犬の愛情表現の仕方20選
犬が見せる愛情表現は、わかりやすいものから意外なものまで様々です。犬は愛情深い動物です。犬は飼い主さんに「大好き!」と言葉で伝えることはできませんが、しぐさや行動で愛情を伝えています。
愛犬からの「大好き!」サインは見過ごすことなく、しっかり受け止めてあげるためには、犬の愛情表現にはどのようなものがあるのかを知っておく必要があります。
普段、何気なく見せる愛犬のしぐさや行動があなたへの愛情表現かもしれませんよ!
満面の笑みを見せる
愛犬が目を細めて口元を緩やかに開き、まるで笑顔のような表情を見せることはありませんか?犬がこの表情を見せるのは、うれしいときやリラックスしているときなどです。
目を細めるのは、友好のサインでもあります。愛犬が飼い主さんに穏やかな笑顔を見せるときは「大好きな飼い主さんと一緒にいれてうれしい!」と言っているのでしょう。
愛犬から笑顔の愛情表現を見せてくれたら、ぜひ飼い主さんも笑顔で声を掛けてあげてください。さらに飼い主さんへの大好き度がアップしますよ。
お腹を見せて甘えたがる
犬は、服従のサインや敵意がないサインとして仰向けになってお腹を見せますが、このポーズには他の意味もあります。
犬が仰向けになってお腹を見せる体勢は、子犬が母犬に毛づくろいをしてもらったり、排泄を促してもらったりするときの体勢です。
子犬のときの名残で、母犬のように大好きな人に対して「なでて」とお腹を見せることがあります。成犬になっても、仰向けになって大好きな人に体をなでてもらうと、母犬に毛づくろいをしてもらっているような気分になるのです。
この「ヘソ天」をして知られている仕草も、大きな愛情表現のひとつです。ちなみに、服従のサインのときは尻尾を後脚の間に巻き込み、なでてほしくて甘えているときは尻尾の力が抜けています。
口元をペロペロなめる
犬の祖先といわれているオオカミの親子は、子供のオオカミが母親のオオカミの口元をなめて胃袋の中の獲物を吐き出してもらい、それを食べます。
犬が飼い主さんの口元をペロペロとなめるのは、この行動の名残とされていますが、飼い主さんに食べ物をねだっているのではなく、飼い主さんを母親のように慕い甘えています。
飼い主さんが帰宅すると愛犬が飛びつき、飼い主さんの口や顔をなめようとするのは、最上級の愛情表現なのです。
嬉しそうにジッと見つめる
犬は、むやみに相手を見つめません。じっと目を合わせることは敵意の表れであり、ケンカを売っていることになるからです。
でも、飼い主さんに「大好き!」という気持ちを伝えたいときは別。うれしそうに飼い主さんの目をじっと見つめます。
これは、じっと目を合わせていられるほど、飼い主さんのことを信頼している証拠であり愛情表現でもあります。じっと見つめる愛犬の目がウルウルとしていることもあり、それを見ると飼い主さんの胸はキュンとなってしまうでしょう。
よく体をくっつける
飼い主さんが部屋でくつろいでいるときに、愛犬がそばにやって来て体をくっつけてくる…ごく日常的なことかもしれませんが、この行動も飼い主さんのことが大好きな愛情表現のひとつです。
体をくっつけるのは相手に身を委ねるということ。信頼する大好きな相手じゃないとできません。体全体ではなく、お尻だけをくっつけてくることもあります。
飼い主さんに対して背中を向けているので、「もしかして嫌われてるの?!」と心配になるかもしれませんが、実はその反対です。
犬にとってお尻は急所のひとつ。そのお尻を向けていられるほど飼い主さんに気を許しているという証拠なのです。
服や手足を甘噛みしてくる
よく子犬の問題行動としてあげられる甘噛みですが、この行動も犬にとって愛情表現のひとつです。
かまって欲しい時や甘えたい時、嬉しい時などのプラスの感情として飼い主さんに向けてくれる行動です。
帰宅した時にお出迎えしてくれる
玄関を開けた瞬間、しっぽを左右に大きく振った愛犬が熱烈のお出迎え!これはわかりやすい愛犬の愛情表現ですよね。
その姿をみると、仕事の疲れが吹っ飛んでしまう魔法の愛情表現です!
体をぶつけてくる
帰宅したときによく見られる行動ではありませんか?「おかえりなさい!」「遊んで!」「ニオイつけたい!」といった気持ちが一緒になって、興奮してしまった結果だと思われます。
体当たりの重さが愛の重さだと受け取り、しっかりと愛犬の愛情表現をキャッチしましょう!
飼い主の「あくび」がうつる
親しい人同士で「あくび」がうつりやすいことが知られていますが、実は犬と人でも同じことが言えるそうです。
東京大学の研究結果よると、愛犬と飼い主さんとの絆が強いほど「あくび」がうつりやすいことが証明されました。
なんとなく「あくびがうつっちゃったね」と思っていた行動は、実は愛犬からの愛情表現のひとつだったんですね。
参考文献:人からイヌにうつるあくびには飼い主とイヌの絆が重要であることを証明 | 東京大学
ご飯を食べた後、すぐに近づいてくる
神経科学者で動物の脳を研究しているグレゴリー・バーンズ氏の著書「How Dogs Love Us(犬の気持ちを科学する)」によると、犬がご飯を食べた直後に寄り添ってくる行動は、本当に愛しているという愛情表現なのだそうです。
大好きなオモチャを持ってきてくれる
お気に入りのオモチャを持ってくるのは、大切なものを共有したいという愛犬からの愛情表現なんです。もちろん、「遊んで欲しい」という気持ちもあります。
飼い主さんが「宝物を持ってきてくれてありがとう!」という感謝の気持ちで遊ぶと、今以上の愛情が愛犬に伝わると思います。
嫉妬(やきもち)する
犬も人間と同じように「嫉妬(やきもち)」という感情があり、これも犬の愛情表現として見ることができます。
「本当に嫉妬するの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、オークランド大学でぬいぐるみをつかった研究によって証明されたようです。
参考文献:Dogs Mentally Represent Jealousy-Inducing Social Interactions
飼い主の顔に「頭」や「鼻」をくっつけてくる
愛犬があなたの顔に、鼻や頭をコツンとくっつけてきたことはありませんか?これは「信頼しているよ!」という愛犬からの愛情表現です。
たまに勢い余ってゴツン!とぶつけてくることがあるかもしれませんが、それは強めの愛情として素直に受け止めてあげてください。
深いため息をする
一般的にため息は、あまり好ましくないのマイナスイメージがあるでしょう。しかし、犬はため息の仕方によってまったく意味が変わってきます。
例えば、愛犬がご飯を食べ終えて、飼い主さんの近くで「ふぅー」と深い長めのため息をしたのであれば、満足しているサインです。そして、飼い主さんに「ありがとう」と伝えているのです。
短く「ふぅ」といった浅めのため息は、ストレスを感じているサインなので注意が必要です。
監修ドッグトレーナーによる補足
大きく長めの息を吐き出すと、副交感神経が働いてリラックスモードになります。
これは「深呼吸」の状態で、人間も犬も同じなのです。
飼い主に前足をのっけてくる
犬が、飼い主の腕やヒザの上に前足を乗せてくる仕草があります。この行動は愛情表現のひとつですが、人懐っこい犬でも飼い主さん以外の人にすることは少ないそうです。
遊んで欲しい、かまって欲しいといった要求からくる意思表示なので、安心できる飼い主さんが相手だからこそできる仕草なんですね。
飼い主に「あご」を乗せてくる
「前足をのっけてくる」と同じように、飼い主の腕やヒザの上にあごを乗せてくる仕草も犬の愛情表現です。
あごを乗せたまま寝ちゃうことがありますが、それは飼い主さんへの絶対的な信頼があるからなんです。
このあごを乗せてくるという行為は、犬にとってリラックスした無防備な状態でもあります。本当に信頼している人以外に「あごのせ」することはないそうです。
抱っこをおねだりしてくる
犬にとって抱っこは、飼い主さんに甘えることが出来る至福の時間です。抱っこをおねだりする子は、飼い主さんが大好きで仕方ないんです。もうこれは、愛犬からの愛情表現ですよね。
抱っこする飼い主さんも幸せ!される愛犬も幸せ!でWin-Winではないでしょうか。たとえ体が大きな子であっても、全身全霊をかけて応えてあげてください!
足元から見上げてくる
家の中を歩いているとき、お散歩のときに愛犬が見上げてくることはありませんか?この行動にはいくつかの意味がありますが、その中に「大好き!」という犬の愛情表現も含まれています。
「私を見て!かまって!」という嬉しい要求でもあるので、そんな時はたっぷりと撫でて飼い主さんの愛情を伝えてあげましょう。
悲しい時、なぐさめにくる
悲しい時や落ち込んでいる時、涙を流した時…そんなときに愛犬は寄り添って慰めてくれます。これは「大切な人に元気をだして欲しい」という愛犬からの愛情表現ですよね。
監修ドッグトレーナーによる補足
悲しいときや落ち込んでいるときに、愛犬がそっと寄り添ってくれた・・・。実は、犬は人に共感する力を持つことが分かっています。
麻布大学の研究チームが犬の共感能力について、飼い主と愛犬のペアの心拍の変動を計測することにより、愛犬が飼い主の短い間の感情の変化を察知し共感することを科学的に証明。
一緒に暮らしている期間が長いほど愛犬が飼い主に共感しやすいことがわかりました。心が通い合っているんですね。飼い主の匂いを感じる場所で寝る
犬は人間よりも数千から1億倍もの優れた嗅覚を持っています。そんな嗅覚を持つ犬が、大好きな飼い主さんのニオイを感じられるものに囲まれるとリラックスできるそうです。
飼い主さんが愛されている証拠ですね。実は、愛犬にとって飼い主の匂いは快感であるとの研究結果もあるようです。
犬に愛情を伝える方法
犬から愛情表現を向けられたら、飼い主としては愛情を返してあげたいと思いますよね。
ここからは、今からでもできる愛情を伝える方法をご紹介します。
たくさん話しかける
犬は、人間の言葉をしっかり理解してないとしても、声色から言葉のニュアンスを理解することができます。優しい言葉をかけてあげればあげるほど、犬はとても喜んでくれます。
逆に、マイナスの言葉や犬を傷つけるような言葉は犬を悲しませてしまいます。また、言葉がわからないからと言って何も話しかけないのも犬に寂しい思いをさせてしまいます。
犬に愛情を伝えたいなら、たくさん優しい言葉をかけてあげましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
ハンガリーで行われた研究によると、言葉を脳内で処理するメカニズムを人と同じく犬も所持していると判明しています。
犬は人が「ほめ言葉を言っているけど、声ではほめていない」ことや、「機嫌が良い声だけど、ほめ言葉を言っていない」ことなどを見抜いていることになるのです。気持ちがこもっていなければ、ほめ言葉でも愛犬には伝わらないんですね。
ちなみに、「まて」などの抑制的な行動を指示するときは低い声で呼びかけ、反対に「おいで」などの行動を指示するときは、元気よく高い声で呼びかけると、伝わりやすいという研究結果もあるそう。スキンシップをする
犬は、スキンシップを好む子が多く、撫でられたりマッサージされることに飼い主からの愛情を感じます。もちろん、犬によっては触られるのが苦手な子もいますので様子を見ながらスキンシップを取るようにしましょう。
ただし、無理に触ったり嫌がっているのに撫でてしまうとストレスになります。その犬にあったスキンシップの方法を見つけることが大切です。
一緒に過ごす時間を作る
犬は、飼い主と共に過ごすことによって喜びを感じます。そのため、できる限り一緒に過ごす時間を増やしてあげることで犬は愛情を感じてくれます。
休日は一緒にお出かけをしたりドライブに出かけたり、公園に散歩に出かけたりするだけでも喜びます。
しかし、犬の性格によってはお出かけするのが苦手な子も。お出かけも愛犬の様子を見ながら行うようにしましょう。まとめ
今回ご紹介した愛情表現を、愛犬がしてくれていなくてもガッカリしないでください。犬にも個性があり、感情をあまり表に出さないタイプの子もいます。
愛犬と良好な関係が築けているのであれば、分かりやすくはなくてもきっと何らかの形で飼い主さんに「大好き」と伝えているはずです。愛犬なりの愛情表現を見つけてあげてください。