ポメラニアンのカットの種類
毛量が多く長毛種のポメラニアンは、様々なカットスタイルを楽しむことができます。そこで、代表的なポメラニアンのカットスタイルを画像つきで紹介します。是非、カットの参考に活用してください。
1.柴犬カット(豆柴カット)
ポメラニアンのカットの中でも、スタンダードカットとして人気のある「柴犬カット」。柴犬カットは、全身の毛や首回りをスッキリと短めにカットするため、夏場のサマーカットとしても選ばれることが多いスタイルです。
ポメラニアンの丸い目や耳が強調され、かわいらしさを引き立たせることができます。毛の長さは6ミリメートルにカットするのが最適とされており、尻尾の毛をドーナツのようにふんわりと短めにカットするのが特徴です。
また、ウルフセーブルという、毛色の中でも希少なカラーのポメラニアンを柴犬カットにする場合、全体の被毛を短くすることでウルフセーブルのもつ茶色のカラーが柴犬のような見た目になり人気があります。
しかし、成犬になるにつれてカラーの変化があるので、ポメラニアンが子犬のころには柴犬カットはさせず、成犬になってから検討した方がよいでしょう。
2.ライオンカット
顔周りに被毛を長めに残す「ライオンカット」は、ポメラニアンならではの毛量を活かした人気のカットスタイルです。よりライオンぽくするために、体全体を刈り上げ、胸周りや尻尾の先の毛だけを長めに残します。普段のカットスタイルに飽きた飼い主さんにはおすすめです。
ただし、ポメラニアンはバリカンをかけることで、その後毛が生え揃わなくなることがあるため、体の部分をバリカンで短くするのには注意が必要です。そのため「ライオンカット」をする前には、トリマーさんとよく相談してから決めましょう。
3.たぬきカット
「たぬきカット」は、柴犬カットよりも長めに毛を残し、全体的に丸みをもたせることでぬいぐるみのような仕上がりになるヘアカットです。柴犬カットとは違い、全身の毛を整えるので、ポメラニアン特有の丸みや柔らかい雰囲気が活かされます。
また、適度なふわふわ感が残っており、見方によっては、たぬきのように見えるといった特徴があります。
4.サマーカット
「サマーカット」は全身の毛を短くし、汚れやすい胸やお尻まわりの部分をスッキリと短くカットするスタイルです。
ポメラニアンのかわいらしさを残しつつ、お手入れがしやすくなるいったと特徴があります。ライオンカット同様、ハサミではなくバリカンを使用して全身をカットするときは、トリマーさんと相談してからにしましょう。
5.チャウチャウカット
このスタイルは、ポメラニアンの体の毛を短めにカットし、顔周りの被毛を長めに残すヘアカットです。見た目が中国原産の犬種「チャウチャウ」のように見えるため「チャウチャウカット」と呼ばれています。
ポイントは、耳を形にあわせて丸くカットし、少しだけ見えるように毛の中に埋めるようにします。そうすることにより、さらにチャウチャウのイメージに近づけることができます。
6.テディベアカット
「テディベアカット」は、プードルのカットスタイルとして有名ですが、ポメラニアンにも似合うヘアカットです。体は柴犬カットに似ていますが、柴犬カットよりも顔全体を長めにふんわり仕上げ、耳は丸くします。
さらに、マズルの形もお椀を伏せたような丸い形にカットするので、本物のテディベアのような雰囲気に可愛く仕上がります。
7.桃尻カット
できれば全身のカットを避けたい飼い主さんには、ポメラニアンの毛を部分カットをする方法がおすすめです。こういった、お尻などの汚れやすい部分だけを短くカットするスタイルを「桃尻カット」と言い、歩いたときにふりふりするお尻の表情が魅力です。
ポメラニアンのカットスタイルは「キツネ顔」「たぬき顔」で選ぼう
ポメラニアンは、シャープな「キツネ顔」と丸みを帯びた「たぬき顔」の2タイプに分かれています。こういった特徴の違いは生後1カ月ほどで判別できるようになるので、それにあわせてカットスタイルを選ぶとよいでしょう。
キツネ顔におすすめのカットスタイル
マズルが長く、シャープな印象があるため、横顔を見るとすぐに分かるのが「キツネ顔」のポメラニアンです。たぬき顔のポメラニアンに比べると、体つきも大きめの傾向があります。
そのため、夏場でも通気性がよい「柴犬カット」がおすすめです。「キツネ顔」のポメラニアンは、本物の柴犬のような仕上がりになります。
たぬき顔におすすめのカットスタイル
丸顔の「たぬき顔」をしたポメラニアンは、短い鼻が大きな特徴で、体の大きさや耳の大きさも小ぶりな傾向にあります。そのため、中国犬のチャウチャウに見立てた「チャウチャウカット」がおすすめです。
顔回りの被毛に丸みを持たせ、長めにカットしたスタイルは「たぬき顔」のかわいらしさをより引き立ててくれるでしょう。また、ポメラニアン特有の豊富な毛は丸みを保つのに適しており、比較的失敗の少ないカットスタイルとなっています。
ポメラニアンをカットする頻度
個体差はありますが、ポメラニアンのカットは月に1回程度行うのがよいでしょう。基本的にポメラニアンは一定の長さまでしか毛が伸びず、トリミングの必要がない犬種です。
しかしポメラニアンの被毛は、硬くて太いオーバーコート(上毛)と、細くて柔らかいアンダーコート(下毛)の、2層からなるダブルコートと呼ばれる毛で覆われており、換毛期の時期や季節によって抜け毛が多くなったり、毛玉になりやすかったりします。
そのため月に一回程度のカットや、カットの有無にかかわらず毎日のケアで行うブラッシングがとても大切です。そういった中で季節にあったカットを取り入れるのもよいでしょう。
トリミングはいつから?
すぐにでもトリミングに連れて行きたいと思う飼い主さんが多いと思います。しかし、ポメラニアンのカットデビューは、ワクチン接種が完了してからになります。
一般的に最初のワクチンを生後8週間くらいで接種します。その後、生後3カ月くらいで2回目のワクチンを接種します。それから5日ほどでワクチンが安定し、トリミングサロンへ行くことが可能になります。
ポメラニアンをカットする値段
地域や店舗によって違いはありますが、1時間程度のシャンプーが3500円から、2時間程度かかるポメラニアンのカットの値段は5000円前後が目安となります。飼い主さんが希望するカットの仕方やポメラニアンの体の大きさによっても値段は変わってきます。
また、被毛の状態が悪く、毛玉や抜け毛、もつれ毛などが多い場合やカットを嫌がって時間がかかってしまった場合などには、追加でさらに料金がかかってしまう店舗もあるようなので事前に確認することをおすすめします。
思い通りのカットにするためには、オーダーする際にポメラニアンのカット集や動画などを見せ、飼い主さんとトリマーさんの仕上がりのイメージを一致させることが大切です。
ポメラニアンのカットを自宅でする方法
ポメラニアンを自宅でカットする方法を、手順を追って紹介していきます。
用意するもの
ポメラニアンを自宅でカットするときは、以下の道具を用意しましょう。
- トリミング用ハサミ
- スリッカーブラシ(ハードタイプ)
- コーム
トリミングは、まず抜け毛やもつれ毛、毛玉などをブラッシングで丁寧に取り除いてからカットを始めます。毛量が多く毛玉になりやすい「ポメラニアン」には、ハードタイプのスリッカーブラシがおすすめです。
カットバサミは人間の散髪用でも問題ないですが、切れ味のよいものを選びましょう。トリミングで使うハサミは、切れ味が非常に鋭くなっているため、使うときは刃の部分を犬の皮膚に当てないよう注意が必要です。
また、トリミングを行う場所には新聞紙やビニールシートを敷いておきましょう。その他にも、犬がカットを嫌がるような場合には、おやつやおもちゃを用意して機嫌をとるといった方法があります。
仕上がりを具体的にイメージする
切り始める前には、ポメラニアンをどのようなカットスタイルに仕上げたいのか、を部位ごとにイメージすることが大切です。
全体的にふわふわさせてかわいらしい雰囲気に仕上げたいのか、ライオンカットのようにかっこいい感じにしたいのかなど、「ここはこのくらいに切って、このくらい残す」というイメージをしっかりと決めましょう。明確にイメージしておくことで失敗を防ぐことができます。
胴体からカット
イメージができたら、犬が比較的嫌がらないとされている胴体の部分からカットを始めましょう。ポメラニアンのカットは、あらかじめ「この部分は何cmくらい」というように、具体的にカットする長さをとらえておくことが大切です。
ハサミは体に対して平行に持ち、イメージした切りたいラインに添うように下の刃に合わせ、上の刃を動かし少しずつカットしていきます。その際は、皮膚から一定の長さに揃えるようにカットするのがポイントです。
またあまり短く切りすぎてしまうと、毛が伸びるまでに時間がかかるため、首や顔周りは胴体よりも切りすぎないことが大切です。
部分カット
ポメラニアンの胴体がカットできたら、細かい部分のカットをしていきます。耳やつま先といった細かい部分は、コームで毛を引き出してからカットする方法がおすすめです。
耳の形に沿って三角形をイメージし、スッキリとした印象に仕上げましょう。あわせて、耳の中に生えている毛をカットしてあげることで風通しがよくなり、夏場に多い中耳炎といった病気の予防にも役立ちます。
また、つま先は肉球の間の毛を短くカットするため、足の丸みに沿ってハサミを動かすのがポイントです。その他にも、被毛が長いと排泄物がついてしまうため、衛生的にも常に肛門の周辺も短めにトリミングした方がよいでしょう。
注意点
ポメラニアンは毛量が多いので皮膚が分かりづらく、ハサミで怪我をさせてしまうことがあります。しっかりと被毛をかき分け、皮膚を確認してからカットを始めることが大切です。また、カットに慣れないうちは時間がかかり犬の負担になることもあるので、無理せず数日に分けてカットをしていきましょう。
自宅で行うトリミングは怪我をさせやすかったり、イメージ通りに仕上がらなかったりといったことがあります。そのため、基本的にはトリマーさんにカットをお願いすることをおすすめします。
ポメラニアンのカットをしないとどうなる?
ポメラニアンの被毛をカットしないでいると、伸びすぎた毛が目を傷つけたり、視界が塞がれ、毛に覆われた肉球で滑りやすくなったりと、怪我の原因になります。また、尿や便がつき衛生面が保たれなくなるなどといった様々な弊害が起こります。
そのため、清潔を保つためにも、ポメラニアンの顔の毛やお尻周りはカットし、手入れがしやすい状態にする必要があるでしょう。
季節ごとに注意が必要なポメラニアンのカット
犬の被毛には、夏場の強い紫外線から皮膚を守ったり、体温を保ったりといった重要な働きがあります。そのため、「サマーカット」は夏に増えるカットスタイルですが、切り過ぎには注意が必要です。
ポメラニアンの毛を短くカットしすぎると、皮膚に直接紫外線を浴びてしまい余計に暑さを感じるようになります。そのため、短めにカットして皮膚が露出している場合には、洋服を着させてあげるなどの紫外線対策を考えてあげましょう。
また、短くカットしたことで毛質が変わり、伸びにくくなってしまうという可能性もあります。夏に短くカットしたら冬になっても毛が伸びず、犬に寒い思いをさせてしまったというようなことが起こらないよう、少し先の状態を予想しながら決めた方がよいでしょう。
また、毛質をトリマーさんに見てもらうなど、しっかりと仕上がりのカットスタイルの相談をすることが大切です。
まとめ
ポメラニアンのカットには様々なスタイルがありますが、見た目だけでなく犬の健康のこともあわせて考えることが大切です。
またカットを自宅で行うことも可能ですが、長さの調節やイメージ通りに仕上げるためにも、できればプロのトリマーさんにお願いするのがよいでしょう。飼い主さんはポメラニアンの健康を考えながら、季節にあったカットスタイルを見つけられるとよいですね。