初めてのトリミング、グルーミング利用の注意点とは

初めてのトリミング、グルーミング利用の注意点とは

子犬を迎えて、予防医療が一通り済むと、お散歩デビュートリミングデビューになります。今回は、初めて愛犬のトリミング、グルーミングを利用する時に知っておきたいこと、注意してほしいことを動物看護士の視点からご紹介します。

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記事の監修

JKC指定機関校ロイヤルグルーミング学院卒業。都内トリミングサロン で経験を積み、東京都町田市でトリミングサロンを開業。トリミングやフードなどワンちゃんのお悩みやご要望を幅広くお聞きし解決へ導くコンシェルジュスタイルのオールインワンサービスを提供しています。

子犬の被毛はデリケート

草原のゴールデンの子犬

犬も子犬の頃、皮膚や毛はとてもデリケートです。人間の赤ちゃんと同じように、薄く柔らかいのです。もちろんトリマーさんもプロなので、子犬のトリミングやグルーミングについては、十分に注意して行なってくれます。

ですが、トリミングに行ってから皮膚や耳、目に異常が出たという患者さんは多くいます。

トリミング・グルーミング後に現れやすい異常

体をかゆがる

トリミング、グルーミングで体全体をすみずみまでブラッシングすると、血流が良くなります。温かいお湯で皮膚は柔らかくなり、汚れや皮脂が落ちやすくなります。
これだけでも、皮膚をかゆがる原因になりますが、数日たつと落ち着くことがほとんどです。

薄い皮膚が柔らかくなっているところに、ブラシが強く当たってしまうと傷になってしまうこともあり、トリミングから帰ってくると、しきりに体をかゆがるような行動がみられることもあります。

耳が赤くただれている

耳の洗浄は専用の洗浄液を使って汚れを洗い出し、耳に直接シャンプーなどが入らないようにします。

ですが子犬の保定は難しく、たくさん動き回る子だと、耳に入った洗浄液や液体、お湯などが十分にすすぎ出せず、コットンやガーゼでのふき取りも十分にできないこともあり、湿った状態で長時間放置されることで、外耳炎をおこしてしまうこともあります。
また耳毛が生えている犬種では毛抜きやカットをしますので、赤くただれてしまうこともあります。

ふけが多く出る

被毛についていた皮脂、汚れが落ちすぎてしまうと一時的に皮膚が乾燥します。乾燥は犬にとってはとてもかゆく、体をこすりつけ、足で体をかいてしまうので、ポロポロとフケがおちてしまうことがあります。

シャンプーなどが十分にすすぎきれていないことや、ブラッシングの時に細かい傷ができて、そこにできたカサブタが剥がれてフケになることもあります。

もともと皮膚のアレルギーがある場合にフケが多く出るようになりますし、ストレスを感じると分泌物が一気に増えてフケが出る犬もいます。

毛が生えてこない

子犬の柔らかい被毛の時期に、無理なカットをすると毛が生えてこなくなることがあります。短すぎるバリカンカットや皮膚にダメージを与えてしまうブラッシングはダメージが大きく、毛穴を潰してしまうことがあります。

目が赤くなっている

シャンプーやカットした毛が目に入り、結膜炎をおこしてしまうことがあります。シャンプー後に、すすぎが十分でないと目がかゆくなり、引っかいてしまって目が赤くなることもあります。

下痢、嘔吐、食欲不振

初めてのトリミング、グルーミングで、体中を触られて胃腸を刺激され下痢や嘔吐をすることがあります。また、長時間のボディケアは体をひどく疲れさせてしまうので、帰宅後食事も食べられないこともあります。
稀に、シャンプーやお湯を大量に飲み込んでしまって嘔吐するケースもあります。

初めてのトリミング、グルーミングデビューで異常が現れる犬は多くトラブルの原因にもなっています。初めてサロンにお願いする時には、子犬に対応しているサロンなのかどうかを確認することをお勧めします。

子犬期のトリミング、グルーミングはケアと練習が重要

子犬期のトリミング、グルーミングは出来栄えよりもケアと練習がメインです。早い時期から、トリミングやグルーミングに慣らせておくのはとても良いことです。ボディケアは健康管理においてとても重要な習慣です。

他人に体を触れること、体のどこを触られても静かにしていられるように経験を重ねていくことは、介護や闘病への備えとして必要なことです。

ですが、飼い主さんがサロンの利用で求めることは、愛犬の経験やケアがメインではなく見た目の可愛さが優先されてしまいます。

  • 良い匂いになって帰ってきた
  • 希望通りのカットスタイルになった

この二つはサロンを利用する飼い主さんの満足度が上がるポイントです。カットドッグといわれる犬種でも、初めてのトリミングから完ぺきなスタイルに仕上げることはできません。

大人の毛がしっかりと生えそろわなければ、飼い主さんがオーダーするスタイルにならないことがほとんどです。また、子犬の時期には、場所によって毛量もまちまちです。

トリミングサロンは顧客確保のため、できる限り飼い主さんのオーダー通りの仕上げを目指してくれますし、無理なオーダーにも応えようとしてくれます。

ですが、まずは見た目の可愛さよりも生活をしてくための機能的なカット、ボディケアに慣れるための練習、被毛のダメージにならないトリミングをオーダーしてあげましょう。

飼い主さんが雑誌に出てくるようなカットをオーダーすれば、トリマーさんは子犬にとって望ましくないカットスタイルであっても、注意説明をした上で引き受けてくれます。

ですが子犬は何時間も慣れない場所で体中を触られて、立たされて座らされることがあり、体の自由を制限されて過ごすので、体への負担が大きくなってしまいます。

初めての経験がトラウマにならないために

怖がって赤い布をかぶる犬

犬はたくさんの経験を重ねて学習し、適応して生きていきます。そのため子犬の頃から多くの経験をさせることは成長に大きな影響があります。そして、子犬の時に経験したことは深く記憶に刻まれるので、トラウマを作りやすい時期でもあるのです。

多くの場合トリミングサロンは、1日に何頭もの犬のトリミングをタイムスケジュールに合わせてこなしていきます。1頭につきっきり、最短時間で仕上げ、1分でも早く飼い主さんへお返ししてくれるサロンはとても少ないのです。朝一番で預けた犬の、お迎え指定時刻が夕方の場合や6時間以上あく場合も少なくありません。

流れ作業で順番にトリミング、グルーミングをこなしていくサロンと、終わり次第どんどん次の犬へ取り掛かっていくサロンと、完全に一人、1頭につきっきりで仕上げていくサロンと、そのサロンのスタイルは様々です。

ですが多くのサロンでは、犬たちは長時間ケージの中で待機させられることが多くあります。1人が1頭つきっきりでトリミングを行った場合、トイプードルのデザインカットなど、腕の良いトリマーさんなら2時間以内で仕上げます。

しかし海外のサロンでは、1頭1時間以内が当たり前と、これまでのトリミングにかかる時間の短縮に、技術とスピードが求められるようになってきています。これは犬にかかる負担を最小限にボディケアを行う方が良いためです。犬がぐったり疲れ切ってしまうボディケアや、手の込んだカットは不要になりつつあるようです。

子犬の頃にサロンで嫌な思いをして、病院などでも飼い主さん以外に体を触られるのを極端に嫌がる犬が多くいます。大切なボディケアですが、初めてのトリミング、グルーミングで不快な記憶を残さないよう、サロン選びは慎重に、トリマーさんとしっかりお話をして選んであげましょう。

トリミング・グルーミングデビューのサロンの選び方

トリミング中のチワワ

  • 予約時、当日にカウンセリングがしっかりあるサロン
  • トリミング、グルーミングデビューに対応しているサロン
  • 長時間の待機時間がないサロン
  • 子犬用のシャンプーやコンディショナーなどが(低刺激)用意されているサロン
  • 担当トリマーさんとしっかりお話しできるサロン
  • 仕上げにリボンをつけないサロン
  • お預かりからお迎えまでが4時間以内のサロン

上記これらの条件が、整っているかどうかをサロン選びの1つの基準にすると良いと思います。これまでは仕上げにリボンをつけるのが主流でしたが、誤飲や被毛へのダメージというリスクがあり、リボンをつけないサロンが増えています。

見た目の美しさや飼い主さんの満足度より、犬への負担やダメージ、リスクを考えたサービスを提供している点は安心材料の1つといえます。また極端に匂いの強いシャンプーや、香料は犬には必要ありません。それは飼い主さんの満足度を上げるためのサービスです。

飼い主さんが気をつけなければならないこと

見上げるダックスフンド

愛犬のトリミングを依頼する時に、雑誌やネットで見つけたスタイルをオーダーする飼い主さんが多くいます。人間の美容室でも同じことですが、モデルと同じにはならないということを理解しなければいけません。同じ形にカットしても、毛質、毛量、生えかたによってつくれるスタイルは異なります。

また、ショーに出すようなカットをオーダーするには、犬も慣れていなければできません。長時間同じ姿勢、指示通りに体の向きを変え、指示通りの姿勢をキープできる犬でなければ、デザインカットはできません。初めてのトリミングデビューで、モデル犬と同じカットをオーダーする時には、まずトリマーさんの意見を聞いてみましょう。

またどんなカットができるのか、愛犬にはどんなカットが合うのかをトリマーさんと相談して、いろいろなカットにチャレンジしてみるのも楽しみの1つです。

一般家庭で飼育する犬に一番大切なのは、機能性と自宅ケアのしやすさです。どんなに素晴らしいカットでも、飼い主さんにスタイルを維持させられること、正しいケアの技術、時間的余裕がなければ、愛犬にとっては負担が大きいだけになってしまいます。

犬は、人間と同じ感覚で見た目の美しさを理解してはいません。

  • 毛玉を作りづらいカット
  • 自宅ブラッシングがしやすいカット
  • 排泄物で体が汚れないカット
  • 歩きやすいカット
  • 皮膚や体を守ってくれるカット
  • 毛が目に入らないカット
  • 抜け毛対策のグルーミング

犬にとって普段の生活が快適に過ごせて、清潔に保てるボディケアが最重要で、見た目の可愛らしさや好みなどは、これらの条件がクリアできた上で楽しみましょう。

まとめ

トリマー用品をくわえる犬

犬の毛は、皮膚の保護、体温調節、害虫からのバリア、保湿などなど、様々な役割があります。そして古くからカットドッグのショーがあり、個性的なカットや、流行りのカットが産み出され、愛犬家たちを楽しませてきました。

ですが犬種特有のスタイルには、現残地やその犬種が担った仕事が大きく関係しています。子犬のトリミングやグルーミングは、犬のスタイルについて多くのことを勉強し知り尽くしているトリマーさんに相談するのが一番です。

流行りのカットだから、オーダーは受けているけど、実はこのカットの方がこの子には合うのにというトリマーさんの意見が聞けるかもしれません。初めてのサロンデビューの参考にしていただけたら嬉しいです。

監修トリマーによる補足

最初から完璧にトリミングを受けられる子はいません。トリミングデビューは、愛犬にとって全てが初めてなので短時間で無理なく終わってあげることが大切です。

1歳過ぎまでにしっかりトリミングを受けることが出来るように練習していきましょう。記事にもありますが、トリミングサロンによってお預かり方法やシャンプーなどのトリミング方法が違う場合があります。

その子に合うサロンが見つかるように担当してくれるトリマーさんとしっかり話すことが大切だと思います。

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