犬の体臭は3つある!?
犬の体臭の主な原因は3つあります。「体臭」「口臭」「便臭(尿臭)」です。口臭がある場合は、歯垢や歯石、歯周病などのお口の中のトラブルや病気を抱えている可能性が高いですので、すぐに病院で診てもらいましょう。便臭や尿臭があるのは、便や尿がカラダや被毛に付着しているためです。そして、体臭ですが、どのようなことが原因で体臭は発生するのでしょうか。季節ごとの体臭の原因とケアについてご紹介しましょう。
春から夏にかけての犬の体臭の原因とケア
犬は人間のように大量の汗をかくことはありませんが、全く汗をかかないというわけではありません。汗を分泌している汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」があります。エクリン汗腺は犬の肉球やカラダの一部に存在し、エクリン汗腺から分泌される汗は無色で無臭だとされています。一方、アポクリン汗腺から分泌される汗には独特なニオイがあり、犬のカラダ全体に存在しています。
暑い季節には犬も汗をかきやすくなります。とくにお散歩や運動の後にはたくさんの汗が分泌されています。アポクリン汗腺から分泌される汗には、脂質・糖質・タンパク質・アンモニアなどの成分が含まれており、独特のニオイを発生させます。さらに、そのような成分を含んでいる汗は、犬の皮膚の表面に存在している雑菌によって分解されます。その際には、さらに犬独特なニオイを発生させます。
どんなケアが必要なのか
春から夏にかけての高温で多湿な季節には、犬の皮膚の表面に存在する細菌が繁殖しやすい状態です。さらに汗もかきやすく、アポクリン汗腺から独特なニオイを発する汗も分泌されるわけです。こういったことから、春から夏にかけて、とくに梅雨の時期には犬の体臭がきつくなりやすいです。汗と一緒に皮脂も分泌されることから、皮脂も体臭の原因になります。
体臭がきつくなりやすい季節とは言え、皮膚が薄く弱い犬のカラダを毎日のシャンプーするわけにもいきません。体臭がきつくなりやすい季節には、毎日のブラッシングを習慣にしましょう。毎日のブラッシングによって、犬の皮膚や被毛に付着している汚れを取り除いてあげることができ、雑菌の繁殖を抑制することができます。さらに、ブラッシングの後は犬用のウェットティッシュで拭いてあげるとより体臭を予防する効果があります。
監修トリマーによる補足
春から夏にかけて、特に梅雨時期は湿気による皮膚トラブルにより体臭が強くなることが多いです。
毎日のブラッシングを行い皮膚環境を整えてあげたり必要によっては、月1回のシャンプー頻度を3週間に1回など少し早めてあげると良いかも知れません。
温浴をしてあげることも体臭ケア効果を期待出来ると思います。その際には、必ず獣医さんやトリマーさんに相談してからにしましょう。
秋から冬にかけての犬の体臭の原因とケア
秋から冬にかけて空気が乾燥しますよね。犬の皮膚も乾燥しやすくなり、痒みやフケや体臭の原因になってしまうことがあります。皮膚が乾燥し、フケが出ると、そのフケをエサとする雑菌が繁殖します。寒い季節にも汗や皮脂は分泌されますので、汗・皮脂・フケ・雑菌が混ざりあり、独特なニオイとなって発せられます。寒い季節は暑い季節と比べると汗や皮脂の分泌が少なくなりますが、暑い季節よりも寒い季節の方が体臭がきつくなる犬もいるようです。皮膚の乾燥やフケが原因である可能性が高いです。皮膚を痒がっていないか、皮膚に赤みはないか、フケは出ていないかなど確認してあげましょう。
どんなケアが必要なのか
汗や皮脂の分泌が少なくなる寒い季節にも毎日のブラッシングが必要です。皮膚や被毛に付着している汚れをしっかり取り除いてあげましょう。また、皮膚が乾燥してしまわないための対策とケアも必要です。
室内で過ごす時間が長い犬の場合、暖房の効きすぎによって皮膚が乾燥してしまうことがあります。室温と湿度を適度に保ってあげましょう。それでも皮膚が乾燥し、さらにフケが出てしまいやすい犬には、皮膚の保湿とケアが可能なミストやローションを皮膚につけてあげると良いと思います。
監修トリマーによる補足
冬は乾燥により皮膚環境が悪化して体臭が強くなってしまうトラブルが多いです。暖房をつける際は、加湿器も付けてあげるなど生活環境を整えてあげましょう。
ブラッシングを行う際は、保湿スプレーやブラッシングスプレーなどを使用することをオススメします。
シャンプーをした後、ドライヤーで乾かす前に全身保湿スプレーをかけてあげることも乾燥防止に繋がりますので試してみるといいですね。
まとめ
春から夏にかけての汗や皮脂の分泌が多い季節には、犬の体臭もきつくなりやすいです。秋から冬にかけての汗や皮脂の分泌が少なくなる季節でも、皮膚の乾燥やフケによって体臭がきつくなりやすい犬もいます。月1回程度のシャンプーで皮膚や被毛を清潔にしてあげることはもちろん、毎日のブラッシングで清潔を保ってあげることも大切です。