子犬の夜泣き
寂しい
これまでいた環境から全く異なる環境にやってきて、みんなが寝静まった静かな夜、ひとりぽっちにされて不安になるのは人も犬も同じこと。
犬は、体が何かに触れていない状態に置かれると不安になる習性があるのですが、
特に子犬の場合は、母親が体をなめてやったり、兄妹同士でくっついて眠ったりするなど、たえず接触による刺激があり、相互の接触の刺激と温もりを感じることで安心感を育てていくもの。
急にむき出しでひとりに置かれるのはかなり不安なことなのです。
対応
・ハウスにタオルやクッションを
これから大きく育つのだからと、大きなハウスやケージの中にポンと入れていませんか? 余分なスペースにはタオルやクッションなどを詰めてやり、その中に包まれて過ごせるようにしてあげましょう。ただし、ギュウギュウ詰めでは動きを妨げてしまいますので、適度に動ける余裕を持たせてください。タオルなどの代わりにぬいぐるみを入れてあげるのも良いでしょう。
・湯たんぽをタオルにくるんでハウスに入れてあげる
人肌程度のあたたかさが、親兄弟犬のぬくもりの代わりをしてくれることを期待して。低温火傷をしないようタオルにくるんで、じんわりした温もりが伝わる程度の温かさにしましょう。
・時計やラジオをタオルにくるんで置いてあげる
迷信みたいな気もしますが、これが意外と利にかなっているらしく、
時計の規則的なチクタク音が母犬の心臓の鼓動に聞こえるので、安心するのだそうです。
ラジオの場合は音量をごく小さくして流しっぱなしにしてみましょう。
子犬の場合、聞き慣れないごくかすかな家鳴りや風の音が不安で夜泣きする場合があります。
そんな時、ラジオから一定の音量で流れる音や人の声が聞こえていることで、他の不規則な音から気をそらす効果も期待でき、安心させるのに役立つようです。
試し鳴き
最初は小さく「クーン、クーン」といかにも寂しげだった夜泣きがだんだん大きくなっていったり、そのうち「キャンキャンッ!」と強い口調になっていったら、「どこまで鳴けば構ってくれる?」と飼い主さんを試しているのかも。
そばにいけば鳴きやむけれど、離れるとまた鳴き始めるというケースは多く、これは子犬が「鳴けば来てくれる。構ってくれる」と学習した結果。このサイクルは断ち切らないと延々と続く悪循環になりがちです。
対応
・無視する
構ってほしくて鳴く子犬を無視するのは、ちょっと胸が痛むかも知れませんが、この時期に悪い習慣をつけてしまうと、「鳴けば要求が通る」と学んで、何でもかんでも吠えて要求するコになっては困ります。
「ダメなものはダメ」という、一貫した姿勢を示すことは、これから共に良い関係を築いて行くうえで大切なことなのです。
・ハウスやケージを布などですっぽり覆う
飼い主さんの気配を感じると鳴き始めるコは多いので、ハウスやケージの上から大きなタオルや布をすっぽりかけて、周りの様子が見えないようにしましょう。
最初のうちは、それでも要求鳴きを続けるかもしれませんが、犬は学習し、諦めることを知る生き物でもあります。
時間がかかるかもしれませんが、「鳴いても構ってくれるわけではない」と学んで、そのうち諦めることでしょう。
運動不足
子犬は、だいたい18〜20時間は眠ると言われており、おうちに迎えた最初のうちは睡眠と覚醒のタイミングが人間の生活になかなかうまく噛み合わず、昼間はよく眠っているのに、夜になると暴れ出して寝なくて困るということも起きがちです。
対応
・日中はしっかり運動させる
ワクチンを終えたコなら、お散歩以外にもドッグランなどに連れて行って他の犬達と遊ばせたり、広場でロングリードをつけて思う存分駆けさせ、エネルギーを発散させると良いでしょう。
・眠ってほしい時間の前に遊んで発散させる
ご飯を食べた直後は満ち足りて眠ってしまうものですが、そのままだと人間が寝る支度を始めた頃に再び目覚めて暴れ出し、夜泣きにつながるかもしれません。
そういう場合は、人間の家族が部屋の電気を消して本格的に寝床に向かう前に、しばらく子犬と遊んであげると良いでしょう。
・寝る前に「おすわり」「ふせ」「まて」など基本のトレーニングをする
体を使うだけでなく、頭を使うことも子犬にとっては結構、エネルギーを使うものですし、眠っている間に学習したことが情報処理され定着するという説もあります。
新しいことをどんどん吸収する子犬の時期に毎日の習慣にしていけば、しつけの効果も上がり、子犬も疲れてぐっすりと、一石二鳥です。
成犬の夜泣き
基本的には、無視する、ハウスやケージの上から布で覆って周りの様子が分からないようにする、日中に十分に運動させるといった方法は、子犬の場合とほぼ同じ考え方です。
運動不足が原因の場合の対応
子犬期〜青年期の犬にとって運動不足は大きな問題です。成犬期にはかなりの運動量が必要な犬種もあり、日中、十分にエネルギーを発散できていないと、夜になって落ち着かず、吠えて要求するようになるかもしれません。ご自分の犬種が、基本的にどれくらいの運動量を必要とするのか、しっかり把握して運動欲求を満たしてあげることが大切です。
それでも尚、習慣化した夜鳴きがなかなか改善しない場合は、夜、ハウスやケージで休ませる時に、知育トイを使うのも効果的です。転がしたりなめたりしていると間の小さな穴からおやつがこぼれ落ちてくるタイプの知育トイに集中している間は夜泣きはできませんし、適度に頭を使うことで疲れて眠りに移行することが期待できます。
老犬の夜泣き
高齢のワンちゃんの夜泣きが始まると、「とうとう認知症に?」と思ってしまうかもしれません。確かにその可能性もありますが、普段の生活面で特にまだ認知症の兆候が見られないような場合は、ワンちゃんの気持ちになって、ちょっと考えてみましょう。
体の老化による夜泣きと対応
体の老化に伴い目や耳が衰えることで、夜になると周囲がさらに暗くて見えづらく、音も聞こえづらく不安になる、ということのはワンちゃんも同じこと。
そういう時には、やはり飼い主さんの存在は大きいもの。「ここにいるよ。こわくないよ。大丈夫だよ」と声や態度で伝えてあげましょう。
日中はリビングに居場所を設け、夜は飼い主さんの寝室にハウスを移してあげるなど、常に飼い主さんの気配が伝わるようにしてあげましょう。
認知症からくる夜泣きと対応
夜中、単調な夜泣きをしたり遠吠えをしたり、同じ場所をグルグル回ったりといった症状が出てきたら、認知症を疑うべきかもしれません。
日光を浴びさせて体内時計の調節を
認知症になるとワンちゃんの体内時計が狂い、昼夜逆転しがちです。そのため見当違いな夜中に「お散歩の時間だよ〜!」「ご飯はまだ〜?!」と要求しているのかもしれません。
健康に支障がなければ、日中は眠らせたままにしておかず、できるだけ明るい時間帯にお散歩に出かけて十分に太陽の光を浴びさせたり、家の中では日の当たる明るい場所で過ごさせたりして、くるいがちな体内時計を調整してあげましょう。
声をかけ体に触れる機会を増やそう
老犬になると、表面的にはっきりと障害として現れていなくても、足腰の関節が痛んだりうっ血してしびれるなど、ワンちゃん自身にしか分らない不調も生じてきます。そうした体の不快感が夜泣きにつながる可能性もあります。
夜、眠る前に、体中をよくマッサージしてあげて血流を良くし、心と体を十分にリラックスさせてあげるのも、認知症には効果的です。これまでのようなコミュニケーションが取りづらくなってきている認知症の愛犬と飼い主さんとの絆をしっかり結ぶ意味でも、とても重要な時間となるでしょう。
これまで夜鳴きをしなかったコが夜鳴きするようになったら病気を疑って
突然夜鳴きするようになった、あるいは鳴き方やタイミングがどこかおかしいと感じる場合は、神経系に異常が起きているかもしれませんし、その他にも病気や体の痛みが原因になっているかもしれません。
日常の様子も観察しつつ、何かおかしいと感じたら、獣医さんに相談することをおすすめします。
夜鳴きには必ず理由があるもの。まずは原因の確認を。
同様に、やはりいつも夜鳴きなどしない子がクンクン、キュウキュウ、ワンワン吠えている場合、もしかしたら寝床のタオルが絡まって居心地が悪い、トイレシーツがめくれてしまって用が足せない、あるいは何かに足が挟まって抜けない、おもちゃがハウスから届かない場所に転がっていってしまったなど、人間にしてみればごく他愛無いながらも、ワンちゃんにとっては大いに居心地が悪く眠れない状態に陥っていることもあります。
子犬や老犬の場合、何かに絡まって動けなくなったりした場合、体を傷つける原因にもなりかねません。「うるさいな〜、そのうち鳴きやむだろう」と看過せず、必ず様子を見に行ってあげてほしいと思います。
薬やサプリ、フラワーレメディでの対応
認知症や神経系の病気などで、自力では夜鳴きが改善できないといった場合は、獣医さんと相談の上、精神安定剤や睡眠薬といった薬に頼らざるを得ないケースもあります。
また、薬以外の選択肢としては、様々な栄養サプリやハーブのサプリ、また最近特に注目されているフラワーレメディが市販されていますので、獣医さんや専門のセラピストに相談して利用するのも良いでしょう。
まとめ
原因のない夜鳴きはありません。
ワンちゃんが何かを訴える時には、声を上げるしかないのです。
夜鳴きには、飼い主さんが汲み取り切れていないワンちゃんの気持ちや、体の不調、痛み、病気が隠されていることもあるでしょう。
まずはワンちゃんの気持ちになって原因を探ってみてください。飼い主さんが一生懸命対応を考えることが、場合によっては夜鳴きの改善だけでなく、ワンちゃんとの心の絆を強めることにもつながっていくことをお忘れなく。
ユーザーのコメント
30代 女性 KOUME
夜泣きのせいで、寝不足が続き、結局寝室を同じにしてしまいました・・・今となってはもっと我慢強くしつけをすれば良かったなと思います。
20代 女性 小夏
いつもの家と違うところにお泊まりするとピーピーいったり…旦那が仕事で帰ってこない時もピーピー泣いてました。いつもと違う夜は不安になるようです。
お試し泣きでないならきちんとかまってあげないと不安が倍増してしまうので、ちゃんと側にいてあげてほしいです。
お試し泣きなら、少し放置して様子を見た方がいいですね!
30代 女性 バッハママ
子犬、成犬、老犬で意味が違ってくるのですね。頭ごなしに叱ってはいけないことを学びました。
これからは犬の気持ちになって原因を探ってみようと思います。
女性 匿名
10代 女性 きのこ
その中で1番こまっていたのが「夜泣き」です。夜泣きを聞くと「足がはさまってるのかな?」「寂しいのかな?」なんて言って私も眠れない時がありました。犬のきもちはまだまだわからないけど本当に困ってる時はこうゆう所できいていつものことだったらほかっとらずに様子を見て犬を把握していきたいです
30代 女性 xoxo
目もほとんど見えず、耳もだいぶ遠くなっていたので、家族が近くにいないと不安だったのでしょうか。
近所迷惑も心配し、動物病院で相談したところ、おそらく認知症だと言われました。なので夜は処方された安定剤のようなものを与えて寝てもらっていました。今考えると、かわいそうなことをしていたのかもしれません。
まだ外飼いの犬が主流というか、そのような頃だったので、老犬といえど家の玄関の中に入れてあげるだけの状態でした。一緒に寝てあげれば大丈夫だったのかな、と思い返してしまいました。
40代 女性 こたママ
50代以上 女性 ポチ君ママ
50代以上 女性 匿名
やはり運動不足によるものかもしれません。
50代以上 女性 匿名
10代 女性 匿名
女性 ポテト
50代以上 女性 かれんちゃん
大好きな主人は単身赴任で、帰省しても二日ほどしか、逢えません。パパさんにべったりと後追いも有ります。主人が戻って来た日から、夜中のテンションに変化が始まりました。夜鳴きです。迎えに行くと収まるのもつかの間、すぐに夜鳴きの繰り返し。
夜は一緒に寝ていますが、夜鳴きの後は、私の布団周りを、何箇所も掘り返すので、寝不足の毎日です。
心臓の事も有り、散歩はベランダやマンションの廊下を走ってます。どうしたらいいか、分かりません。