飼い主さんも注意しなければならないポイントです。ここではトイプードルの冬と夏に気を付けたい散歩の対策法を解説します。
夏の散歩はアスファルトにも注意
日差しが強い夏の季節はアスファルトも熱を持ちやすいです。夏の地表温度は60度以上になることもあり、そのまま犬を歩かせると肉球を火傷させてしまう恐れがあります。夏の間は、できる限りアスファルトを避けるか、地表温度が下がりやすい早朝や夜間の時間帯に散歩へ連れていってあげましょう。
冬の散歩は暖かく
トイプードルは寒さに弱い犬種です。寒さが厳しい冬の季節にそのまま散歩へ連れていくと体調を崩してしまう恐れがあります。冬の散歩対策としておすすめなのが犬用防寒着です。犬用防寒着には機能性重視の物から可愛いデザインの服まで多種多様です。ご自宅のトイプードルに合った商品を探してみてください。
トイプードルの散歩で気をつけたい事
トイプードルの体質や性格をしっかり把握した上で、楽しくお散歩に出かけましょう。ここでは、トイプードルの飼い主の心得をご紹介します。
お散歩前に毛玉チェック
トイプードルは、全身がカールのかかった毛に覆われています。そのため、この毛質のせいで、ほこりや小さなゴミ類がからまりやすくなっています。
そして厄介なことに、毛玉ができているとそこにもどんどん色々な物がからんでしまいます。
毛玉ができている状態でお散歩へ行ってしまうと、枯葉や小枝がからんだり、虫がからんだりして収拾がつかない状態になってしまうことがあるのです。
そうなってしまうと自宅ではなかなか毛玉がほぐせなくなり、ドッグサロンできれいにしてもらうにしても、毛玉料金がかかってしまうこともあるのです。
そこで、それを防ぐために、お散歩前に毛玉ができていないかチェックし、普段から愛犬のブラッシングをしてあげるようにしましょう。
ブラッシング方法は皮膚を傷つけないよう力を入れず、回転力で毛をとかしていくと良いそうです。不安な場合は、トリマーさんからレクチャーを受けましょう。
夏場のお散歩は涼しいお洋服を
ペットのトイプードルで定番のカットスタイルは、胴体を短くバリカンでカットするスタイルです。このカットスタイルはお手入れが楽で毛玉ができにくいという点でおすすめです。
しかし、もし夏場の日差しが皮膚に当たりやすくなってしまうのではないかと心配でしたら、UV加工とひんやり加工がされたワンちゃん用の洋服を着せることをおすすめします。
これを着てお散歩に行けば体温が上がるのをを抑えてくれますし、毛を短くした皮膚を守ることもできます。
お散歩の時に出会う人や犬にいきなり近づかない!触らせない!
社会性を身に付け、しつけの一環として有効なのが「お散歩」です。トイプードルは、一般的に明るく友好的ではありますが警戒心が強く少々神経質な子もいます。
自分の犬が社交的だとしても、相手の犬がどんな性格かは分かりませんし、相手の犬や飼い主さんが他の犬との交流を望んでいない場合だってあります。
そのため、知らない人や他の犬とのファーストコンタクトには、十分注意しましょう。はじめて会う人や犬に対して、いきなり友好的になれるケースばかりではありません。犬にもフィーリングがありますので、いきなり近づかず、様子を見てあげましょう。
この時にリードを短めにして、おすわりさせて気持ちを落ち着かせてあげると良いです。また、人や他の犬が近づいてきて愛犬が吠えなかったとしても、愛犬の顔色や様子を見てあげてください。
恐がっているようだったら、まだ慣れてないので触ったりそれ以上近づくことをしないように相手にお願いするのもトラブル回避のマナーです。
トイプードルに限らずどんな犬でも、性格や体調などは様々です。他の犬と交流しないことは悪いことではありませんし、犬が喜んでそうしたがっていないのに強制することでもありません。
ご自分と相手の犬の性格や様子をよく見て、他の犬とあいさつをさせるか、触れ合わせるかの判断を飼い主さんがしてください。
トイプードルが散歩を嫌がる場合の理由と対処法
トイプードルのお散歩は、無理せず楽しいのが一番です。嫌な気持ちになったり、怖い思いをしたらそれがトラウマになり、お散歩が嫌いになってしまうこともあります。
お散歩は良いこと!楽しいこと!と覚えてもらうことが、お散歩嫌い克服の近道です。トイプードルは、飼い主さんと楽しく遊ぶのが大好きです。飼い主さんが神妙な顔にならないよう、一緒にお散歩を楽しんでいきましょう。
まずはリードに慣れさせよう!
初めは、リードに慣れてもらうことから始めましょう。
リードを愛犬の目の前に置きます。そして鼻をつけて確認する様子を見せたら、その時におやつを少量与えます。これによりリードに対する印象を良くします。
慣れてきたらリードを愛犬につけてみましょう。そして落ち着くまで様子を見て、落ち着いたらおやつをあげます。これをしばらく繰り返しましょう。
首輪にも慣れていない場合には、同じようにまずは首輪というものに慣れさせ、その後少しずつ首輪が犬の体に触れることに慣れさせていきましょう。
そして最終的に首輪が首のまわりについている状態に慣れさせます。
テーブルの脚にリードをつないで訓練
リードをつけられていることに慣れてきたら、テーブルの脚にリードをくくりつけて自分の意思で好き勝手にできないことを教えると良い、という人もいます。
リードでテーブルの脚につながれたまま落ち着きをみせるまで待ち、落ち着いてきたらおやつをあげて、リードをつけて大人しくしているといいことがあるというのを教えると良いそうです。
お部屋の中でお散歩してみよう
リードに慣れてきたら、いよいよお散歩の予行練習です。いきなり外へ行かず、まずはお部屋の中で練習しましょう。愛犬にリードをつけておすわりさせ、手には細かくしたおやつを持ちます。そして愛犬の鼻にその手を近づけながら歩いてみましょう。
しばらくお部屋の中を歩き回ったら、褒めてあげておやつを与えます。これを繰り返すことで「飼い主さんと一緒に歩くことは楽しいこと」と教えます。
楽しいことが大好きで、飼い主さんと遊ぶのが大好きなトイプードルの特徴を生かし、飼い主さんの気持ちも楽しい嬉しいという気持ちで、表情を明るくしてあげるようにしてください。
この練習になれたら、同じ要領で外のお散歩へいきましょう。おやつだけでなく大好きなおもちゃを持って、公園で遊んであげる時間も作ると、さらにお散歩が大好きになります。
外でのお散歩の練習も、最初は静かな場所と時間帯を選んで行いましょう。慣れたら、少しずつ家から離れたところ、人や犬が歩いているところ、車通りが多いところなどと、犬の気が散る要素が多い場所での練習も行うようにしましょう。
トイプードルがお散歩で歩かない時
リードにも慣れて、いざお外にお散歩に出てみたものの、固まって歩かないこともあります。もしくは、最初は問題なく歩いていたけど、途中で急に歩かなくなったということもあります。
愛犬がお散歩で歩かなくなるのには、いくつか理由が考えられます。考えられる原因に合わせた対処法が必要になりますので、そちらに関しては、下記の記事を合わせてご覧になってみてください。
散歩から帰った後に必要なお手入れ
楽しいお散歩から帰ってきたら、まずは足をキレイに拭いてあげましょう。どうしても汚れが気になる場合は、足だけぬるま湯で洗ってあげてください。
洗った後は、濡れたままにせず、しっかりドライヤーなどで乾かすようにしましょう。湿ったままだと、雑菌が繁殖しやすく、ニオイや皮膚病の原因になってしまいます。
また、トイプードルの毛はカールしているため、ゴミや虫がからまりやすいです。お散歩後は、何か毛に絡まっていないか、全身をチェックするようにしてください。
このようなお手入れを嫌がる場合にも、ご褒美を使って少しずつ慣らしていくと良いでしょう。
まとめ
トイプードルのお散歩は、ただ外に連れ出すという単純なことではありません。トイプードルの毛質の特徴や性格の特徴を十分熟知して、飼い主が適切な管理をしてあげましょう。
そしてお散歩は良いこと、楽しいことだということを教えてあげて、遊び好きで飼い主さんが大好きなトイプードルのためのお散歩を心がけてください。