トリミングの必要性
体を衛生的に保つため
子犬は成犬に比べて足の力が弱く、オシッコの際、踏ん張りが効きません。
不安定な態勢で排尿する上、体が小さく地面からの距離も近いため、自分のオシッコの跳ね返りが体にかかってしまいます。
あるいは、離乳食などが口の周りだけでなく、体にこびりついてしまい、体全体が濡れてしまったり、汚れがこびりついてしまったりすることもあります。
そう言った汚れを放置していると、皮膚のトラブルを起こしやすくなるため、シャンプーをしたり、生まれてから一度も切ったことのない被毛を短くカットしたりして、汚れがついてもこまめにお手入れができるようにし、子犬の体を清潔な状態に保つためには、トリミングをする必要があるのです。
寄生虫、病気の予防
まだ散歩に行けない子犬でも、親犬や他の動物がいれば、ノミやダニがつく可能性があります。
被毛を清潔に保っておけば、そういった寄生虫による皮膚トラブルを防ぐことができます。
容姿を整える
犬種によっては、被毛が伸びすぎると、全くその犬種特有の美しさや愛らしさが損なわれてしまうことがあります。
例えば、アメリカン・コッカースパニエルは、生後数か月の子犬でも、プロのトリマーさんにカットしてもらえば、見違えるように愛らしく、美しい姿になります。
監修トリマーによる補足
子犬時期は、排泄回数が多くトイレシーツでの排泄もきちんと覚えていない時期です。そのため、おしっこやウンチを踏んでしまったりその上で寝てしまうことも多いです。
また、フードをふやかしてあげたりと離乳食の時期でもありますのでお口の周りも汚れてしまうことが多いです。
そこでトリミングを行い被毛を綺麗に整えてあげ、お家でのお手入れをしやすくしてあげる必要があります。
子犬をトリミングに出すときの注意点
体調の良い日に連れて行く
トリミングに連れて行く、あるいはお迎えが来る前に下痢はしていないか、食欲はあるか、ふだん通りに元気かどうかをしっかりと確認しましょう。
生まれて初めてのトリミングで体調を壊したり、怖い思いをしたり、イヤな思いをしたら、以後、ずっと苦労するかも知れません。子犬に無理強いは禁物です。
もしも、元気がなかったり、体調が優れないような様子を見せたりしたら、無理はせずに日を改めましょう。
トリミングから帰ったらゆっくりと休ませる
そもそも、犬にとってトリミングされることは、かなり体力を消耗します。
体力を消耗して病気や持病が悪化する可能性があるため、シニア犬や病気の犬のトリミングを断られる場合があるほどです。
ですから、いくらふだん元気な子犬でも、トリミングの後は疲れているはずなので、あまり構わずにゆっくりと休ませてあげましょう。
しっかりと褒めてあげる
トリミングから帰ってきたら、しっかりと褒めてあげましょう。
愛犬にとって、「トリミングしたら嬉しいこと、楽しいことがある」と覚えてもらうことも大切です。
監修トリマーによる補足
子犬のトリミングは今後のトリミングを左右する大切なことです。ですので、体調チェックをきちんと飼い主さまが行い、少しでもいつもより様子が違ったり、ウンチが緩かったりした場合は、必ず日程を変更してもらいましょう。
トリミングはワンちゃんにとって体力を使うものですので終わった後はあまり構いすぎずゆっくり休ませてあげましょう。
もちろん、記事にもあるように終わった後はしっかり褒めてあげることが大切です。トリミングに行くことが楽しかった・褒めて貰えると覚えてもらうことが何より重要です。
トリミングデビューに最適な月齢とは?
三か月未満の間は部分洗いで
生後三か月までは、体温調節が上手にできないので全身のシャンプーはせずに、汚れた部分だけをお湯で洗う程度で済ませましょう。
おうちシャンプーは生後三か月から
全身を洗うシャンプーは、足腰がしっかりしてきた生後三か月を過ぎてからがベストだと言われています。
この際も、無理強いせず、あくまで飼い主さんも愛犬とのコミュニケーションを心から楽しみ、一緒にシャンプーができることを楽しむような気持ちで、楽しくシャンプーをするように心がけてください。
暴れたり、嫌がって言うことを聞かなかったりしたとしても、絶対に怒ってはいけません。
汚れを落とすことよりも「シャンプーを嫌いにさせないこと」も大切です。
トリミングデビューはワクチン接種が全て終わってから一週間後以降に
トリミングサロンは、不特定多数の犬が来る場所です。
ペットホテルやドッグラン、犬と同宿できる宿などでワクチン接種の証明書の提示が求められるように、感染症を防ぐために必要な手続と言えます。
狂犬病を含むワクチン接種後一週間は、体調を崩すことも考えられるので、トリミングデビューは避けましょう。
「初めてのトリミングです」とあらかじめ伝えておく
予約する際に、「今回、生まれて初めてのトリミングで生後〇か月です」とあらかじめ伝えておきましょう。
トリマーさんやサロンによっては、月齢に合わせたシャンプーや、トリミングプランを用意してくれるかも知れません。
わからないこと、気になることがあれば、気が済むまでトリマーさんに尋ねてみましょう。
大切な愛犬を数時間預けるのですから、迷惑がられることを恐れてはいけません。
「このトリマーさんなら信頼できる」と確信した上で、トリミングをお願いするようにしましょう。
まとめ
子犬は、ふわふわの毛で覆われた姿もぬいぐるみのように愛らしいですが、プロの手によって見事に手入れされると、生後数か月のあどけない子犬が、本当に見違えるほど大人びて見えてびっくりします。
ワクチン接種がすべて終わったその一週間後から、トリミングサロンの利用が可能になります。
愛犬が長毛種であれば、トリミングサロンとは長いお付き合いになると思うので、最初のトリミングサロン選びから慎重に選び抜き、信頼できるサロンを見極めましょう。
監修トリマーによる補足
トリミングデビューが可能になる時期はほとんどのサロンで「混合ワクチン」と「狂犬病予防注射」が終わった生後4ヶ月からの場合が多いです。
それまでの間で子犬ちゃんが汚れてしまった場合お家で洗ってあげたくなる気持ちはとても分かります。
しかし子犬の全身シャンプーは「シャワーの水圧が強すぎた」、「鼻に水が入ってしまった」「上手に乾かしてあげられなかった」などと失敗した場合トラウマになってしまうことが多いので出来れば部分的に洗ってあげることをお勧めします。
サロンデビューの際、トリマーさんに色々と相談してみると良いでしょう。その子にあったトリミング方法を提案してくれるサロンを見つけて生涯お任せ出来るお店を探すと良いと思います。