犬の肉球、何故そんなにやわらかいの?
犬の体の中でも肉球はとても特徴的です。ブニブニとしていて、ザラザラとしていて、不思議な触感ですね。何度も触りたくなってしまうのですが、あまり触るとすぐ手を引っ込めてしまいますね。そのプニプ二、ザラザラは犬にとって特別に大切は場所のようです。さて、犬にとってどんな働きをするのでしょうか。
痛覚、触覚、圧覚、温度
犬の肉球は、この4つの仕事をこなしています。
- 痛覚◇その地面はどれくらいの刺激なのか
- 触覚◇その地面はどのような素材なのか
- 圧覚◇その地面は触れるとどれくらい圧迫感があるのか
- 温度◇その地面の温度は何度ぐらいなのか
肉球は、犬の靴
歩くとき、人の歩行は歩く時に踵から着地しますが、犬はつま先の肉球から着地します。歩行において、犬と地面が最初に触れる場所は肉球です。
肉球は、犬にとって靴の働きをします。一歩ずつ、4つのことを確認しています。
しかし、取り替えができない靴です。傷ついてしまうと、再生能力が低いと言われる靴です。
寒さに強い
雪の上や寒い場所では、肉球はとても強いと言われます。(もちろん過度な運動によって損傷することもあります。)肉球が冷やされると静脈が冷やされて冷たくなりますが、すぐ側にある動脈によって暖められます。
そのため、体が冷たくなることを防ぎます。
しかし、逆に熱に弱いです。熱いコンクリートでは火傷の恐れがあります。
汗を出してストレス発散
肉球には汗腺があり、エクリン汗腺という場所から汗が出てきます。その成分は殆ど水分です。
体の温度調節のために、またストレスを感じた時に汗をかくと言われており、肉球はその汗の出口です。その汗をフル活用して、角質が「ひび割れ」するのを防いでいます。しかし、汗がなければひび割れてしまいます。
土の上では
外飼いが多く、土に触れる機会が多かった昔は、暑い日でも太陽の熱は土に吸収されていました。そして外で肉球は鍛えられていたのですね、固かったのです。
しかし、室内飼いが多くなり、鍛えられることなく肉球は柔らかくなっていきました。さらに、道路もコンクリートが多くなっていき、驚くほど熱くなりました。
やわらかい肉球に熱いコンクリートで、犬の肉球は怪我をすることが多くなってしまったのです。
破傷風の恐怖
破傷風菌は人畜共通感染症の一つです。
怪我をした時、傷口から侵入して最悪5日で死亡する怖い病気です。頭から痙攣がはじまります。傷ついた肉球は、最悪このような感染症にかかることもあるのです。
怪我をしてしまった時はどんなに小さな傷でも、ほっておくことはせず、水で洗うことをお勧めします。出血していたら止血をします。他の菌がつかないように、包帯などで手当をします。
滑ったり、生活に支障がでると思うので、見守りが必要です。良くならなければ病院に相談します。
肉球は、ケアが必要です
肉球は、怪我の予防のためにケアが必要です。乾燥する冬場は特にクリームでケアをして、乾燥を防ぐことが大切です。舐めても安全なものを使いましょう。
足を清潔にして、肉球に馴染ませて使用します。(今は滑らない良質なクリームもあるそうです。)
コンクリートが熱くなっている時間帯は散歩を避けた方がいいです。(体感温度を下げる、熱いコンクリート対策のクリームもあるようです。)
基本的にはコンクリートが熱くない時間帯に散歩をします。
夏場は早朝と夜の散歩がいいと思います。
トリミングをして、肉球にある毛をカットすることは、室内で飼う上で滑り防止となる他、クリームも塗りやすくなります。
散歩では、飼い主が歩く道、犬が歩く道は平行していて重なりません。ガラスなど、危険なものを早めに発見して、道を回避しましょう。