危険性①不衛生な状態を作り出す
犬はおしっこやウンチをすると、それらが肛門まわりの毛に付いてしまうことがあります。特に毛を伸ばしっぱなしにしている犬は、排泄物が毛に付いたことに気付かずに、その状態が続くと、泥やゴミが付着し、雑菌が繁殖し、病気を引き起こす可能性があります。
肛門まわりを清潔に保つには下記の方法を試してください。
- 毛を短くカットすることで、排泄をしたときに毛に付きにくくなる
- 排泄後は肛門をキレイにふき取る(こすり過ぎないようにしてください)
危険性②熱中症になる
毛が伸びすぎてしまうと、毛の中の空気の循環が悪くなってしまいます。そうなると体温が上がり、熱中症になる恐れがあります。人間で例えると、真夏にダウンジャケットを着ているようなものです。特に黒い毛を持つ犬種は注意が必要です。黒い毛は太陽光を吸収しやすく、熱中症のリスクが高いといわれています。
サマーカット(毛を短くカットすること)によって、毛の中の空気を循環させます。そうすることで温度が溜まりにくく、体温の上昇を防ぐことができます。また、散歩は気温が高い時間帯を避け、早朝か夕方以降がオススメです。
しかし、毛をカットしすぎることはNGです。地肌が見えるくらいにカットしてしまうと、太陽光が直に当たることで、体温が上昇するだけでなく、皮膚がんを引き起こす可能性が高くなります。
危険性③ケガをする
フローリングのご家庭が増えている近年、滑って骨折をしたり、関節や靭帯を痛める犬が増えているといわれています。その原因の一つとして、肉球の間から生えてくる毛をカットしていないこと、足まわりの毛が伸びすぎていることが挙げられます。
本来肉球は、歩くときに滑り止めになるなど、足の負担を減らす役割を持っています。毛を伸ばしすぎることでそれらの役割を果たせなくなり、滑ってケガをする恐れがあるのです。
また肉球は汗をかく場所でもあるので、毛で覆われていると蒸れて細菌が繁殖しやすくなります。皮膚病を引き起こす可能性があるので、こまめにチェックしてあげてください。
ペット用のバリカンで、ご家庭でカットすることができますが、慣れないうちは動物病院やペットサロンにお願いして対処してもらいましょう。室内犬が増えた近年、足裏や足まわりの毛のお手入れは、とても重要なものになっています。
危険性④毛玉ができる
ブラッシング不足や、ふだんから洋服を着せていること、常に首輪をつけていることなどにより、毛が絡まったり摩擦によって毛玉ができやすくなったりします。毛玉ができることで皮膚が引っ張られ、痒みや痛み、最悪の場合は皮膚が剥がれたりする恐れがあります。また通気性が悪くなるので、毛の中が蒸れ、細菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。
毛玉は一度できてしまうとなかなか取り除くことができないため、毛玉にならないよう予防することが大切です。
- 散歩以外の時間は首輪を外すことで、毛の摩擦を減らす
- 洋服の着用回数を減らすことで、毛の絡まりを減らす
- シャンプー前にブラッシングをすることで、毛の絡まりやホコリを落とす
毛をカットすることのメリット
前述では、毛をカットすることは犬にとって良いこととご紹介しました。しかし実は、私たち飼い主にとっても良いことがあるのです。
- 愛犬の見た目が可愛くなることで、飼い主の自尊心が満たされる
- 毛ツヤが良く、滑らかな毛を触ることで、愛犬との接触機会が増える
- 毛量が減ることで、シャンプーやドライヤーが楽になる
- 腫瘍や発疹などに気づきやすくなる
まとめ
毛が伸び続けることで、巻き起こる危険性をご紹介しました。トリミングやブラッシングをすることは、見た目を整えたり毛ツヤを良くしたりするだけでなく、病気やケガから体を守ることができることをご理解いただけましたでしょうか?
ここでご紹介した危険性は、毎日のこまめなお手入れによって防ぐことができます。飼い主さんの手で、愛犬の健康を守ってあげましょうね。