犬にしじみを与えても大丈夫?
犬にしじみを与えても大丈夫かという疑問ですが、結論から言うと犬はしじみを食べることができます。私たち人間もしじみ汁などしじみを使った料理を食べることがありますが、犬も同じようにしじみを使った手作りごはんを食べられるのです。
また、最近では犬用の無添加手作りフードが市販されることが多くなり、その中にはしじみが入っている物も多くあります。手作りが苦手という方でも、このような市販のフードを使用することで、手軽にしじみを使った手作り食を与えることができますよ。
また、しじみには犬に必要な栄養が豊富に含まれています。私たち人間にとっても健康フードと呼ばれるしじみは、犬にとっても健康に良い食材なのです。
犬にしじみを与えることで期待できる効果効能
犬も食べることができるしじみは、健康フードとしても有名で、良い効果が期待できる成分を多く含んでいます。ここでは、中でも犬に期待できる効果を持つしじみに含まれている栄養素をご紹介します。
しじみのオルニチンで肝・腎臓機能の働きを助長
しじみが健康フードと呼ばれる大きな理由となるオルニチン。オルニチンは肝臓や腎臓の働きを助ける効果を持つので、肝臓や腎臓が弱っている老犬などにも効果があるでしょう。
さらに最近の研究結果によると、オルニチンを持つしじみを冷凍し、解凍して使用することでオルニチンを8倍まで増やすことができるということが判明しました。
ぜひ愛犬にしじみを使った手作りごはんを食べさせる場合は、あらかじめ砂抜きし冷凍させてから調理するようにしましょう。
タウリンで心臓や視力を正常な状態に保つ
また、様々な効能を持つタウリンもしじみには含まれています。犬の体内で合成されているタウリンですが、食事から摂取することで、欠乏症を防ぐことができます。
タウリンは心臓や眼、皮膚といった様々な部位に良い効果を与えてくれます。例えば心臓であれば心筋の収縮作用を促す効果が期待できます。タウリンは心筋細胞内外へのカルシウムの移動を調節することにより、心筋をより収縮させます。タウリン不足と拡張型心筋症との相関も報告されています。
さらにタウリンは眼においては角膜や網膜の細胞修復を助ける働きも持っているので、特にシニア期に入る犬は積極的に摂取したい栄養素でもあります。皮膚のバリア機能に繋がる栄養素でもあるため、皮膚に悩みをかかえる飼い主さんにも嬉しいですね。
鉄分で貧血を予防!
ヘモグロビンに含まれ、赤血球により酸素を体中に運ぶ働きを担う鉄分。鉄分もしじみには含まれているので、鉄分を補う効果も期待できますよ。
しじみに含まれる亜鉛で免疫力向上が期待できる
犬にとって亜鉛はとても重要な栄養素の1つです。そんな亜鉛もしじみには含まれているので、免疫力を高めたい犬に最適です。
亜鉛には前述したとおり、免疫力を高める効果の他にも細胞の再生を促す働きがあります。この亜鉛が不足してしまうと体の様々な部位が衰えてしまう恐れがあります。
亜鉛が不足しているサインとしては、フケが多く出るようになったり、カサカサするといった皮膚の乾燥による症状があげられます。
犬に食べさせたい!しじみ汁の作り方
続いて、栄養価の高いしじみを使った犬用手作りレシピをご紹介します。人間も作ることの多いしじみ汁です。もちろん人間よりも塩分を入れないようにするなどの工夫が必要です。スープであれば飲みやすいですし、簡単に作ることができるので、ぜひ挑戦してみてくださいね!
材料
- しじみ:30ヶ
- 小松菜:10g
- 舞茸:10g
- 減塩味噌:2g
- 水:適量
手順
- しじみは塩水につけて砂出しをする
- 鍋に水としじみを入れて火に掛け、沸騰してしじみの殻が開いたらアクを取る
- 食べやすい大きさに切った舞茸と小松菜を入れ、味噌を加えてスープ完成!
ポイント
しじみ汁を作る際には、必ずしじみの砂出しを行う必要があります。下処理として、濃度1%の塩水に3~6時間浸すことで砂出しを行うことができます。しじみは生きている状態なので、塩水中で砂を吐き出してくれます。
また、工程2で火にかけてお湯を沸騰させ茹でています。このようにしじみは、しっかりと火を通すことが重要です。
しじみを始めとした貝類全般は、ビタミンB1を分解してしまうチアミナーゼを含んでいます。チアミナーゼは加熱によって働かなくなるので、しっかりと火を通しチアミナーゼによるビタミンB1分解が起こらないようにする必要があります。
犬用しじみおすすめ商品
しじみを与えたいけれど、作る時間がない、という方は、市販の犬用フードを使うことをおすすめします。すでに手作りされた犬用フードはもちろん、しじみエキスを含んだサプリなどもありますので、ぜひ愛犬に合ったしじみ商品を選んでくださいね。
犬用無添加スープ しじみと煮干しのスープジュレ
しじみ汁をジュレ状にして固められた犬用のインスタント食品。4つの方法で食べることができるのも特徴的で、解凍してジュレのまま、お湯をかけてしじみ汁として、ご飯の上にかけておかゆのようにして、さらに暑い日には冷凍したまま与え、体温を下げることもできます。
冷凍した状態であれば約6ヶ月間持つので、まとめ買いをして冷凍保存しておくのも便利ですよ。必要なときに必要なだけ与えることができるのも魅力ですね。
犬用手作りスープ しじみと馬肉のスープジュレ
こちらはしじみ汁に馬肉を加えたスープをジュレ状にしたものです。しじみ汁だけだとなかなか食が進まないという犬でも、馬肉が入っているので食欲を促すことができますよ。
この商品も冷凍したジュレのまま舐めることができるので、暑い夏に愛犬のおやつとして与えることもできますね。なかなか自分から水分を摂ってくれないという犬でも、ジュレを舐めたり、液体にして飲ませることで脱水対策にもなります。
犬猫用サプリメント 肝パワー元気
しじみエキスとカキエキスを配合した、肝臓の働きをサポートしてくれるサプリメントです。人間のようにタブレット式ではなく、粉末状になっているので、普段食べているドッグフードや手作りごはんに振りかけて与えることができます。
肝臓が弱ってきているシニア犬におすすめの商品ですが、アレルギーなど他にも病気を患っている犬の場合は、かかりつけの獣医さんに相談してから使用するようにしてください。
犬用手作り無添加ごはん 大山鳥むね肉のポトフ しじみ汁煮込み
愛犬のごちそうにも最適なしじみ汁で煮込んだ野菜を使った犬用ポトフ。見た目もカラフルで可愛らしく、しじみの味が染み込んでいるので美味しく食べることができます。特別な日のお祝い料理にもおすすめです。
野菜やしじみなど、様々な栄養素を同時に摂取できるので、普段から栄養に不安を感じている飼い主さんも安心ですね。
6ヶ月間冷凍保存ができるので、「すぐに食べなくちゃ」と焦る必要もありません。また、解凍後は冷蔵保存で2日間もつので、小型犬の場合は2日間に分けて与えることもできますよ。
しじみ以外の海産物を犬に食べても大丈夫?
しじみは犬にとっても肝臓や腎臓の働きを助けてくれたり、免疫力を向上させるなど、健康に良い効果を与えてくれます。では、しじみ以外の海産物を犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
基本的に人間が食べられる貝は、犬も食べることができますが、貝によっては犬にも人間にも健康被害をもたらす場合もあります。アワビやトコブシなどのアワビ類とサザエには時期によっては自然毒が含まれているため、最悪の場合、耳が壊死してしまう恐れがあります。
しかし、前述したとおり、すべての海産物が食べられないわけではありません。現にしじみは良い食品として紹介しています。あさりやハマグリ、えび、ほっき貝などはしじみと同様、食べることは可能です。
ただし、自然毒が含まれない貝を使い、チアミナーゼが働かないようにしっかり加熱することが重要です。さらにすべての食材に言えることですが、消化があまり良くない貝類は与えすぎには特に注意しましょう。
しじみを使って愛犬の手作りごはんを作ってみよう
いかがでしたでしょうか。しじみはしっかり加熱処理をし、毒性を排除すれば与えることは可能です。自分で調理をするのが心配な方は、市販で販売されているすでに調理されている物を与えることもできますよ。ぜひ皆さんもたまの贅沢や肝臓強化にしじみを与えてみましょう。
海産物には、それらが食べた餌に由来する自然毒が含まれることがあります。しじみやあさりなどの二枚貝には、麻痺や下痢などを起こす複数の自然毒が確認されています。
アワビ類とサザエには、2月~5月に光過敏症を起こすピロフェオホルバイドという自然毒が含まれることがあります(サザエでは少量)。ピロフェオホルバイドを摂取した後に日光に当たると皮膚の腫れや痛みを生じます。
犬や猫では、その皮膚の痛みやかゆみのために耳をひどくかいてしまって耳が損傷、壊死することがあったようで、東北地方には「春先のアワビのツノワタ(内臓)を食べさせるとネコの耳が落ちる」という言い伝えが古くからあるそうです。
自然毒のリスクは犬にも人間にも同様にあります。自然毒は、加熱調理をしてもなくなりません。市販されている貝類は自然毒についても検査をされて出荷されているものなので心配ありませんが、潮干狩りで採取した貝類は、犬に与えるのは避けた方が良いかもしれませんね。
≪参考≫ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/poison/index.html