犬のお手入れにおけるNG行為①「綿棒を使って耳の中のお手入れをする」
愛犬の耳の中のお手入れは、どのようにされていらっしゃるでしょうか。ペットショップやホームセンターなどでは、犬用の綿棒や、犬用の耳のお手入れ用のクリーナーが売られていますが、ご存じでしょうか。
犬の耳の中のお手入れをしてあげたいと思い、購入された飼い主さん、実際に使用された飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。実は、綿棒を使って犬の耳の中のお手入れをすることは、あまり良い行為ではありません。
なぜ、綿棒を使って耳の中のお手入れをしてはいけないのか
犬は、耳の病気になりやすい動物です。特に、外耳炎や外耳道炎になり、病院で診察を受けたことで発見されるケースが多くあります。外耳炎や外耳道炎を発症する原因のひとつに、綿棒を使ったお手入れがあげられています。
耳道を綿棒で擦り続けていると、その刺激によって、表面の皮膚が、どんどん分厚くなっていきます。厚さが増せば増すほど、耳道が狭くなり、通気性が悪くなります。そうすると、耳の中が不衛生な状態となり、雑菌が繁殖しやすい状態となり、抵抗力が落ちます。これらが、外耳炎や外耳道炎の主な原因なんです。
耳の中のお手入れはどうしたら良い?
耳垢やニオイが気になるときは、獣医さんの診察を受け、適切な処置を行ってもらいましょう。飼い主さん自身が適切な正しいお手入れを行うことができるのであれば、犬用のイヤークリーナーや、お手入れのために必要な道具を、獣医さんに処方してもらうこともできます。
ぜひ、相談されてみてください。耳の病気は命に直結するものではありませんが、脳に近い場所であるため、脳に影響することがあります。十分に注意してお手入れしてあげましょう。
監修トリマーによる補足
耳掃除は人間と同じように行なってしまうとトラブルになってしまうことが多いです。綿棒で擦りすぎてしまうと耳内を傷つけてしまい外耳炎の原因になってしまいます。
耳掃除を行なう場合は、イヤークリーナーを使用し綿棒ではなくコットンで優しく拭き取ってあげましょう。
犬のお手入れにおけるNG行為②「皮膚のお手入れについて」
動物病院で治療を受けている犬の多くが、皮膚病を理由に通院しているとされています。皮膚病は、原因を突き止めることが難しく、治療を開始するまでにも時間がかかってしまうため、悪化してしまいやすいのです。皮膚病を発症する原因は様々ですが、飼い主さんによる、間違った皮膚のお手入れが原因であることもあります。
間違ったシャンプーによる「接触性皮膚炎」
接触性皮膚炎は、皮膚に対して刺激の強いシャンプーが原因で起こる可能性のある皮膚病です。低刺激なシャンプーであっても、シャンプーを頻繁にしすぎてしまい、発症することもあります。犬用のシャンプーであれば良いというわけではありません。愛犬の皮膚の状態に合わせて、適切なシャンプーを選ぶ必要があります。
愛犬のシャンプーは正しく行えているでしょうか。トリミングサロンでシャンプーをする場合も、愛犬に適したシャンプーであるとは限りません。皮膚に異常がある場合には、シャンプー剤や洗い方に改善が必要な場合もあります。
間違ったブラッシングによる「マラセチア皮膚炎」
マラセチアという真菌は、正常な皮膚の状態であっても、犬の皮膚に常に存在している、常在菌です。間違ったブラッシングによって、皮膚の状態が悪化し、皮脂の分泌が増えるのと同時に、真菌が過剰に増殖します。そうすると、皮膚がベタベタし、独特な悪臭を発生させ、大きなベタついたフケが出るようになります。
毎日のブラッシング、適切に行えているでしょうか。ブラッシングをしすぎて、皮膚の傷つけるようなことがあってもなりません。ブラッシングをほとんどせず、皮膚にホコリやフケや抜け毛がたまったままの状態にしておくのもよくありません。皮膚の状態、被毛の状態など、愛犬に合った、正しいブラッシングを行ってあげましょう。
監修トリマーによる補足
皮膚病のわんちゃんはとても多いです。定期的にわんちゃんにあったシャンプー剤で優しく洗ってあげ、きちんとしっかり乾かしてあげることが重要です。
多頭飼いの場合も1頭1頭それぞれにあったシャンプーを選んであげる必要があります。サロンに行く場合も皮膚被毛の状態に合わせたシャンプーをセレクトしてくれるお店で相談すると良いでしょう。
ご自宅でのブラッシング方法が分からない場合も相談してみても良いでしょう。
まとめ
犬の飼い主さんがやってしまいがちな、犬のお手入れにおけるNG行為について、
- 綿棒を使って耳の中のお手入れをする
- 皮膚のお手入れについて
この2つをテーマにご紹介しました。
お手入れのNG行為、行っていませんか?正しいお手入れ方法がわからないときは、かかりつけの獣医さんに相談されてみてください。その場で正しいお手入れの方法を指導していただくことができます。そうすれば、自宅でも愛犬のお手入れを正しく行ってあげることができますね。