ドッグマッサージにの効果7つ
ドッグマッサージは、犬の骨格や筋肉の構造や機能を十分に理解した上で行われ、主な目的なヘルスメンテナンスです。
人間のようにオイルやクリームなどは使用せず、犬自身のカラダから出ている皮脂成分のみです。オイルやクリームで、皮膚や被毛がベタベタとして汚れてしまう心配はありません。
①血行が促進される
ドッグマッサージを行うことで血行が促進され、全身の血液のめぐりが良くなります。血行の促進は、病気や症状の治癒や緩和に繋がる可能性があります。
②リンパの循環が良くなる
ドッグマッサージを行うことでリンパの循環が良くなり、抵抗力を高めることができます。
風邪を引きやすいなど体調を崩しやすい犬の場合、病気に対する抵抗力が高まり、対策や予防に繋げることができます。
③内臓の調子が整う
ドッグマッサージを行うことで胃・腸・腎臓の調子を整えることができます。それにより、排泄の調子も整います。
④血圧を下げる
ドッグマッサージを行うことで血圧を下げることができ、ストレスやイライラを解消することができます。
お留守番している時間が長い犬や、雨の日が続いてお散歩に行けないなど、ストレスやイライラを多く感じてしまっている犬には特に効果的なのではないでしょうか。
⑤筋肉をほぐす
ドッグマッサージを行うことで筋肉をほぐすことができます。
健康な犬であれば、リラクゼーション効果があります。寝たきりになってしまった老犬の筋肉をほぐしてあげたいときにも良いですし、病気やケガの後のリハビリとしても良いです。
⑥ホルモンの分泌を促進する
ドッグマッサージを行うことでホルモンの分泌が促進され、精神面に良い効果をもたらします。精神面の問題によって、吠える・噛みつく・飛びかかるなどの問題行動の改善に繋げることができます。
⑦美しい被毛を作る
ドッグマッサージを行うことで全身のめぐりが良くなり、皮膚や被毛にも良い効果をもたらします。加齢によって被毛にツヤがなくパサパサになっていた犬も、ツヤのある美しい被毛を作ることができます。
辻本由香子
マッサージは本来、身体が持っている自然治癒力を高め、病気の予防、症状の緩和、精神バランスの安定を図るという効果が期待されています。
ドッグマッサージの手法には擦る、揉む、ツボを刺激するなどいくつもの手法がありますが、これらの手法を組み合わせることで、ペットの緊張などを解くことができます。
ドッグマッサージの種類
ドッグマッサージにはいくつか種類が存在し、それぞれマッサージの手法や期待されるリラックスが異なります。 ここでは代表的なドッグマッサージを2種類紹介します。
スウェーデン式ドッグマッサージ
ドッグマッサージの手法として最も広まっているのが、スウェーデン式です。 スウェーデンの獣医療マッサージをベースに、オーストリアの技術を加えアレンジしたマッサージ方法です。
マッサージにより、ホルモンや自律神経の調整、メンタルケアなどが期待されます。動物病院やドッグセラピストなどから施術を受けられ、ドッグケアインターナショナルマッサージスクールで学ぶこともできます。
ペットマッサージ
ペットマッサージは、東洋と西洋の獣医学を基に日本で開発された手法で犬とのスキンシップに重きを置いています。東洋ならではの経路・ツボを適度に刺激するマッサージによる愛犬をケアできます。
一般社団法人ペットマッサージ協会によって普及され、海外にも広まりつつあります。
ドッグマッサージの資格
ドッグマッサージには、国家資格が存在せず民間団体による認定資格のみとなります。団体によって発行される資格は異なりますが、いずれも獣医療ではなく、ケアマッサージに関する内容となります。
認定Dog Massageセラピスト
ドッグケアインターナショナルマッサージスクールが提供しているセラピスト養成コースを受講完了することで取得できる資格です。 筋肉学、骨格学、マッサージ実技などを学び、取得後すぐにドッグマッサージセラピストとして活動できるカリキュラムです。
ただし、受講料が高めなため本格的に学びたい方向けとなります。
JPMA認定ペットマッサージセラピスト
一般社団法人日本ペットマッサージ協会(JPMA)が主催する公式アドバンス<応用>コースを修了し認定試験に合格した方が取得できる資格です。 2日間の短期集中型コースとなり、ペットマッサージ東洋医学論などを学べます。価格も比較的リーズナブルなので取得しやすいドッグマッサージ資格といえます。
JADP認定ペットセラピスト
一般社団法人日本能力開発推進協会から付与されるペット資格です。ペットに対するマッサージだけでなく、しつけ、グルーミングなどといったペットの健康ケア及びストレス緩和に対する知識・スキルを身に付けられます。 通信講座で受講・受験でき、受講料も安価であるため忙しい方、初心者向けの資格です。
ドッグマッサージのやり方
ドッグマッサージは種類によって細かい施術方法が異なってきますが、共通する項目も多々あります。ここでは代表的な部位のマッサージで大切なポイントを解説します。
背中
背中をマッサージするときは、ゆっくりと撫でるイメージで首からおしりにかけてほぐしていきます。優しく撫でることで犬も安心を感じやすいためマッサージの初めに行うのもオススメです。
腹部
お腹は動物にとって内臓が近いデリケートな部位です。強く押しすぎないよう優しく撫でるようにお腹をさすることがポイントです。犬によっては仰向けにするのが難しい場合もあるため、無理に抱きかかえる必要はありません。
首
飼い主さんを見上げる姿勢になることが多い犬にとって、首は凝りやすい部位です。筋肉の緊張を優しくほぐすイメージでマッサージしてあげましょう。ドッグマッサージの手法によっては、弱めに首の筋肉をつまんでほぐす場合もあります。
素人でもドッグマッサージを行うことはできる?
ドッグマッサージは、犬専門の整体院などで施術を受けることができるのですが、飼い主さん向けの指導を行っている施設もあります。自宅でもできる簡単な整体を学ぶことができるので、セルフケアをしてあげたいという方におすすめです。
しかし、ドッグマッサージは犬のカラダの構造や骨格や筋肉の動きなどを十分に理解した上で行わなければいけません。そうでなければ、良い効果ではなく、悪い効果をもたらしてしまう可能性もあるからです。
一度や二度の指導では、習得することは難しいのです。
辻本由香子
人体に対するマッサージは元々ヨーロッパが発祥と言われており、血液の流れや筋肉に沿って皮膚を擦ることで刺激を加える手法でした。
犬のマッサージにおいても、擦ったりツボ刺激をすることで筋肉の機能低下改善やリラックス効果が期待できるとされています。
ですが、もしもそれが関節の不調や故障が原因の症状緩和のため、術後の治療効果向上のためであるならば、やはりマッサージは専門の人に任せるのが良いでしょう。
飼い主さんがドッグマッサージを学ぶことのメリット
飼い主さんが愛犬へドッグマッサージをしてあげることは、スキンシップとコミュニケーションになります。全身をマッサージすることで、皮膚の異常や病気の早期発見にも繋がります。
時間や費用はかかってしまいますが、整体院だけではなく、自宅でもケアしてあげることができると、愛犬もきっと喜んでくれると思います。
辻本由香子
1970年代に、ペンシルベニア大のアーロン・カッチャー博士が、犬を撫でる行為が愛犬家の血圧を下げることに気付いたという報告がなされています。
それだけ、動物へのマッサージは犬のみならず、人にも大変効果的な心身の安定をもたらしてくれるため、ぜひご自身の愛犬との絆を深める一環として、ドッグマッサージを学んでみてはいかがでしょうか。
ドッグマッサージに関するまとめ
私はドッグマッサージの中でも、「肉球」のマッサージとケアを学んだことがあります。
朝と夜のお散歩を毎日しますし、素足で歩きますし、加齢とともに乾燥するなどの変化もみられます。そのため、日々のケアが大切だと感じたからです。
肉球は感覚器官であり、とても敏感な部位です。リラックスした状態で肉球をマッサージさせてくれるということは、愛犬から信頼されているという証です。
愛犬とのスキンシップやコミュニケーションとして、とても大切なことだなと感じています。
愛犬のカラダのメンテナンスのために、整体院などでドッグマッサージを受けたり、セルフケアをされたりしたい方は、ぜひ学びに行かれてみてはいかがでしょうか。