歯磨きは健康維持にとても重要
犬の歯磨きは、数あるお手入れの中でも難易度が高く難しいお手入れの一つです。しかし、歯の健康を保つことは愛犬の健康維持にとってとても重要なことで、歯をきれいにしておくことは様々な病気の予防にもつながりますよ。歯垢は食事の後約1日以内につくられ、約3日間で歯石になってしまうと言われているので、歯石を予防するためにも毎日歯磨きをして、歯垢をとっていくことが重要になります。
10歳頃の犬の約70%に歯周病の原因となる歯石が付いているとされ、歯周病になると次第に歯茎がやせ細っていき、歯がぐらぐらして抜けたり顎や頬の骨を溶かしてしまったりします。歯周病にならないために歯磨きをすることはとても大切ですが、実際は歯磨きを続けることが難しい飼い主さんも多くいます。その理由の一つが、犬が歯磨きを嫌がってしまうということが大きいですよね。どうすれば犬の歯磨き嫌いを克服することができるのでしょうか?
犬に歯磨きを慣れさせるには?
口の周りを触られることに慣れさせる
犬の口周りや鼻先はとても敏感なため、触られることを嫌がる犬は多くいます。歯磨きを始める前に口周りを触られることに慣れさせることから始めてみましょう。
最初は口周りを優しく触ることから始め、慣れてきたら唇をめくって歯を見せることに慣れさせていきます。慣れないうちは短時間で止めて、少しでも大人しくできたらご褒美をあげるようにしてください。嫌がるそぶりを見せたらすぐに止めて、口周りを触られることが嫌にならないように気を付けます。
指で歯を触ることに慣れさせる
口周りを触ったり、歯を見せたりすることを嫌がらなくなったら、次は指で歯を触ってみます。前歯から始めて奥歯まで優しく触って慣れさせていきます。最終的に口を開けさせて歯の裏側も触れるようにしていきます。慣れてきたら指にガーゼや歯磨き用シートを巻いて歯を磨いていきます。一度に全部の歯を磨く必要はないので、犬が嫌がらないように少しずづ磨いていってあげてくださいね。
歯ブラシを使って磨いてみる
慣れてきたら次は歯ブラシを使って歯磨きをしていきましょう。ガーゼやシートを指に巻いたものだと、細かい部分の歯垢が取れにくいのでやはり歯ブラシを使った方が効果的に歯磨きができます。
ただ、いくら指で歯磨きされることに慣れていても、いきなり歯ブラシを口の中に入れるのはハードルが高いので、まず歯ブラシを噛ませたりして遊びの延長のようにして歯ブラシの感触に慣れさせてあげます。慣れてきたら歯ブラシにペット用の歯磨きジェルをつけて、少しずつ歯を磨いていきます。このときも犬が嫌がったらすぐに止めて、数日かけて歯磨きしていくようにしてください。
歯磨きのコツ
強くこすらないようにする
汚れを取ろうと強くこすると歯茎が傷ついてしまう恐れがあり、犬も痛いので嫌がってしまいます。歯ブラシを持つときは鉛筆を持つようにして軽く握るようにしてください。歯を磨くときも大きくゴシゴシ動かすよりも、歯にブラシを当てたらそのまま小刻みに動かして1本ずつ丁寧に磨いてあげてください。
口の大きさにあった歯ブラシを選ぶ
歯ブラシは愛犬の口の大きさにあったものを用意してください。ペット用のものか、人間の子供用の歯ブラシを代用したりもできます。先が細くとがっているものや、ブラシがぐるっと丸くついている歯ブラシなど、様々な形状のものがあるので自分の使いやすさや、愛犬が嫌がらないものを見つけてみてくださいね。
無理やり押さえつけない
歯磨きのときは膝に仰向けに寝かせて対面の状態で行ったり、後ろから抱えるように口周りをもって行ったりと、愛犬にあったやり方で行うようにしましょう。嫌がって逃げようとするのを無理やり押さえつけたりするのは止めてください。歯磨きを嫌がるようになるだけでなく、興奮して噛みついてしまったり、無理な保定で犬がけがをしたり、歯ブラシが刺さってしまう危険もあるので注意が必要です。
まとめ
歯磨きの訓練は子犬の頃から徐々に始めていき、焦らずにゆっくりと進めていくのがポイントです。ご褒美を与えながら慣れさせていき、歯磨きで嫌な思いをさせないようにしていきましょう。歯をきれいにすることは犬の体にとても大切なことですので、愛犬のためにも歯磨き習慣を作っていってあげてくださいね。