犬にしらすを与えても大丈夫!
まず結論からお伝えしますと、犬にしらすやちりめんじゃこを与えても基本的には問題がないそうです。生のしらすそのものに含まれる塩分は、犬がおやつとして食べる程度であれば、危険な摂取量にはなりません。
ただし、しらすなどを使って加工された人間用の小魚製品の中には、味の調整のために塩分を多く添加しているものもあるため、犬に与えるしらすは過剰な塩分を含まないものから選ぶ必要があります。
【しらすとちりめんじゃこの違い】
しらすは主にイワシの稚魚のことを指します。新鮮な生しらすを茹上げたものを「釜揚げしらす」、茹でたしらすを天日干しや軽く乾燥させたものが「しらす干し」、さらに乾燥させてかためたものが「ちりめんじゃこ」になります。
犬がしらすを食べることで期待できる健康効果
しらすに含まれる栄養素は、どの魚の稚魚なのかや、生なのか加熱されているのかによっても多少違います。本来しらすは鮮度が低下するスピードが速く、犬に与える時には生ではなく加熱された釜揚げしらすなどを活用することが多いでしょう。
そこで今回は、加熱されたしらすに含まれる栄養素が犬に与える健康効果をご紹介します。
骨や歯を強化(カルシウム)
しらすは魚の身だけでなく、犬が丸ごと食べることができるため、摂取できるカルシウムも多くなります。カルシウムのほとんどは犬の体の中で骨や歯に貯蔵され、リンやビタミンDといった他の栄養素とバランスをとりながら、丈夫な体づくりに役立ってくれます。
栄養バランスの優れたドッグフードを食べていればカルシウムが足りなくなることはありませんが、手作りご飯では犬に不足しがちな栄養素です。
しらすは調理する時の量の調整もしやすいので、犬のご飯に含まれるカルシウムや塩分の量を整える時に活用すると良いでしょう。
体の炎症や老化を抑える(不飽和脂肪酸)
魚の油に多く含まれるDHAやEPAといった不飽和脂肪酸は、しらすにも含まれる栄養素です。DHAやEPAはオメガ3脂肪酸と呼ばれる脂質に分類され、犬の体の中で起きる臓器の炎症を抑えたり、抗腫瘍効果や脳の認知機能を維持する栄養素としても知られています。
そのため、老犬の手作りご飯に使う食材の1つにしらすを選ぶのも良いでしょう。ただし、オメガ3脂肪酸は、稚魚であるしらすよりも成魚であるイワシの方が多く含むため、目的に合わせて選ぶことをおすすめします。
貧血を予防(ビタミンB12)
コバラミンとも呼ばれるビタミンB12は、体の中の設計図として働くDNAなどの核酸や、たんぱく質の合成を行う時に重要なサポートをする栄養素です。
また、成熟した赤血球を形成する時にも働く重要な役割を持っているため、ビタミンB12は悪性の貧血を抱える犬の治療でも使われています。
しらすに含まれるビタミンB12だけで犬の貧血症状を改善することは難しいですが、病気の犬の食欲が落ちてドッグフードを食べられない時には、しらすの風味を加えることで犬の食欲がアップし、治療の手助けをしてくれる可能性もあります。
犬に与えても良いしらすの量
老犬や子犬などの場合は、体のサイズに合わせて与える量は管理しましょう。
1日の摂取量(釜揚げしらす)は、小型犬(体重5㎏)83g、中型(体重15㎏)で190g、大型犬(体重30㎏)で319gが目安とも言われています。
シニアや老犬を含めた腎臓病や心臓病の持病がある場合には、塩分摂取量過多になりやすいため注意が必要です。人間も犬も同じで、塩分の摂りすぎには注意が必要です。
犬にしらすを与える際の注意点
注意しなければならないのは、人間用に味付けされた釜揚げしらすや、ちりめんじゃこに含まれる塩分とカルシウムです。犬は塩分を摂りすぎることにより、腎機能が低下したり、尿道結石の原因になる可能性があります。
与えるなら塩抜きする
しらすは一度お湯にくぐらせて塩抜きしたもの与えるか、ペット用として売られている減塩しらすや、しらすの入ったおやつを選んであげましょう。
頻繁に与えない
「カルシウムは摂れば摂るほど体に良い」と私達はつい思ってしまいますが、犬にとってカルシウムの摂りすぎは非常に危険です。犬の成長期のカルシウムの摂りすぎにより、骨の成長障害や形成異常、甲状腺機能の低下になることがあるからです。
時々犬に与えるのは問題がないようですが、栄養管理されたフードの他に、日常的にしらすやちりめんじゃこを与えるのは問題があるようです。
尿路結石のリスク
しらすはカルシウムなどのミネラルが豊富なので、尿路結石(腎結石・尿管結石・膀胱結石)の原因になる可能性があります。与えすぎには注意が必要です。犬の尿路結石症の治療では、食事内容の管理が大切なポイントとなります。
過去に尿路結石症になったことがあったり、現在治療中の犬の場合は、しらすを食べることで再発や病気の悪化、治療効果の低下につながることがあるため、避けるようにしましょう。
アレルギーに注意
犬にしらすを与える時にはごく少量から与え始め、アレルギー症状が起きないか注意して観察してあげましょう。
どんな食べ物でもそうですが、犬がしらすを食べた場合でも、食後に皮膚のかゆみや赤み、時には嘔吐や下痢といった消化器症状として、食材に含まれる成分へのアレルギー反応が見られることがあります。
特に、しらすを食べた直後に犬の口や目の周りに症状が出るようであれば、しらすの成分にアレルギー反応を示している可能性が高いため、続けて食べさせないようにしましょう。
まとめ
しらすはタンパク質やカルシウム、ビタミンDなどが豊富です。塩分を抜くことや、頻繁に与えなければ犬に安心して食べさせることができます。犬の栄養バランスを考えてメインの食事を中心に、しらすはたまに与えるようにしてくださいね。
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20代 女性 ゆか