抜け毛が多い犬種って?
被毛の色、種類、毛質は、犬種によって異なった特徴を持っています。
そして、飼い主さんの困りごとのひとつである「抜け毛」も、犬種によって多い少ないがあります。
ダブルコートとシングルコート
犬の抜け毛の量は、毛周期(毛が生え変わる周期)が長いか短いかよっても差がありますが、毛の構造の違いが大きく関わっています。
犬の被毛は「ダブルコート」と「シングルコート」の2つのタイプに分かれ、ダブルコートは上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の2層構造になっており、シングルコートは上毛のみの1層構造です。
年に2回、春と秋に犬の毛が大量に抜け変わる換毛期がありますが、換毛期に抜けるのは下毛であるため、上毛のみで下毛のないシングルコートの犬種には換毛期がありません。
ですから一般的に、換毛期のあるダブルコートの犬種は抜け毛が多い犬種、換毛期のないシングルコートの犬種は抜け毛が少ない犬種と言われています。
とはいえ、抜け毛の多いダブルコートの犬種なのか、抜け毛の少ないシングルコートの犬種なのかは、見た目ではなかなか判断がつきにくいものです。
一見、短毛で抜け毛が少なそうに見える犬種が実はダブルコートで、抜け毛が多い犬種だったりします。そこで今回は、抜け毛の多い犬種の中から6種をご紹介していきたいと思います。
抜け毛の多い犬種①ポメラニアン
愛くるしい容姿の小型犬ですが、祖先は北方スピッツ系のサモエドで、大型の犬だったと言われています。性格は明るく好奇心旺盛で、物怖じしない勇敢さも持っています。また、警戒心が強く、吠えやすい一面もあります。
ダブルコートの豊富な被毛は細くて絡まりやすいため、毎日ブラッシングを行わないと毛玉ができてしまいます。換毛期は下毛が大量に抜けるため、この時期のブラッシングは特に念入りに行う必要があります。
抜け毛が多い犬種②ゴールデン・レトリーバー
がっちりとした体つきをした大型犬でありながら、少し垂れたアーモンド型の目が優しい印象を与えます。ゴールデン・レトリーバーの起源についてはよく分かっていません。
一説では、ウェービーコーテッド・レトリーバーから生まれた黄色い毛色を持った犬が祖先と考えられています。
温和で優しく、子供やほかのペットとも友好的に接することができるため、世界的に人気のある家庭犬ですが、猟師が撃ち落とした獲物を回収する鳥猟犬として活躍してきた犬種です。
ウェーブがかった豊かな被毛は汚れやすく、毎日のお手入れが必須です。換毛期はかなり抜け毛が多くなるので、この時期はブラッシングを特に念入りに行わなくてはいけません。
抜け毛が多い犬種③柴犬
縄文時代から日本人と共に生きてきた柴犬は、日本の犬の代表格と言えます。元々は、日本海に面する山岳地帯に生息し、小動物や鳥の猟犬として活躍していました。
明治時代に純血の柴犬が激減し、昭和11年(1936年)に国の天然記念物に指定されています。
信頼する飼い主の指示に忠実に従おうとする従順な性格です。飼い主や家族には深い愛情を見せる一方で、見知らぬ人への警戒心は強い傾向にあります。
短毛であるため、お手入れは比較的簡単です。換毛期には大量に毛が抜けるのでこの時期のブラッシングは念入りに行う必要がありますが、換毛期以外は毎日軽くブラッシングを行う程度でOKです。
抜け毛が多い犬種④シベリアン・ハスキー
かつては、シベリア北東部に住むチュクチ族に飼育され、猟犬、ソリ引き、ボート引きなど作業犬として幅広く活躍していました。極寒にも耐えられるほどの心身の強さを持ち、北極点探検や南極探検に同行した、輝かしい歴史のある犬種です。
人懐こく陽気で、飼い主に従順な性格ですが、いたずら好きな一面もあります。
通常のお手入れは週1回程度のブラッシングでOKですが、換毛期には毎日のブラッシングが必要になります。特に、春から初夏にかけての換毛期にはごっそり毛が抜けます。
抜け毛が多い犬種⑤ボーダー・コリー
最も賢いと言われている犬種で、身体能力にも長けており、フリスビーやアジリティなどのドッグスポーツを得意とします。8世紀後半以降にバイキングがイギリスのスコットランドに持ち込んだ牧畜犬が祖先と言われています。
元々は牧羊犬であるため非常に活発で、作業意欲が高いです。どんな指示も忠実にこなす賢さと身体能力を持っていますが、賢いがゆえに、飼い主が甘やかしたり、曖昧な態度を取ったりすると、指示に従わなくなることがあります。
被毛は汚れやすいので毎日ブラッシングを行うようにし、換毛期は特に念入りに行います。
抜け毛が多い犬種⑥ラブラドール・レトリーバー
盲導犬をはじめとする作業犬としても、家庭犬としても優秀な犬種です。正確な起源は定かではありませんが、16世紀頃に北欧やイギリスの漁船に同乗してカナダに渡った犬が祖先という説が有力とされています。
温和で従順な性格をしていますが、元々は気性の激しい犬種だったようです。1800年代にイギリスに渡ってから猟犬として改良が重ねられ、現在のような性格になったと言われています。
被毛は短いものの1年を通して抜け毛があり、毎日のブラッシングが欠かせません。
まとめ
今回は抜け毛が多い犬種を6種ご紹介しましたが、寒冷地で改良された犬種は抜け毛が多いダブルコートが多く、温暖地で改良された犬種は抜け毛が少ないシングルコートが多いとされています。
抜け毛が多い犬種を飼うと、お手入れやお掃除が大変ですよね。わが家にも柴犬がいるのでよく分かります。
特に換毛期のブラッシングはキリがなく、面倒に感じてしまうこともあるかと思いますが、抜け毛を放置しておくと蒸れて皮膚病の原因になりますので、お手入れを怠らないようにしましょう。
また、抜け毛が多いダブルコートの犬種は寒さには強いですが、暑さには弱い傾向にあるので、これからの季節、熱中症にならないように十分気をつけてあげてくださいね。
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