ブラッシングは毛並みが綺麗に見えるようにする以外にも、ノミやダニの予防や血行促進等、健康の維持にも効果があり、長毛種のワンコは毛玉ができないためにも必須のお手入れです。ブラッシングが大好きな子になるために、お家にやって来たその日から頑張りましょう。
ステップ1 まずは手で触れるように
まずは、皮膚の状態が悪かったり関節等に炎症を起こしたりして触ると痛い場所がないかを、獣医さんに診てもらいましょう。また、既に毛玉だらけのワンコはサロンや病院で短くカットしてもらい、お手入れしやすい状態にしましょう。
最初は、手でどこを触っても平気な子にしましょう。パピーちゃんは、遊びの延長で全身を触り、慣れさせます。
成犬の場合は、どこを触られるのが嫌なのか、どこを触ると喜ぶのかを確かめます。触られて嫌な場所には、指先でチョンと触れてすぐに「触らせてくれてありがとう」とお礼を言っておやつをあげるのを繰り返し、少しずつ触られることに慣れさせていきましょう。
指先で平気になったら、指を2本にしたり触れる時間を1秒から2秒に増やしたりして、徐々に慣れさせていきましょう。ここで焦るのは禁物です。また、一日に何度も嫌な場所を触られるとストレスになりますので、1~3度程度に留めておきましょう。
触られるのがただ単にイヤなのではなく、トラウマ等で触られることに恐怖を感じている場合は、専門家に相談して、自分のワンコに合った慣らし方を見つけていきましょう。
ステップ2 ブラシでタッチ
初めて使用するブラシは、ソフトスリッカーやラバーブラシ、豚毛ブラシ等を選びましょう(スリッカーブラシは、飼い主さんも愛犬もある程度お手入れに慣れてからの方が良いと思います)。ステップ0と同時進行でステップ1をしても大丈夫です。
パピーちゃんや若いワンコは、体力が有り余ってるとブラシにじゃれてきたりしますので、ブラッシングを始める前は散歩や遊びで疲れさせたりしておくと良いです。
パピーちゃんは、背中部分をサッとブラシでひと撫でして、すぐに「良い子だね」と褒めながらおやつをあげます。これで、一日目のブラッシングはおしまいにします。いきなりたくさんすると、ブラシが苦手になってしまうので最初は少しずつ慣らしていきましょう。
成犬の場合は、触られて平気(好き)な場所をブラシでひと撫でして、「良い子だね」と褒めながらおやつをあげます。パピーちゃんと同じく、最初はそれでおしまいにしましょう。ひと撫でもできない場合は、ブラシを少しだけ当てるのみにしましょう。
ブラシ自体が嫌いで、ブラシを見るだけで嫌がる子は、ブラシを見せてすぐおやつをあげるという所から初めていきましょう。
ステップ3 徐々に全身に
ブラシでひと撫でできるようになったら次の日は2回で、その次は3回と少しずつブラシ量を増やしてきましょう。足やお腹、お尻周りは過敏で触られるのは平気でも、ブラシは嫌な子も多いので、とにかく焦らずゆっくり褒めながらやっていきましょう。どうしても嫌がる場所は、ブラシを少し当てて褒めるを繰り返すと良いでしょう。
全身をブラッシングできるようになったら、今度はおやつを上げるペースを減らしていきましょう。今まで、ひと撫でごとにおやつをあげていたので2回ごとにあげるようにと減らしていきます。うちでは一週間ごとに減らしていきました。
最終的には、ブラッシングを終えたらのご褒美のみになるくらいに減らしましょう。ただ、時々はひと撫で事におやつをあげる日を作ったり、苦手だった場所をブラシしたときにあげたりする日を作ると良いです。時々おやつが出てくることで、ワンコが「今日のブラッシングでは、おやつが出るかな」と楽しみにしてくれるでしょう。
一度のおやつの量は?
一度のおやつの量は、手の小指の爪の先ほどで十分です。また、食べるのが大好きな子はフード一粒で十分です。犬の大きさや年齢、体調に合わせて量を調整してください。
そして、ブラシに慣れたらおやつを徐々に減らすという過程は必ず行ってください。おやつを上げ続けると、おやつがないとブラシをさせてくれない子になる可能性もありますし、健康にも良くありません。
最後に
時間は掛かりますが時間を掛けた分、愛犬はブラッシングが大好きになるでしょう。決して、嫌がる子に無理やりにはしないでください。そして、毎日根気よくブラッシングに慣れさせていきましょう。ブラッシングに慣れた後も、飼い主か愛犬どちらかが体調を崩すなどしない限りは毎日必ず行いましょう。