犬が夜中に吠える原因と対策
昼間は全く吠えないのに、夜になると吠える。昼間も吠えるけど、夜になるともっと吠える…なぜ、犬は夜になると吠えるのでしょうか?
もちろん、犬が夜に吠えるのには理由があります。どんな理由によって吠えるのかを知ることで、夜に吠えることをやめさせるための対策をすることができます。
原因①.発情期だから
ヒート中の女の子のフェロモンは、2km先まで届くとされています。つまり、2km先にいるヒート中の女の子のフェロモンに反応する男の子がいるということです。
フェロモンに反応した男の子が夜に吠えてしまうことがある、というわけです。近所にヒート中の女の子がいないからといって、安心することはできません。
【吠えるのをやめさせるための対策】
確実にやめさせる方法は去勢手術を行うということですが、抵抗のある私は愛犬の男の子に去勢手術を行っていません。幸い、女の子のフェロモンに反応して夜に吠えるということはないです。
私と同じように去勢手術には抵抗があるけれど、夜に吠えることをやめさせたいという場合には、女の子のフェロモンが届かないように、室内で過ごさせてあげるようにしましょう。
窓を閉めておくことで、多少の違いはありそうですよね。しつけでどうにかなる問題ではないですので、獣医さんに相談すると良いのではないでしょうか。
原因②.不安や寂しさから構ってほしい
夜になると、不安な気持ちや寂しい気持ちから、飼い主さんに構ってほしくて吠えてしまう犬がいます。実はうちの近所にもいるんです。
屋外で暮らしている犬なのですが、飼い主さんが寝てしまうと、電気も消えますし、物音もしなくなり、寂しくなって吠え続けてしまうんです。お留守番はしっかりできるのに、夜に限って吠えてしまうというケースが多くあります。
【吠えるのをやめさせるための対策】- 飼い主さんのニオイがついたブランケットや服などを寝床に置いてあげる
- 屋外で暮らす犬なら、夜は室内に入れてあげる
- 明かりを点けておく
「1」が特に効果的だと思います。飼い主さんのニオイがそばにあることで安心することができるからです。
原因③.トイレに行きたいから
トイレトレーニングができていない場合や、自由にトイレに行くことができない犬の場合、夜にトイレに行きたくなると吠えて知らせることがあります。特に中高齢の犬に多いのではないでしょうか。
【吠えるのをやめさせるための対策】
これは、トイレに連れて行ってあげることでしか、解決することはできないでしょう。特に高齢になると、夜中にトイレに行きたくなることが増えます。
トイレを我慢させることはカラダに毒ですし、すぐに連れて行ってあげましょう。寝る直前にトイレに連れて行っておく、という方法でも解決できることがあります。
原因④.運動不足とストレス
運動不足やストレスによって夜に吠えてしまう犬はとても多いです。
適切に運動をし、十分に体力を使うことができている犬は、夜にしっかり眠ることができます。しかし、体力が有り余っていては、眠ることができずに暇を持て余してしまうのです。
【吠えるのをやめさせる方法】
運動不足や、お留守番している時間が長いことから、強いストレスを感じたり、ストレスを溜め込んでしまったりしている犬がいます。お散歩に行くことができない日は、室内でできる遊びを一緒にし、体力を持て余してしまわないようにしてあげましょう。
ストレスをためこんでしまわないよう、愛犬とのスキンシップやコミュニケーションの時間を大切にしましょう。
原因⑤.痴呆(認知症)と老い
老犬になると、夜に吠えるようになってしまうことが多くあります。痴呆(認知症)や老いが主な原因です。加齢によって関節が痛み、夜に吠えてしまう犬もいます。
【吠えるのをやめさせるための対策】
痴呆(認知症)になると昼と夜が逆転してしまい、昼に寝て夜に起きているという生活になってしまうことが多くあります。昼間は日光を浴びさせることで、体内時計を整えるようにしましょう。
運動も大切ですので、昼間にお散歩に連れて行ったり、室内で遊んであげたりすると良いです。
老犬になると、何をしても夜になるとひどく吠えてしまうことがあります。飼い主さんの心が疲れてしまうかもしれません。獣医さんに相談することで解決できることがあります。SNSなどを通じて、老犬の介護や夜鳴きを経験した飼い主さんに相談するのも良いと思います。
原因⑥.周りの物音に反応している
夜、飼い主さんが就寝中で物音を立てていなくても、家の中では冷蔵庫の音や時計の秒針音、家の外からは車の音などが聞こえてきます。愛犬が吠える原因のひとつに、こうした周りの物音に反応しているということも考えられます。
【吠えるのをやめさせるための対策】
愛犬が音に反応して吠えているなら、音のない環境を作ってあげるといいでしょう。
例えば冷蔵庫から音がしているなら、愛犬の寝床自体を別の部屋に移動しましょう。家の外からの音が気になる場合は、できるだけ窓から遠くに寝床を置いてください。
場所がなく寝床の移動が難しい場合は、寝床のケージに毛布を掛けて外からの音を遮断するのがおすすめです。愛犬に周りの物音が聞こえない静かな環境づくりをすることが大切です。
犬が夜中に吠えるときに考えられる病気
上記で説明した内容に当てはまらないのに愛犬が夜中に吠えている場合、何らかの病気にかかっているかもしれません。考えられる病気としては、認知症、てんかん、自律神経の失調、脳腫瘍、膵炎(すいえん)、関節炎などが挙げられます。
認知症はその名のとおり認知機能が衰え、昼夜が逆転し夜中に吠えることがあります。てんかんはてんかんの発症前や部分発作で吠えることがあります。
自律神経の失調は叱られる、留守番の時間が長いなどストレスがかかりすぎると発症し、吠えることがあります。 脳腫瘍は精神的な変化が起こり、急に吠えるようになることがあります。
膵炎は激しい痛みから、吠えてしまうことがあります。関節炎は炎症した関節の痛みから、吠えることがあります。
これらの病気の傾向を整理すると、脳の機能や精神的な不安から吠える「認知症」「てんかん」「自律神経の失調」「脳腫瘍」と痛みから吠える「膵炎」「関節炎」に分けられます。
痛みが原因になる病気は膵炎や関節炎以外にもあるので、愛犬が寝ずに夜中にまで吠えている場合はかかりつけの動物病院で診てもらってください。
まとめ
なぜ吠えるのか、理由を知ることで夜に吠えることをやめさせるための対策ができます。「吠えないの!」と叱る前に、なぜ吠えるのかを考えてあげましょう。
うちの愛犬の男の子も夜に吠えることがたまにあります。理由は、家の近くを野良猫が通るからです。足音を立てているわけでもなく、鳴き声をあげているわけでもなく、鈴をつけているわけでもないのに、野良猫が通るのがわかるなんて、すごいなと感心してしまいます。
でも、どんな理由があっても夜に吠えることはやめさせたいですよね。