犬にアジ(鯵)を与えても大丈夫!
結論から言えば、犬にアジを与えても大丈夫です。アジは、ローカロリーな上にたくさんの栄養が含まれています。シニア犬や肥満犬、胃腸が弱い犬用の、無添加ドッグフードの原材料としても多く使用されているほど万能な食材です。犬用おやつとしてもアジのジャーキーがあるぐらいですから、犬にとってアジはぜひ与えたい魚なのです。
犬にアジを与えるメリットや栄養素
アジのタンパク質で健康的な体作りが可能!
アジのタンパク質には、犬が体内で合成することのできない、必須アミノ酸10種がすべて含まれています。必須アミノ酸は、生きていく上で欠かすことの出来ない栄養素ですが、必要なアミノ酸の種類や数というのはそれぞれの動物ごとに違います。
アミノ酸はタンパク質の元であり、生命活動の維持や血液、筋肉、骨などを作るためにも必要な栄養素なので、犬にとってのアジは、食事で摂らなければいけない必要な栄養素をすべて摂ることのできる食材なのです。
アジのセレンで犬の免疫力アップに老化防止も!
アジにはミネラルの一種である、セレンが多く含まれているのも特徴です。セレンには強い抗酸化作用があるため、犬の老化防止にもなるだけでなく、免疫力をアップさせてくれ、ガンやアレルギーなどの予防にも効果があります。
1尾を100gとして、皮つきのままアジを焼くことで、生鯵の2倍弱の約78μgのセレンを摂ることができ、同じ100gの豚レバーから摂れるセレン67μgよりも多いことが分かります。ミネラルの摂り過ぎを気にされる方もおられますが、体重5kgの犬が1日に摂取しなければいけない目安は30μgで、上限は210μgなので、与えすぎなければ特に問題はありません。
アジのDHAとEPAで認知症の予防や血流サポート
アジにはオメガ3脂肪酸である、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれています。現在、オメガ3脂肪酸はさまざまな健康に効果があることで、注目されていますが、犬にとっても素晴らしい効果をもたらしてくれます。
ガンの予防や治療を始め、脳の健康維持による認知症の予防、学習能力や記憶力を高める、目や網膜の視神経に作用、視覚回復サポート、血液中の悪玉コレステロールを下げる、血流サポートにより血栓の詰まりによる動脈硬化の予防などの効果が認められています。
犬にアジを与える時の注意点
犬にとってアジが素晴らしい食材とは言っても、与える際に気を付けなければいけないこともあります。アジに限らず、何でも与えすぎは肥満だけでなく、栄養素の摂り過ぎによる体調不良を引き起こす可能性がありますが、ここでは犬にアジを与える時の注意点を5つご紹介します。
生の状態で与えるのはやめよう!
アジを犬に与える際は、必ず火を通すようにしましょう。アジの刺身であっても、アニサキスによる食中毒が心配され、アニサキスが胃や腸に寄生してしまうと腹部の激痛や嘔吐、さらには内臓疾患などの危険が伴います。
アニサキスは加熱されると死滅するため、例え刺身でも与える前に湯通しする、アジをしっかり煮る、焼くなど、必ず加熱をするようにしましょう。また、茹でるとアジの栄養素が茹で汁に流れ出てしまうため、焼いて与える方がおすすめです。
アジの骨は取り除いてから与える
犬にアジを与える際は、骨や小骨を取り除いてから与えるようにしましょう。基本的に犬はものを食べるときに、咀嚼は行わず丸飲みしてしまいます。アジの骨や小骨が犬の喉や胃腸に刺さってしまったり、引っかかって傷つけてしまう恐れがあります。
アジを与える前には身をほぐして、小骨をチェックするようにしましょう。魚の骨にはカルシウムが含まれるため、愛犬に骨ごと与えたいと思う方も多いと思います。その時は、アジをミキサーなどで細かくすり潰して、つみれ状にしてから与えるようにしてください。
魚の皮は細かく切って与える
魚の皮にはオメガ3脂肪酸やセレン、コラーゲンなどの栄養が身よりも多く含まれているため、細かく切って与えるようにしましょう。犬がそのまま丸飲みしてしまうと、上手く消化できないため、せっかくの栄養素が体に取り込まれずに出てしまうことにも。ひと手間かかりますが、愛犬の健康維持のためにも、細かく切ってあげましょう。
ヒスタミン食中毒
アジを含む青魚には、アミノ酸の一種であるヒスチミンが含まれています。魚が死ぬことでヒスチミンが化学物質であるヒスタミンを作りだします。ヒスタミンは加熱しても減ることはなく、常温で長時間放置しているとヒスタミンが増加し、ヒスタミンによるアレルギーのような食中毒を起こす可能性があります。
冷凍したアジであっても、解凍後からヒスタミンの生成が急激に行われるため、できるだけ鮮度のいいアジを購入するか、冷凍されていたアジであれば、解凍後はすぐに調理するようにしましょう。ヒスタミン食中読の症状は、嘔吐や下痢、顔の腫れや体の赤味、蕁麻疹やめまいなどがあります。
アレルギーに注意!
いくらアジがアレルギーの少ない魚と言っても、魚自体にアレルギーを持っている犬もいます。初めて与える際には少量から始め、愛犬の体調に変化がないか見守る必要があります。
何らかのアレルギーを持っている、もしくはアレルギー症状が表れたことのある犬は、アジを与える前に獣医師に相談してみましょう。
犬に食べさせたい!アジを使ったおすすめレシピ
アジの効果や注意点を分かっていただけたところで、せっかくなら愛犬に美味しくアジを食べてもらいたいですね。そのままでも十分美味しいアジですが、アジを使ったおすすめレシピをご紹介します。
おやつにも最適!アジバーグ
材料
- アジ...2尾(約200g)
- 白菜...大きい葉を1枚
- 人参...3分の1
- ひじき...ひとつまみ
- しいたけ...1個
- 生姜のすりおろし...少々
- 豆乳...大さじ2
- 卵...1個
- 高野豆腐...2分の1個
作り方
①アジは三枚おろしにして、頭や皮、骨を取り除き豆乳に浸けておきます。(頭の方から皮を引っ張ると皮が簡単に剝けます)
②白菜は粗みじん切りにして、レンジで1分~2分程度チン!します。
③しいたけはみじん切り、人参はすりおろし、ひじきは水に戻してみじん切りにします。
④高野豆腐は固いまますりおろします。
⑤フードプロセッサーにアジと生姜のすりおろしを入れて、軽く混ぜます。
⑥そこに卵を入れて軽く混ぜ、高野豆腐を入れてまた軽くまぜます。
⑦更に、白菜、人参、ひじき、しいたけの水分を絞って、全部投入して、しっかり混ぜます。
⑧愛犬の食べやすい大きさに形を整え、油を薄く敷いたフライパンに並べて弱火~中火で8分ほど焼きます。
⑨片側が焼けたらひっくり返し、蓋をして5分~10分程度焼きます。
⑩粗熱が取れたら出来上がり!愛犬に与える分以外はラップに包み冷凍保存してください。
アジバーグはそのままでもご馳走ですが、ほぐしてフードのトッピングやそのままおやつとしても最適です。鯵バーグは冷凍保存もできるため、いつでもレンジでチンすれば愛犬に与えることができるので、おすすめですよ!
食いつき抜群!アジごはん
材料
- アジ...1枚
- プチトマト...2つ
- 水菜...3分の1輪
- しめじ...適量
- オリーブオイル...適量
- ごはん…1杯
作り方
①アジは焼いてほぐしておきます。
②しめじ、水菜、プチトマトを小さめに刻みます。
③小さめのフライパンにオリーブオイルを少量入れ、しめじを炒めます。
④しめじに火が通ったらプチトマトを入れて、更に炒めます。
⑤水菜を入れて、軽く火を通す程度に炒めたら、予めほぐしておいたアジと、炒めた野菜をごはんに混ぜて出来上がり!
アジごはんは、5kgの犬で約3食分程度の分量になっています。具材だけ用意しておいて、必要なごはんの量にその都度混ぜてあげてもいいですね。簡単にできますが、ちょっとしたご馳走としても喜ばれるアジごはんもおすすめですよ!
犬が食べてはいけない魚と食べれる魚
犬はアジを食べても大丈夫ですが、食べてはいけない魚はあるのでしょうか?普段何気なく私たちが口にしていますが、犬に与えてはいけない魚はこちらになります。
- 魚の干物ししやも
- イカ
- タコ
- エビ
- カニ
- クラゲ
- 貝類
- 魚の頭や内臓、エラや鱗、ゼイゴ
犬に塩分が多い干物類や、消化に悪いイカやタコ、エビ、カニ、貝類などは与えてはいけません。逆に犬に与えても大丈夫な魚はマグロ、カツオ、タイ、ヒラメ、カレイ、ほっけ、鮭、タラ、太刀魚、ハマチ、イワシ、サバ、ブリ、サンマ、アジなどです。ただし、魚は必ず加熱して与えてあげてくださいね。
まとめ
今回は、アジのもたらしてくれる効果や与える際の注意点についてご紹介しました。アジには犬に必要な必須アミノ酸がすべて含まれているため、ぜひ与えてあげたい食材です。そのままでも犬は喜んで食べてくれるアジですが、たまにはちょっと工夫してあげるのもいいですね!犬にとってメリットいっぱいのアジを、愛犬にぜひ食べさせてあげましょう!