犬の噛み癖をしつけ直す方法
お酢や専用スプレーを利用する
手軽な噛み癖防止にお酢を使う方法があります。臭いや刺激を感じたり、お酢の味を敬遠して噛まなくなりますので、噛んで欲しくない物にスプレーしておくとよいでしょう。
犬の嗅覚は人間の100万倍~1億倍と言われています。お酢と水の割合は、1:100くらいで十分なので、濃すぎないように注意してください。
お酢と同じ効果を得られる市販のスプレーも販売されています。犬が噛んだとき、苦い、まずい、といった嫌な記憶が刷り込まれ、噛まなくなる効果が期待できます。
メーカーにより味に違いがあるのでいくつか試してみるとよいでしょう。健康被害もなく、家具などにも影響がない成分で作られているので安心です。
噛んでもよい物を与える
犬に噛んでよい物といけない物の区別をさせることで、噛み癖を直すことができます。そのために、犬が楽しんで噛める物を与えてください。虫歯予防を兼ねたガムや、噛み応えのある骨やおもちゃを選んであげると良いでしょう。
噛んでよい物を与えるときは、飼い主は大袈裟に楽しそうにしたり、犬の頭を撫でてあげるのがよいでしょう。すると犬は「これは噛んでも大丈夫」と認識し、ほかの噛んではいけない物から意識を遠ざけることができます。
無視
犬が手や体を噛んできた場合は、何も言わずに無視してその場をさっと離れ、それまでの空気を一気に変えてしまいましょう。「遊んで欲しかったのに、大好きな飼い主がいなくなってしまった」といった記憶を、噛んだ直後の記憶として植え付けるのです。
とくに子犬に効果的と言われていて、噛んだらつまらない状況になることを子犬が学習し、噛み癖をやめさせることができます。
マズルコントロール
犬が噛んだとき、マズルをつかみ「いけない」と厳しい声で伝え、しつけるという方法があります。これをマズルコントロールと言います。母犬は子犬がいけないことをしたとき、マズルを噛むという行動を取って子犬を叱ります。また、マズルはつかんだ相手に降伏しているという意思表示になるので、主従関係がはっきりするのです。
マズルコントロールは、犬が噛んだ直後に行わなければ噛み癖対策にはなりません。間が空くと、犬はなぜ叱られたのかわからなくなるからです。さらに犬が興奮状態にあるときは、自分が噛まれてしまう可能性もあるので、対策としては若干コツが必要かもしれません。
プロに相談する
犬がまだ子犬の場合はよいですが、成犬になってからの噛み癖をしつけ直しするのは、大変な苦労と時間が必要となるでしょう。そのような場合はプロの手を借りるのも対策の1つです。特に成犬の場合、それまでの生活を一気に覆すような、徹底した矯正が必要になることもあります。
しつけ教室の種類には、飼い主と犬が一緒に参加して噛み癖を直す講習や、犬だけ一定期間預けてしつけてもらう、ドッグトレーナーに自宅に来ていただく方法など、さまざまなタイプの教室があるので、ご家庭の希望に合うしつけのプロを探してみましょう。
犬の噛み癖が直らない原因と対処法
生理的
子犬も人間の赤ちゃんと同じように歯の生え変わり時期があります。これを歯牙脱換期(しがだっかんき)といい、子犬は歯や歯茎にむず痒さや小さな痛みを感じています。これ自体は生理的な理由なので防ぐことはできませんが、いつまでもそのままにしておくと、成犬になっても噛み癖が直りません。
歯をむず痒がっている場合は、噛んでも良いおもちゃやガムなどを与えてあげましょう。口の中の不快感を取り除き、噛みたい欲求を満たしてあげることで噛み癖を抑えることができます。
本能的
犬は防衛本能が強い生き物です。不審なものや敵と思ったものに警戒して唸ることで、相手を威嚇します。また、吠えたり噛みつくことで自分の身を守ろうとしているのです。怒りや興奮、何かに対する抵抗や恐怖心で噛んだりする場合もあります。
噛み癖は子犬のうちにコントロールしておく必要がありますが、実際は子犬が本能で噛んだときに、飼い主がすぐに対応できないまま成犬になっているケースが大変多いです。
子犬の頃から飼い主との主従関係をはっきりさせ、飼い主が、「いけない!」と言った言葉を犬が理解し噛むことをやめる、根気のいるトレーニングが必要となります。
ストレス
何らかのストレスを感じて噛み癖をおこす犬もいます。犬を寂しがらせたり、怖がらせたりしたことはないでしょうか。また、お気に入りの毛布やおもちゃを処分されて心の拠りどころを失った場合や、突然環境が変わった場合にも、無意識に噛む行為で気持ちを紛らわそうとすることがあります。
心当たりがある場合は、可能な限り元の状態に戻してあげましょう。また、普段からたくさん遊び相手になり、犬の好きなことを飼い主が一緒に楽しんであげることで精神的に落ち着きます。
遊びの要求
犬は遊んで欲しいという要求を飼い主に伝えるため噛んでくる場合があります。自分に意識を向けたい一心で、一生懸命アピールをしているのです。これは前足でツンツンと要求してくるのと同じ意味合いで、犬にとっては足か口の違いだけで特別な認識がありません。
飼い主は犬の要求に応じているつもりがなくても、噛んだときに飼い主が自分に目を向ければ、犬は気持ちが通じたと思ってしまいます。これが繰り返されると噛み癖がついてしまうのです。
また、噛んだときの飼い主の反応を見て、遊んでくれていると思い込むケースもあります。噛まれたときの飼い主の反応が楽しくますますはしゃいでしまうのです。特に女性の高い声で叱っても、犬は叱られていると認識しないようです。
この場合は無視をすることが一番よいでしょう。叱ったり視線を向けたり、反応することが要求に応えていることになるからです。
しかし、「要求に応えない」イコール「遊ばない」ではありません。犬と一緒に遊ぶことはとても大切です。日頃から一緒に遊ぶ時間をしっかり作り、犬の欲求を満たしてあげましょう。
病気
犬の中には脳の異常による噛み癖を持つ犬もいます。例として、てんかんなどの脳疾患で噛む場合があります。また、精神不安定の病を抱えている犬が噛むこともあるようです。そのほか口腔内の炎症や痛みを紛らわそうとして噛むことなども考えられます。
病的なものかどうかの判断は素人では難しいです。あまりにもひどいと感じる場合は、病院で診察や検査をしてもらうことをおすすめします。
犬の噛み癖のしつけでやってはいけないこと
長時間のしつけ
犬の集中力は一説では10分~15分程度と言われています。噛み癖をなんとか直そうと思うあまり、一度に無理やり覚え込ませようと思っても、犬は飽きてしまいかえってストレスを招くことになります。
一日の中で長くても15分、2回くらいを目安におこない、その後は犬がリラックスできる時間を作ってあげましょう。可能であれば、毎日決まった時間で行うとしつけの時間も犬の生活リズムとなり、負担は軽減されるでしょう。
体罰
噛み癖を直すため、ときには厳しく毅然とした態度をとることは非常に大切です。しかし、しつけ中に犬を叩いたり暴力的な行動は、犬を怯えさせるだけでよい効果は得られないでしょう。
攻撃性が強い犬の場合、逆に反撃に出て人が怪我を負う可能性もあります。犬との信頼関係を築いていくためにも、怖がらせる方法は避けたいものです。犬にも心があるということを私たち人間も心にとめておかなければなりません。
犬歯切断
犬歯切断は歯の上部を外科的手術により削る(切断する)処置です。歯が危険だから、噛まれたら大変だからという理由で、先手を打って犬の歯を切断しておこうと考える方も稀にいるようです。
ですが、それは噛み癖を直す根本的な解決にはなっておらず、しつけではありませんよね。歯を切断したことで、飼い主が犬のしつけをしなくてよいと考えてしまうことも問題です。
犬の歯に健康上の問題があり、切断が必要な場合は仕方がないでしょう。しかし、切断によって噛み合わせの不具合など、別の問題も生じるリスクがあります。切断は慎重に考えなければいけない方法でしょう。
甘噛みの放置
子犬がじゃれて、手を甘噛みする行為を「まだ、子犬だから」「甘えてきて可愛い」と思って放置していてはいけません。そのまま成犬になってしまい、人間の手は噛んでよい物と犬が認識し噛み癖に繋がってしまうからです。
噛んできたら「いけない!」と毅然といい、すぐに手を隠すなどの行動を根気よく繰り返してください。
犬の噛み癖防止グッズおすすめ4選!
ビターアップル スプレー
犬や人、家具材などに考慮された成分で作られた噛み癖防止スプレーです。味に苦みがあるので、繰り返しスプレーすることでその場所を噛まなくなります。また、家具以外にも手に吹き付けることもできます。
Littlegrassjp犬のマズル
犬の噛み癖防止だけでなく、治療中の患部をなめたり、かじったりしないためにも使用できる口輪です。メッシュ素材で柔らかさもあり、固定用のナイロン製の縄は高品質なので長く使用できます。サイズの微調整も可能です。
Running Pet ペット用口輪
マズル部がアヒルの口型になっている可愛い口輪です。噛み癖を防止しつつ、愛犬をアヒルに変装させることができます。装着も簡単で犬自身では取り外しにくくなっています。固定用のナイロン製の縄は高品質なので、長時間使っても外れにくく、劣化しにくい素材です。
[urban field] 犬 おもちゃ 噛む玩具 噛み癖予防 しつけ 6個セット
天然コットン100%素材のおもちゃ6個セットです。飼い主と犬が一緒に遊べるおもちゃ3種類と、一人遊び用のおもちゃ3種類がセットされています。歯の生え替わり時期の子犬が、むず痒さを取り除きながら楽しんで遊べるように考えられたおもちゃで、噛み癖の予防に役立ちます。
▼「犬のしつけの基本」を知りたい方はこちら
まとめ
噛み癖は子犬の頃からのしつけが大変重要です。成犬になっても噛み癖が直らないのは、飼い主側にも大きな要因があるのです。逆に言えば、成犬でも飼い主との主従関係をきちんと覚えこませる基本に立ちかえれば、改善される可能性は十分にあると言えるでしょう。
犬の個体差や犬種が持つ本能の差もあるので、必ずしつけ直せるとは言い切れませんが、飼い主が常に噛み癖をやめさせることを意識し続けることはとても大切です。ときにはプロに頼り、犬には噛んでよい物も与えてあげて、犬の噛む性質をうまくコントロールしていきましょう。
ユーザーのコメント
30代 女性 ちくわ♂の母
噛み癖について、どうしたらよいか困り果てています。夫婦で同じようにしつけていますが、私にだけ噛みつき方がすごいです⤵︎噛み付いたら二度と離さないかのように服や手を引っ張り続けるので、叱った後無視ということが出来ません。そして、さらにテンションが上がって最終的には唸り、力が強くなってもう根負けしてしまいます。なので、ハウスに戻す方法をとっていますが、少し経ってハウスから出すとまたすぐに噛みます。
バカにされてるのかなと思ってしまい凹みます。
噛んだらハウスに入れる方法を根気強く続けるしかないでしょうか。
ハウスを嫌いになってしまうことはないのでしょうか。不安でいっぱいです。
30代 女性 joe
うちの犬は、歯の生え変わりが過ぎてからはだいぶ収まりましたが、クッションや布団など噛んではいけないものを噛むことをしたときには、大きな声で「いけない」と言い、しばらく無視をすることを繰り返すことと、おもちゃ遊びを一緒に存分にやってあげることで大人になってからは噛まなくなりました。
以前ドッグカフェで、体重が3kgに満たない小さなトイプードルが私のカバンの中に顔を突っ込んだので「ダメだよ」、と頭を反らそうとしたら指を噛まれ、しかも噛んだまま離さずぐーっと力を込められ爪に歯の穴が開いたことがありました。飛んできた飼い主さんが上あごと下あごを両手で開いてようやく解放されました。幸い爪のある部分で少ししか血が出ませんでしたが、超小型犬でも手に穴が開くくらいの力があることを知っておいた方が良いと思います。
その犬の飼い主さんは知らない人でしたが、手が傷だらけでした。相手が子供だったら大変です、どんなに小さな犬でも、噛み癖がある犬を公共の場に連れて行くのは決してやってはいけないもんだと思いました。
20代 女性 コナ
私は愛犬が子犬の頃を思い出してずーっと一緒に遊んでいたのですが、子犬だからか遊んでいるおもちゃも私の手も構わず噛む噛む。赤ちゃんの尖った歯なので、これがまた痛い!
人様の家のわんちゃんなのに、つい自分の愛犬が子犬だった頃のように、おもちゃで遊びながら私や友人の手を噛みだしたら、マズルを握って目をみて「NO」と本気度MAXのこわーい声で言い聞かせるを繰り返していました。
友人は初めて犬を飼ったので、マズルを握ったことがないと驚いていました。あまり強く握ってはいけませんが、私の飼っている犬はマズルを握られるのが大嫌いなため(ほとんどの犬がそうだと思いますが)、これでだいぶ噛み癖はなくなりました。
やんちゃ盛りの月齢4カ月ですから、根気強くやらないとダメでしょうが。賢くて明るい子なので、へこたれることなく遊んでは噛んで怒られて、を延々繰り返していましたが、ちょっとずつ人間の手を噛んだら「やばい、ペロ」となっていました。
30代 女性 nico
女性 いちごジャム
一番効果テキメンだったのが、犬に教えてもらうことでした!
他のわんちゃんにこっぴどく怒られながら、甘噛みがいけないものだとわかってくれました。
人間が教えるより、やっぱり犬同士の方が早いんですね。
30代 女性 ひまわり
うちの子も繰り返し教えられるうちに「これはダメな事なんだ」と理解して、徐々に頻度は減っていきました。家族のなかでも言う事が変わると混乱するそうなので、予めしつけのルールを決めておくのは本当に大切です。
20代 女性 まりもママ
おすわり、待て、お手などは完璧なのですが、甘噛みが叱っても、無視をしても、ケージに入れて落ち着かせても一向に治りません…
むしろ怒るとヴゥーっと唸り手、足を余計に噛んできます。
まだ赤ちゃんの歯でも興奮してる時などは結構痛く困っています…
噛んで良いおもちゃは認識しているようでよく1人で噛んで遊んでいるのですが、まだ手や足をおもちゃだと思っているのでしょうか…??
まだ家に来て2週間ぐらいなので根気よくしつけしていきます…
ちゃんと噛みグセが直るか心配です…泣